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SAEC
SL-3030
¥28,000(税抜)
ケーブル性能の向上が音楽的なパフォーマンスに昇華した
価格は0.7m
サエクの創業30周年記念モデル
オーディオ銘機賞2004 ≪ケーブル部門≫受賞モデル
【SPEC】 ●導体構造:6N超高純度銅/高純度無酸素銅素線集合ハイブリッド特殊撚り ●ケーブル外径:9.0φ ●被覆色:グレー ●他の長さ:1.0m/1.2m/1.5m
※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。
プラグ部には新たな機構「ツイン・スプリング・バイト」を採用
このラインケーブルは30周年を期し、サエクのノウハウを注入して作りあげたまったくの新種。まずピンプラグからユニークだ。RCAピンスリットもないし、コレクトチャックとも違う。これは正確な固定保持とスムーズな抜き差し感を両立させたツイン・スプリング・バイトと呼ぶ新機構。3030が初の採用となる。さらに導体構造はハイブリッドで、6Nの高純度銅とOFC純度無酸素銅線の撚より合わせで、シールドも厳重な3層構成だ。注目すべきは金属メッシュの外被と、ケーブルの途中に装備したR・リゾネーターだろう。このフレックスアラミド被覆は、細い銅の編み線にコーティングをかけたモノフィラメント構造をとるのだが、電磁波のシールド力がケタ違いだ。黒いリゾネーターは振動対策である。振動モーメントの関係から出力側3分の1のところに装着。これも綿密な計算と試聴によるものだろう。
効果は劇的だ。電磁パルス的なノイズ、アコースティックな振動による諸々の弊害から解き放された雑味感のない音。きわめつけのS/Nの深さを実感する。むせ返るような情報の高まりや、響きの純度もケタ違いだ。単に音が澄みきるだけでなく、ボーカルやソロ楽器などの微細なニュアンスがゾっとするリアルさで浮き上がったのだ。タイトでダルなところのない低域レスポンスもみごとなもの。レンジも文句なしにワイド。定位はあくまで精密、かつカチっとした実像感をもつ。このサウンドの構築と彫りの深い表現力が、管弦楽やジャズプレイの感動を倍加する。ケーブル性能の向上が音楽的なパフォーマンスに昇華する好例だ。新しい時代のサエクサウンド予感させる。
(text:林正儀)