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LPX-510

YAMAHA
LPX-510

¥500,000(税抜)

発売:2004年3月中旬
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HDMI入力端子、ファロージャのDCDi、シネマバランスフィルターなどを備える

最新D4パネル、HDMI搭載、新種のミドル級プロジェクター

ビジュアルグランプリ2005 ≪プロジェクター(高詳細タイプ)部門賞≫受賞モデル

【SPEC】
●投影方式:液晶3板式 ●デバイス:0.7型ポリシリコンTFTアクティブマトリックス方式、1280×720画素×3枚 ●投影レンズ:F=2.1〜4.3、f=21.4〜31.7mm,ズーム(電動)1.5倍、フォーカス(電動)、レンズシフト(電動)上下+100/-50%左右±50% ●ランプ:200W UHP ●明るさ:1000ANSIルーメン ●コントラスト比:1200対1 ●入力端子:RCAコンポジットビデオ1、Sビデオ1、D4ビデオ1、RCAコンポーネント/RGBビデオ2、HDMI1 ●外形寸法:440W×137×321Dmm ●質量:6.3kg

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

画質改善に注力したミドルクラス最有力

LPX-510は先代LPX-500から大きく様変わり、新種といえる内容だ。引き継いだのはコンセプトと1280×720ドットのワイドパネルだけであろうか。もっともそのパネルにしても最新版「D4」タイプに更新されたから、まったくの新作である。このLPX-510は、先代からの変更点が多々ある。まず明るさとコントラストが改善された。明るさは最大で1000ルーメン、コントラストも最大で1200対1である。これはLPX-500から約20%以上の改善となる。この改善をもたらしたのはパネル更新とランプパワーの見直し。D4パネルは最新版、ランプも200Wと50W分上がった。もっとも最高のコントラスト値は「シネマブラック」モード時の明るさ350ルーメン、光学絞り最大時にクリアーする。ちなみにランプパワーと光学絞りはそれぞれ6段階に可変でき(70%〜100%までの範囲、ランプパワーは200W〜150Wまで)、シネマブラックではそれぞれ最低値に設定される。

さて今回の視聴はヤマハ視聴室。まだ追い込み段階の試作型なので最終版ではないことをお断りしておく。映画ソフト(ハイビジョン、DVD)、ビデオソフト(同じく)の数種類のソフトを再生、それぞれ映像モードをスタンダード、シネマ、シネマブラックと変えて見た。このときビデオ系はハイビジョンもDVDも「スタンダード」に、映画はシネマブラックを基準にした。なお、カラーバランスフィルターは、明るさを重視するダイナミックとブライトには挿入されない。このフィルターはグリーン系の色合いを抑え肌色など赤系が冴えるように調整するが、輝度が下がるからだ。ランプパワーと光学絞りの関係は、スタンダードがランプパワー100%、光学絞りが70%と、モード毎に組み合わせの設定が変わる。自分好みの画質にするときは、各モードそれぞれ6段階に変更可能なので、合計で36通りの画質が作りだせる。この他にRGB毎のゲイン、バイアス、ガンマも個別に調整が可能なので、さらにもっと多くの画質作りが行えるようになっている。なお、視聴時は各モードのデフォルト値で十分な画質を実現していたが、これを基準として手軽に追加調整が行える。

ビデオ系はスタンダードが好ましかった。少し明るくダイナミックで色温度も高めで、ビデオらしさが表現できるからだ。一言で表わせばハイビジョンもDVDビデオも素直、それは自然体である。映画はシネマブラックが定石だが、気持ち少し画面が暗いと感じた。絶対黒がわずかに浮くから白側がもう少し高い方が好ましい。このモードもあくまで自然体の画質。好みは少し色がこってりで暗部側の締まりを高めたい。これは画質の微調整でカバーしよう。

さて、上質でスマートなスタイルと扱いやすいレンズシフトが装備したLPX-510、その自然さこそ従来からヤマハが志向しているナチュラル画質と機能性なのだ。加えてきめ細かく画質調整できる懐の深さがマニアックな要求も満たす。これこそLPX-510の狙いである。なお、HDMI端子は今後、対応DVDプレーヤーが増えた時、さらに威力を増すことになろう。

(text:村瀬孝矢)