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EX-AR3LTD

VICTOR
EX-AR3LTD

¥OPEN(予想実売価格130,000円前後)

発売:2008年10月下旬
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“異方性振動板”採用のウッドコーンコンポ限定モデル

【SPEC】
<アンプ部>●実用最大出力:40W+40W ●入出力端子:(前面)USB×1、ラインIN/OUT×各1、ヘッドホン出力 (リア)光デジタル入力・出力×各1、ラインIN/OUT×各1、ビデオ出力×3(D2/S1・2/コンポジット)、サブウーファー出力×1、AVコンピュリンク×1 ●消費電力:45W ●最大外形寸法:246W×114H
×283Dmm ●質量:4.4kg
<スピーカー>●ユニット:1ウェイバスレフ(防磁) 9cmウッドコーン×1 ●最大外形寸法:120W×161H×267Dmm ●質量:2.0kg

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

デジタルアンプ“DEUS”も改良を加え第3世代に進化
厚手の木製トッププレートをもつセンターユニットは、LTDシリーズの象徴だ。オリジナルのEX-AR3からさらにこだわって、9センチのユニットに異方性振動板を初採用している。フット部には真鍮削り出しの3点支持インシュレーターを奢るなど、一層プレミアムな DVDコンパクトコンポとなった。

さて注目の異方性振動板だが、十字型にウイングと呼ぶウッドのシートが貼ってある。指向性のコントロールの目的であり、ウイングの幅を左右に広く、上下に狭くすることにより音速に変化をつけるもの。音は木目方向により速く走るので、ねらいどおり水平方向の音場がアップするわけだ。あわせて解像度も向上。本件に関し、特許7件を出願中という。その他にもEX-AR3と同様に、内部の吸音材をチェリーからメイプルに変えて吸音率を向上。またエンクロージャーについても、パスレフポートの位置を下から上に変更したり、独自のポートカバーや繊維の方向まで計算に入れた竹響棒(2階建て5つのパーツにて構成)を採用するなど、熟達のチューンが冴える。デジタルアンプ"DEUS”は、セパレーションやS/Nを改良させた第3世代だ。

ボーカルの大一声でもう音の広がり方が違う。ふわっと左右の音場がのびるだけでなく、上方の音圧感まであがる感じだ。異方性振動板と竹響棒のダブル効果だろう。聴き位置を左右にズラしても、ステレオイメージが損なわれないのは驚きだ。中央にキチンと定位しつつ、朗々とした歌声が豊かに部屋中を満たすのだ。中・低域に厚みが増すとともに、高音域にかけてもウッドコーン特有のツヤのある緻密さを実感させた。ピアノ五重奏の「ます」は、チェロの胴鳴りが快感そのものだ。ピアノのクリアな音色、高域弦のヌケなど、アンサンブルの楽しさを全身で表現していて申しぶんがない。

K2はモード1でさらに鮮度感やリアルさが高まり、ジャズもフュージョンもいい。ブラスは華麗な音色を楽しませ、躍動感をもったリズムセクションもご機嫌だ。静かに雰囲気を味わうならモード2がよいだろう。

K2は圧縮オーディオの音質も大きく改善させる。新しいUSB録音機能は128kbpsに限定されるが、よい音をDAPで手軽に持ち出せるメリットは大きい。ときにはDVDで映像とともに楽しむこともできる好アイテム。ウッドコーンで最高の贅沢をするならまさにぴったりで、リッチな気分になれる。セカンドシステムにもお勧めだ。

(text:林正儀)