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AVC-1590

DENON
AVC-1590

¥44,000(税抜)

発売:2004年8月下旬
このモデルは生産を完了しています
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第三世代SHARC搭載のエントリーAVアンプ

【SPEC】
●実用最大出力(6Ω、EIAJ):フロント135W+135W、センター135 W、サラウンド135W+135W、サラウンドバック135W+135W ●SN比/98dB(TONE DEFEAT ON時) ●周波数特性/10Hz〜100kHz(+1dB、-3dB)(TONE DEFEAT ON時) ●消費電力:230W(スタンバイ時1W未満) ●最大外形寸法:434W×147H×417Dmm ●質量:11.4kg

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

手軽に上質なサラウンド環境が構築できる

AVアンプで最も需要の大きいのは以前は10万円以下の入門クラスだったが、このところ多少事情が変わってきたようだ。入門クラスはフロントサラウンドやパッケージシステムなどもっと簡単な方向へ流れ、単体のAVアンプは10〜15万円クラスが主流となっている。もっともそれはメーカーによっても違うらしいが、少なくとも10万円以下はメインとは言えなくなっているようだ。

それなら力を入れなくてもいいかというと逆で、性能の底上げが著しいためか上級機と変わらない音質・機能が求められている。よくて当たり前という感覚があるため、ユーザーにとってはお買い得な価格帯である。

デノンの普及クラス2機種のうち、本機は下位モデルに当たる。文字どおりの入門用だが、基本設計はAVC-1890を踏襲している。パワーは定格で各80W/8Ωのディスクリート構成。デコーダーには第三世代SHARC DSPを採用し、96kHz24ビットでのフル・プロセッシングを可能とした。電源は大型トランスと大容量コンデンサーで形成。シャーシの防振性にも配慮している。

ハイパワーというわけではないが、通常のスピーカーを駆動するのに十分な力を備え、力感のしっかり乗った音調を再現する。2チャンネルでは暖色系の音色をベースに、ナチュラルで無理のない質感が描かれる。低域の量感にも不足しない。

映画ではいっそう厚手で腰の落ちた音調が再現されている。セリフの質感が太い線で描かれ、効果音もダイナミックだ。切れの鋭いシャープな感触は控えて硬質な棘を抑え、力強い迫力を前面に出した印象がある。

ディテールは細かく取り出され、身辺音の質感や室内での響きが緻密に拾い上げられている。大げさではないが、スケールの大きな出方と言っていい。

入門用として音質は十分。機能面でもわかりやすく整理された印象だ。小空間での精密な再現にも好適だが、大画面から入ったユーザーがまず整えるサウンドシステムにも効果的である。

(text:井上千岳)