FUJIFILM デジタルカメラ市場創造へ
芯の通った商品力をアピール

プレミアムコンパクト≠ニいう新たな流れを呼び込んだ「Xシリーズ」。ミラーレスには独自の存在感を発揮する「X-Pro1」を構えるなど、デジタルカメラ市場を鼓舞する富士フイルムの取り組みが目を引く。押し寄せるスマートフォンの波にも、スマホ連携機能強化を打ち出した新商品F800EXRとZ1100EXRでデジカメとスマホの2台持ち≠フ意義を深掘りした。カメラと写真の喜びを訴え続ける、同社の取り組みにフォーカスする。

 

お客様は何を望んでいるのか
常に問い続ける姿勢が
導き出す攻めの答え

待望のX-Pro1用交換レンズにこの秋、新商品

川原芳博氏
富士フイルム イメージングシステムズ(株)
執行役員 ファインピックス事業部長
川原芳博氏


昨年3月に登場した「X100」を皮切りに、個性豊かな4モデルがシリーズ化されたFUJIFILM「Xシリーズ」。メイド・イン・ジャパン≠ナ実現するこだわりを、お客様に対してきちんと展示し、説明できる売り場へ絞り込み、丁寧にメッセージを発信する。ほどよい品薄感も相俟って、従来、コンデジで課題とされていた値崩れの問題も解消。店頭にとっては利益あるビジネスモデルを、購入者にとっては安心して長く愛用できる満足感を生み出し、他社がこぞって追随する新たな流れを生み出した。

販売店にとってはまさに腕の見せ所となる商品ゆえ、写真専門店の取り扱いウエイトが高いことも特徴のひとつ。同社も、ユーザー向けセミナー等の開催を積極的にバックアップ。量販店店頭ではまた、豊富なサンプル写真を用意するなど、お客様の心に潜む「こんな写真を撮ってみたい!」という気持ちに訴えかける、工夫を凝らした取り組みに力を入れる。7月からスタートした「キャッシュバックキャンペーン」も、「お客様の背中を押す大きな力になっています」(川原氏)と好評だ。

X-Pro1
秋には2本の交換レンズ新商品が登場するX-Pro1

この春、登場したレンズ交換式プレミアム「X-Pro1」では、交換レンズ「フジノン XFレンズ」に、登場以来多くの問い合わせが寄せられていた待望のズームレンズなど2本が、今秋いよいよ登場する。13年の早い段階にさらに5本を加え、計10本へラインナップを拡充する計画だ。「システム商品としての拡がりを提供し、それをお伝えしていくことが大切。交換レンズのロードマップも常にオープンにしていくことで、ユーザーの楽しみを膨らませていきたい」とさらなる拡販へ自信をのぞかせる。

スマホ連携を強化した新商品F800EXR、Z1100EXR

このXシリーズのシャワー効果もあり好調に推移するFシリーズ/Zシリーズに、新商品「F800EXR」「Z1100EXR」が登場した。EXR CMOSセンサーや超解像ズームなど基本スペックを踏襲した上で、「スマートフォン送信」機能など、需要が急拡大するスマートフォンとの親和性を高めたのが大きな特長だ。また、スマートフォンのカメラ機能との差をより明確化することで、スマホとデジカメの2台持ちの意義を浮き彫りにしていく構えだ。

F800EXRの光学20倍・超解像40倍ズームなどは、まさにスマートフォンのカメラ機能では実現できない世界。一方、Z1100EXRでは夜景に強い≠ニいう性能差をクローズアップ。「これからイルミネーションなどの撮影シーンが増えてきますが、スマートフォンは暗いシーンの撮影が苦手」と指摘する。そのウイークポイントをきちんと理解してもらおうと、「皆さんが暗いシーンで必ずたくさんの失敗経験があると思います」と話すディズニーリゾートをシチュエーションにした強力な販促を展開。より的確かつスピーディーなお客様とのコミュニケーションでメッセージを届けていく。

新商品にはさらに、アートな撮影表現が楽しめる「アドバンストフィルター」を新搭載。「お客様が撮影した画像を楽しみながら、色々な発見をしていただけると思います」と語る新提案だ。また、ニーズの高まる動画機能もさらに強化が図られた。

「昨年の東日本大震災以来、いいものを長く使いたいという気持ちが強まり、また、写真の価値も見直されました。Xシリーズに込めた我々の想いや魅力をお客様にご理解いただく上で、そうした流れが追い風になったとも感じています」と話す川原氏。「カメラで撮る楽しさ、カメラを持つ悦び、また、プリントする楽しさを、これからもご販売店と一緒になって、お伝えていきたいと思います」と力を込めた。

F800EXR
Z1100EXR
Z1100EXR
スマートフォンとの連携を高める新機能「スマートフォン送信」、
写真表現の楽しさを拡げる「アドバンストフィルター」を搭載した新商品F800EXRとZ1100EXR


back