電源ノイズを遮断する独自回路を搭載したコンパクトなUSB-DAC

バスパワーで駆動するスリムな形状のUSB-DAC「MusicStreamer II」が米国のHRT（High Resolution Technologies）から発売された。USB入力とアナログ出力のみのシンプルな構成だが、入力信号のサンプリング周波数を表示するLEDを内蔵するなど、必要な機能は揃っている。さらにサンプリング周波数は最大96kHzまで対応、ハイレゾリューション音源の多くをそのまま再生できるなど、見かけはコンパクトが中身は本格派だ。

アシンクロナス（非同期）モードの採用、電源ノイズを遮断する独自回路の搭載は本機にとって2の大きな特徴であり、性能の決め手だ。前者はパソコンに由来するジッターを抑える効果があり、後者は電源ラインと信号ラインの干渉を抑えることを狙っている。どちらもUSBオーディオの音質改善に有効で、相乗効果も期待できそうだ。

iTunes+Amarra miniで再生したサウンドは誇張のない自然な音調に良さがあり、特にボーカルはどの音域にもストレスがなく、すっきりとよく伸びている。Songbirdで再生したハイレゾ音源ではピアノやベースの低音が重くなりすぎず、オープンな響きを再現。その開放感がリズムの切れの良さを引き出し、推進力のあるテンポ感を生む。オーケストラはセパレーションの高さと見通しの良さに感心した。

外部電源が不要なので、パソコンとオーディオをすっきりつなげる点もポイント。スリムなノートパソコンと組み合わせ、高品位音源の真価を引き出す用途にうってつけだ。

（text：山之内正）