巻頭言 春風のごとく 和田光征 バラク・オバマ上院議員を、昨年11月4日に第44代アメリカ合衆国大統領に選出、そのシカゴでの演説はまさにアメリカが、世界がCHANGE、変革されるであろう確信を強烈に印象づけた。ベルリンの壁が落ちて以来の歴史に残る瞬間であり革命である。 「シカゴのみなさん、こんばんは。アメリカはあらゆることが可能な国であるということをいまだに疑っている人、建国の父たちの夢は今の時代にも生き続けているのだろうかと疑っている人、そして、この国の民主主義に力があるのかと疑っている人がいるのであれば、今夜がその答えとなるでしょう。 その答えを出したのは、あちらこちらの学校や教会の周りに、この国がかつて見たことのないほど長く列を作っていた人々です。3時間も4時間も待ち、生まれて初めて投票の列に加わった人も大勢いましたが、そんな人々が示してくれた答えです。そこには今回こそは違うに違いない、今度こそ自分たちの声が違う結果を生み出せるかもしれないという信念が有りました。 その答えを出したのは、若者や高齢者、裕福な人や貧しい人、民主党員や共和党員、黒人や白人、ヒスパニックやアジア人、アメリカ先住民、そして同性愛者や異性愛者、障害者や健常者です。アメリカはばらばらの個人の集まりであったことも、赤い州と青い州の寄せ集めの国だったこともない、というメッセージをアメリカ国民が世界中に送ったのです。 私たちは今も、これからもアメリカ合衆国という一つの国家です。 〜略〜 目の前には長い道のりが待ち受けています。 目指すところに1年や任期の4年でたどり着かないかもしれません。 しかし、アメリカよ、そこに必ず私たちはたどり着くのだ、今夜ほど強く希望を感じたことはありません。 私は約束します。私たちは、一つの国民として、必ずたどり着きます。 〜略〜 今こそ、人々を仕事に戻し、子どもたちのためにチャンスの扉を開けなければなりません。繁栄を復興し、平和の大義を進めなければなりません。アメリカンドリームを再生し、基本的真理、すなわち、私たちは大勢から成る一つであり、息をし続ける限り、希望があるのだと再確認しなければなりません。
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