製品情報

製品データベース

TOP > ビデオプレーヤー > BDプレーヤー

XV-BP1

VICTOR
XV-BP1

¥OPEN(予想実売価格42,000円前後)

発売:2009年7月上旬
AMAZONで検索

手軽にBDやDVDディスクの再生が楽しめるエントリークラスのBDプレーヤー

【SPEC】●入出力端子:HDMI出力×1、D端子×1、コンポーネント映像出力×1、コンポジット映像出力×1、アナログ2ch音声出力×1、デジタル音声出力(光/同軸)×各1、LAN端子(10BASE-T/100BASE-TX)、USB端子 ●消費電力:約18W ●外径寸法:約430W×54H×245Dmm ●質量:約2.8kg

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

オーディオビジュアルファンが待望したビクターのBDプレーヤーが登場

今夏、ビクターはグローバルブランドの“JVC”から液晶マルチモニター「LT-42WX70」を発売し、再びファンの熱い注視を集めている。専門店大手が商談会に本機を展示したところ、瞬く間に数台が成約。購入したのは主にプロジェクター上級カテゴリーで向かうところ敵なしのD-ILAのユーザーだが、映像調整を開放したマニアックなコンセプトが一致して購入の決め手になったという。ビクターの威光衰えずといったところである。

そのビクターの次なる動きがBDプレーヤー「XV-BP1」の発売である。ビクターはBDアソシエーションの中心的一社で、最も早い時期からコンベンションにBDレコーダーを試作展示していた。このところはケンウッドとの経営統合など政治の時期にあったため、市場への投入が少し遅れていたビクターのBDプレーヤーがとうとう世に送り出された。市場想定価格が42,000円前後というスタンダード機だが、私たちオーディオビジュアルファンにとって喜び以外の何物でもない。話題の「XV-BP1」を数日間自宅に預かり、その実力と価値を検証してみた。

XV-BP1はBD-ROM、BD-R/RE、DVD(-R/RE他含む)、音楽CDが再生できるほか、前面にUSB入力を備えMP3/WMAなど音楽ファイルやJPEG静止画ファイルの再生にまで対応する。また、ハイビジョンムービーで撮影したコンテンツを収めたAVCHDディスクや、PCで作成した DivX/MPEG-4ファイルの再生も可能だ。BD-ROMプレーヤーとして見た時、1080p/24コマ出力、DVDの1080p/60コマへのアプコン出力が可能な点も魅力だ。その他、LAN端子を持ち、BD-LIVE/BONUS VIEWによるBD-ROMの機能拡張にも対応する。もちろん、ドルビーTrueHD、DTS-HD Master Audio等、HDオーディオのビットストリーム出力にも対応する。最大7.1chまでのリニアPCM変換マルチ出力も可能だ。なお音声アナログ変換出力の機能は持たない。

実際に目にした「XV-BP1」は、薄型(高さ54mm)のスペースセーバー性を重視したデザインで、本体も軽量なのでTVラックが混雑を極めていても設置は容易である。テスト時の視聴機器は、ディスプレイにビクター「DLA-HD100」、サラウンドアンプにソニー「TA-DA3200ES」を使用した。

JAVAの読み込み等、BD-ROMの装填から出画まで機敏な応答を実現していて心地よい。筆者の試聴室はスクリーンに120インチ(4対3)のキクチ「190PRO」を使用、映像の隅々まで凝視できる環境だが、XV-BP1は堂々とした画で驚かせる。どちらかというとS/N志向、バランス志向で自然かつ誇張感のない素直な映像である。

今年に入りMPEG-4 AVCのフォーマットで映像を収録したタイトルの比率がさらに増し、BD-ROMの画質が一段と向上、特に細部の解像感や遠近感に進境が大きい。今季の各社のプレーヤー、レコーダーもそれに合わせて細部の情報の表出を重視する傾向がみられるが、やや過度に感じられる場合もある。XV-BP1の場合、最新ディスクの画質に寄り添いディテール情報が自然に滲み出る。色彩もどちらかというと品がよく、自己主張を抑えるタイプ。エントリークラス再生専用機のユーザーはジャンルにこだわらず映画を見るBD-ROMのヘビーユーザーだから、これは理に適った画質設定である。

HDオーディオの音質は今回はLPCMに変換して出力したが、スピード感に溢れた鋭利なサウンドである。敢えて注文をつければ、前面パネルのボタン周囲の青のイルミネーションが、真暗な環境では目に付くこともあるので、次作にはディマー機能の導入も検討していただきたい。他には文句の付けようのない優れたスタンダード機である。カテゴリーNo.1を独走するプロジェクター、モニターディスプレイ、そしてXV-BP1と駒は揃った。私たちオーディオビジュアルファンは、もう一度繰り返そうではないか。“ウェルカム・ビクター!”と。

(text:大橋伸太郎)