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PMA-S10IIIL

DENON
PMA-S10IIIL

¥280,000(税抜)

発売:2001年12月上旬
このモデルは生産を完了しています
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高い駆動力を発揮する大型電流素子を採用

オーディオ銘機賞2002 ≪プリメインアンプ部門トップ賞≫受賞モデル

【SPEC】<パワーアンプ部>●定格出力:100W/ch(負荷8Ω、20Hz〜20kHz、T.H.D. 0.07%)、200W/ch (負荷4Ω、1kHz、T.H.D. 0.7%) ●全高調波歪率:0.01%(定格出力-3dB時、負荷8Ω、1kHz) <プリアンプ部>●イコライザーアンプ出力:150mV●入力感度/インピーダンス:LINE 150mV/47kΩ(ソースダイレクトオフ) 150mV/15kΩ(ソースダイレクトオン)、MM:2.5mV/47kΩ、MC:0.2mV/100Ω ●RIAA偏差/20Hz〜20kHz±0.5dB <総合特性部>●周波数特性:5Hz〜100kHz(-3dB) ●SN比:LINE 110dB(入力端子短絡時)、MM:91dB(入力短絡時、入力信号5mV時)、MC:76dB(入力短絡時、入力信号0.5mV時) <その他>●消費電力:300W ●サイズ: 434W×181H×485Dmm ●質量:29kg

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

鮮明で鮮度の高いサウンドを実現

オリジナルS10は1990年半ばに誕生、2度ほど改良されS10IIIへと進化。その最新モデルが、このLタイプである。同社超高級機で採用されたアルミ砂型鋳物で防振対策を徹底、さらに高品位部品を投入するなどしてさらなる高音質を実現している。本機はシンプルでいながら高い駆動力を得るべく大電流型増幅素子UHC-MOSを採用し200W/ch(4Ω)というパワーを得ている。

ハイグレードパーツの導入によって高音質化を図った製品だけに、前作に比べると全体的に質感が高まっている。聴感上のfレンジが明らかに拡大し、さらに鮮明で鮮度の高いサウンドを実現している感がある。また前作に比べると低音域の充実ぶりも目立ち、全帯域にわたり緻密さがあり、並みのプリメインアンプでは得がたいどっしりとした安定感をもたらしている。

要所に物量を投入したアンプらしくウッドベースの低域開放弦の量感をリアルに引き出しながらウーファーを正確に制動する。200W/chというパワーも決してオーバーでなく、スピーカーがクリップするまで音量を上げても、まだ余裕が感じられた。質感もいたってナチュラルで、ハイパワーアンプにありがちな線の太さだけで表現することなくボーカルなど細部の表情まで克明に描き出し、小音量でも確実にスピーカーを駆動し音楽的なバランスが整っていた。また高域方向もスムーズに伸び、弦楽器のハーモニーは滑らかで適度に艶やかさが感じられる。やや大柄なボディだが、それだけに信頼性も高い。

インテグレーテッド型アンプのままで第一級のクオリティを手に入れ、しかも音量をセーブするなどストイックな聴き方はしたくないという人に薦めたい。おそらく一般的な家庭内であれば、よほど低能率なシステムでない限り難なく鳴らしてしまうはずだ。

(text:小林 貢)