製品情報
DENON
AVC-1570
¥44,000(税抜)
基本性能の向上に主眼を置き、着実な真価を遂げた
【SPEC】
<パワーアンプ部>●定格出力(負荷8Ω、20Hz〜20kHz、T.H.D.0.08%):フロント…70W+70W、センター…70W、サラウンド…70W+70W ●実用最大出力(6Ω、EIAJ):フロント…110W+110W、センター…110W、サラウンド…110W+110W ●出力端子:フロント…[A、B]6〜16Ω、[A+B]12〜16Ω、センター&サラウンド…6〜16Ω
<アナログ部>●入力感度/インピーダンス:200mV/47kΩ ●SN比:98dB(TONE DEFEAT ON時) ●周波数特性:10Hz〜100kHz(+1dB、−3dB)(TONE DEFEAT ON時)
<総合>●消費電力:195W(スタンバイ時1W以下) ●外形寸法:434W×147H×417Dmm ●質量:10.4kg
※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。
ライバルとの差がますます広がりそうだ
デノンは入門機から高級機までAVアンプの幅広いラインナップを揃えている。そのなかでエントリー層に向けた特に重要なモデルが、AVC−1550、そしてAVC−1500であった。両機は本格的なコンポのクオリティを手軽に味わえる製品として、このクラス随一の人気を誇ってきたと言っても過言ではない。
本機はその1500シリーズの最新モデル。DSPにアナログデバイセズ社の32bitチップ「MELODY32」を搭載してデコード精度を向上させたほか、パワーアンプ部に上級機で培ったノウハウを盛り込んで音質改善を図るなど、基本性能の向上に主眼を置いて着実なグレードアップを果たしたことに注目したい。一部機能を追加しただけの安易なマイナーチェンジではなく、しっかり中味を伴った変更で、それは外観からも明らかだ。入力セレクターをロータリー方式に変更してフロントパネルをすっきりまとめ、同社のハイエンドモデルに通じる高級感を身に付けている。
ステレオ再生では音楽的なバランスが整った聴きやすさと、粒立ちのよい明快さが持ち味だ。小音量で聴いてもきめの粗さが気にならないし、音が痩せないので安心して音楽に身を委ねることができる。
サラウンド再生では、中級クラスのAVアンプを思わせる情報量の豊かさがあり、エフェクト音の時間的変化など、微妙なニュアンスも真面目に引き出してくる。
AVC−1550も音の良いアンプだったが、本機はさらに1ステップ上の再生音を実現した。ライバルとの差を広げることになりそうだ。
(text:山之内 正)