製品情報
MARANTZ
PM8100SA ver.2
¥75,000(税抜)
マルチch入力を備えたユニークなプリメインアンプ
●定格出力:90W(4Ω負荷時、20Hz〜20kHz両ch同時駆動) ●全高調波歪率:0.01%(20Hz〜20kHz両ch同時駆動) ●周波数特性(CD/ソースダイレクト):5Hz〜70kHz(+0,-1dB) ●入力端子:ライン(2ch)×2系統、ライン(6ch)×1系統、MDまたはテープ系×1系統、CD-R×1系統、フォノ×1系統 ●出力端子:プリアウト(6ch)×1系統、MDまたはテープ系×1系統、CD-R×1系統、スピーカー×1系統、ヘッドフォン×1系統 ●消費電力:160W ●最大外形寸法:440W×124H×340Dmm ●質量:9.0kg
※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。
素直で正確、ニュートラルな再現力
6chライン入出力を備えたユニークなプリメイン・アンプだ。単体のパワーアンプを追加することで、SACDやDVDオーディオのマルチチャンネル再生が可能になる。プリアンプ部には電流帰還型回路を採用。低ノイズ・高スルーレートでハイスピードなドライブを実現している。
またパワーアンプ部にも電流帰還型を搭載。出力デバイスは高域特性に優れたLAPTとしたほか、デカップリング・コンデンサーをはじめ随所に高音質パーツを投入して再現性の向上を図っている。さらに電源部にはスーパーリングコア・トロイダル・トランスを使用。整流回路にはショットキーバリア・ダイオードなどセパレート・アンプの技術がふんだんに採用されている。
素直できれいな音調だ。S/Nがよく、ボーイソプラノの余韻が空間に細かく浮遊している印象である。中域を中心として密度が高く、あくまできめ細かな描写を崩さない。馬力よりも繊細で忠実な写実性を感じさせる再現性である。ジャズでも芯の詰まったピアノのタッチが緻密に描かれている。ウッドベースはにじみのない質感で音程をしっかり押さえながら静かな感触だ。ホールの響きも自然に乗り、音場の広がりを無理なく再現している。バロックは粘りのある音色で古楽器の質感を艶やかに描き出す。ノイズが絡まず、雑味のない透明感が印象的だ。ことに音を潜めたときの静寂感に味わいが深い。コーラスはひとつひとつの声部をくっきりと描き分けながら、豊かな余韻に彩られている。ひっそりとした空間にハーモニーが染み渡ってゆくような再現だ。暴れがなく、声の質感を丁寧に捉えて濁りがない。正確でニュートラルな再現力である。
(text:井上千岳)