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MARANTZ
VP-12S3
¥1,200,000(税抜)
HD2+でコントラスト向上
映像の表現力に凄みが増す
ビジュアルグランプリ2004 ≪銀賞≫受賞モデル
ビジュアルグランプリ2004 ≪プロジェクター部門トップ賞≫受賞モデル
【SPEC】
●デバイス:0.81型DMD HD2+素子、解像度1280×720 ●レンズ:1.2倍ズームレンズ ●ランプ:200W SHP ●明るさ:600ANSIルーメン(F5.0時)、700ANSIルーメン(F3.0時) ●コントラスト比:3800対1(F5.0時)、2600対1(F3.0時) ●接続端子:ビデオ入力1、Sビデオ入力1、コンポーネントビデオ入力2、DVI-D端子(HDCP対応)×1、RGB入力×1、RS232C×1、DCトリガー12V×2 ●消費電力:320W ●外形寸法:405W×155H×471Dmm ●質量:13.0kg
※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。
コントラストの値は3800対1を実現
評価の高いDLPプロジェクターの1つであるVP-12S2が、早くも今秋には12S3へグレードアップする。何とコントラスト値「3800対1」。12S2が2600対1であったから一挙に45%以上の大幅な改善となり驚く。コントラストは明るさと黒(暗部)の比率である。セオリーどおり12S3は明るさを上げ、黒を下げた。それがランプの明るさを150Wから200Wに上げ、黒を下げるため光学絞りを新採用していることにつながっている。12シリーズ初の光学絞りの採用である。しかも電動。また、12S3ではF5.0とF3.0の2つの絞りの値を示し、絞りのオン/オフが選択できるようにしている。これを称して選択式アイリスという。
さらに12S3の改善はこれだけで終わらなかった。DMDパネルのHD2も変更され、新しく「HD2+」の採用を実現した。光反射用マイクロミラーの中心にあるミラー支持点が微細化されたもの。この効果は、反射効率アップによる輝度の向上、それに迷光の減少、ミラーの平面性も上がりコントラスト改善にも役立つものである。さらに色純度の改善とノイズ対策も行ってきた。まず色純度の改善は、ORCAフィルターと名付けた新光学フィルターを、RGBの3原色を作り出すカラーホイール直後に挿入した。このフィルターは、一種の波長選択フィルターだ。投写ランプの発光から不要なグリーン系の光を取り去るのが狙い。そして、ノイズはカラーホイールにNDグリーンフィルターを追加したことで改善している。これはカラーホイールのグリーンの一部を遮光するようにNDGを貼り付け、輝度のグレー部で感じやすいチラチラした誤差拡散ノイズを少なく抑える効果を発揮する。また、新たに付属させた色温度センサーによる自動調整機能も注目である。ランプの経年変化への対応が目的で、レンズ前にセンサーを取り付けて自動調整、既定の色温度をプロジェクターの側で管理できるという安心感に結び付く。
視聴はマランツのデモルームで行った。画質は12S2をやはり越えた。まずコントラスト、黒帯び部分にしてもはっきりと差が出る。それに感心できるのが色表現力、抜け、色乗りのよさ、ダイナミックさが加わった。
(text:村瀬孝矢)
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