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HTZ-323DV

PIONEER
HTZ-323DV (Smart theater)

\OPEN(予想実売価格50,000円前後)

発売:2004年5月下旬
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業界初となる新音場「3スポットフロントサラウンド」を採用、フロントサラウンドにすれば大幅な省スペース化が図れる

【SPEC】
<DVD/CDレシーバー部>
●消費電力:175W(JEITA)/待機時:0.5W ●外形寸法:420W×70H×396Dmm ●質量:7.0kg ●入力端子:光デジタル音声入力1、アナログ音声入力2 ●出力端子:D2映像出力1、S映像出力1、映像出力1、光デジタル音声出力1、アナログ音声出力1、ワイヤレス音声出力1(HTZ-525DVのみ) 
<サブウーファー部>
●形式:16cm(コーン型) ●最大入力:100W ●外形寸法:90W×420H×390Dmm ●質量:5.0kg
<フロントスピーカー部>
●形式:10×7cm(フルレンジ・コーン型) ●最大入力:100W(JEITA) ●外形寸法:105W×158H×83Dmm ●質量(1本):0.8kg
<サラウンドスピーカー部>
●形式:7cm(フルレンジ・コーン型) ●最大入力:100W(JEITA) ●外形寸法:105W×139H×83Dmm ●質量(1本):0.55kg
<センタースピーカー部>
●形式:10×7cm(フルレンジ・コーン型) ●最大入力:100W(JEITA) ●外形寸法:240W×87H×83Dmm ●質量:0.85kg

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

これはHTZ-525DVの下位に位置する「スマートシアターシリーズ」の一員だ。しかし上位機とは別の設計思想が反映しているのに注目したい。

サラウンドスピーカーはワイヤレスではなく、背後に設置するわけでもない。サラウンドのLRはフロントのLRの上に乗っているのだ。上部にあるサラウンド用のスピーカーユニットは上向きに取り付けられ、回転するようになっているのがユニークだ。もちろん、スピーカー端子は上下それぞれ独立している。

これは「ダイレクト・ディフューズ」方式のためである。つまり意図的に天井や壁に反射させることにより、部屋の響きを加味したサラウンド感を得ようというねらいだ。サラウンドの音源が前方にあるので、その位置を目立たせないようにもっぱら間接音を聴かせるという風に解釈してもいいだろう。

ただし、本当はそういう消極的な発想ではない。上部の首振りの角度は指定されていて、その設置条件に適した音声処理をしているのである。つまり「3スポットフロントサラウンド」である。DSPの信号処理によりサラウンド成分がより拡散し、またよく包囲するように工夫されているのだ。

ユニット径は、サラウンドのみ7cmであり、他は上位機と同じく10cm×7cmになっている。DVDレシーバー部は上位機と同じ仕様になっている。

背後定位は期待できないが、高さ方向が明瞭な包囲感は独自の魅力だ。うっすらとした濃淡模様で描かれる環境音や音楽は、結構なテンションを感じさせるし、映像の奥行き感まで強化されるのである。

筆者としてもこのようなサラウンドスピーカーの配置は実験したことがあるのだが、DSPの信号処理が加わるので大味の効果にならないわけだ。

基本の音質は上位機の傾向を受け継いでいる。「フロントエンドレイアウト」と呼びたいこのシステムは省スペースの強い味方だ。

(吉田伊織)

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