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DPX-1000

YAMAHA
DPX-1000

¥1,000,000(税抜)

発売:2002年12月中旬
このモデルは生産を完了しています
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キング・オブ・プロジェクター
2年越しに咲かせた大輪の華

ビジュアルグランプリ2003 ≪金賞≫受賞モデル

ビジュアルグランプリ2003 ≪D-ILA/DLPプロジェクター部門トップ賞≫受賞モデル

【SPEC】●投射方式:DLP方式 ●投影デバイス:0.8インチDMD素子 HD2 ●解像度:921,600(1280×720画素) ●明るさ:800 ANSI lumens(標準)、500 ANSI lumens(シネマ) ●コントラスト比:2700対1(シネマ)、1500対1(標準) ●投影画面:60〜200型 ●ビデオ入力対応:1080i、1035i、720p、576p、576i、480p、480i ●光源:270W SHPランプ  ●騒音レベル:騒音レベル:30dB(エコノミーモード/OFF時)、28dB(エコノミーモード/ON時) ●レンズ:電動ズーム&フォーカス、大口径・高解像度・低歪1.6倍ズームレンズ(F2.4〜3.1)、異常分散ガラス使用  ●入出力端子:コンポジット×1、Sビデオ×1、BNC(コンポーネント/RGB)×1、Dsub15ピン×1、DVI-D×1、D4×1、RS-232C×1、DC12V×1 ●消費電力:365W  ●外形寸法:495W×189.5H×465.4D mm ●質量:13.8kg

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

正真正銘のリファレンスプロジェクターが登場

ヤマハのDPX-1000は、プロジェクター参入宣言から2年にして咲かせた大輪の花である。DMDデバイスは「HD2」の1280×720画素を採用。12度の角度差で光をオン/オフする最新版で、光学系全体に独自の工夫が施されている。電動による光の絞り機能を設けているのがユニーク。カラーホイールの前後2か所で、光路を狭めることで光量を抑え、内部の迷光を防いで映像の純度やコントラストを高めるものだ。

投映レンズも画期的だ。業務用シネカメラ、ビデオカメラの分野で知られるフジノンの協力により、高解像度の72mm(前玉)大口径レンズを採用しているのだ。光の損失が少ない異常分散ガラスを採用し、幾何学歪や色収差の低減をねらったものだ。ズーム比は1.6倍という異例の増倍率だ。100インチ(16:9)画面を得るには、3m〜4.8mという広い投映範囲が確保されて使いやすい。光源ランプは270WのSHP。DPX-1は120Wであり、その光量差は明るさよりも色表現の正確さに活用している。調整機能で目を引くのは色温度を設定するGUIだろう。なんと色度図そのものが出画され、黒体放射の軌跡上をポインターが動くのだ。肌色調整についても座標表示されるし、カラーバランス調整はRGBの他にC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の調整軸も設けている。もちろんガンマカーブも色別に調整可能だ。

D-VHSで見るHD映像は衝撃的な高品位だ。映像の品位という以前に、スクリーンから跳ね返ってくる光の質がまるで違うのだ。台風一過の晴天のように清澄かつ力強い光だ。これはたしかに反射型造影方式の利点を最大限に生かした光学系の威力に違いない。低損失のまま大口径レンズから放射される光の品位は別格だ。DMDデバイスの画素配列が実に美しく見える。格子模様の鮮度が周辺でも高い水準であり、あいまいに色が付いてにじんだりしないのは本気で色収差対策を行ったからだ。

DVDの映像は(取材時点では)画素変換がまだ煮詰まっていないのだが、それでも卓越した細密感とグラデーション表現が別格の印象をもたらす。たとえば『ウディ・アレンの影と霧』のような、どこまでも薄暗い白黒映像の奥行きがしっかり見えるし、霧の粒状性が3次元的にうごめいているのが分るのである。これは凄い。こういうわけで、三管プロジェクターの牙城をゆるがす境地に達してしまったようだ。見ずして語るなかれ!

(text:吉田伊織)