アクションカメラ市場を牽引する「GoPro」。消費者からの厚い信頼を集めるその背景や、今後の取り組みについて、日本総代理店のタジマモーターコーポレーション・水谷成克氏に話を聞いた。
── 「GoPro」の日本代理店を獲得し、日本市場に導入された背景についてお聞かせください。 水谷 弊社代表のレーシングドライバー、田嶋伸博(モンスター田嶋)が、アメリカの自動車競技「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」に出場した時に、記録用カメラとして採用したことが始まりです。コンパクトなサイズからは想像もつかない高画質や激しいレースにも耐えるタフネスなどの優秀性に着目し、その足でカリフォルニアのGoPro社に商談に出向きました。2011年秋以降はマスターディストリビューター(日本総代理店)として、正規品の全量を輸入販売しております。 ── アクションカメラ(ウェアラブルカメラ)は、従来のビデオカメラやデジカメ・スマホの動画撮影の用途とは異なった新しい動画撮影の市場を創造されています。GoProの主なユーザー層や用途、海外市場との違いなど、国内市場動向についてお聞かせください。 水谷 国内導入当初は、サーフィンやスノーボード、レースやラリーといった“コア”なユーザー限定の特殊カメラと捉えられていました。しかし現在ではテレビのバラエティ番組などで使っていただいたこともあり、「気軽にかばんに放り込める」「赤ちゃんがよだれだらけの手で触っても大丈夫」「ペット目線」「超広角レンズの描写が面白い」「工事現場の記録」など、私たちが考えていた以上に様々な用途が生まれてきています。従来の高機能・高性能なビデオカメラとは違った客層にアプローチできたようです。 ── SNSとの連携も大きな強みのひとつとして、動画撮影をより身近な世界にされました。さらに多様な使い方が想像されますが、ユーザー開拓の取り組みやイベント等の販促展開についてお聞かせください。 水谷 自動車、アクションスポーツ、放送機材などの展示会に出展するほか、モータースポーツやスノースポーツの代表的なイベントに協賛してブランドの浸透とユーザーサポートを行っています。Facebookを通して米国からは最新の映像を、日本からは使い方のヒントやサポート情報をそれぞれ発信することでユーザーにアプローチしています。店頭で実演を行い、ユーザー予備軍の開拓も行っています。 ── 大手各社も次々に参入してきています。これまで市場をリードし、お客様からの高い支持を獲得する「GoPro」の訴求ポイントについてお聞かせください。 水谷 国内の大手メーカーさんが商品を投入していただいたおかげで、ウェアラブルカメラというジャンルの認知度が上がり、潜在ニーズが掘り起こされたのは幸運でした。その中でGoProは、元来サーファーが自分のために作った製品であり、輸入販売する私どもタジマモーターコーポレーション自身もラリーやレースなど、祖業の場で活用して、役立てたり、楽しんだりしています。 ── 販売チャネルにおいては、“ユーザー視点”による多様な展開が行われています。それぞれのチャネルごとの特徴や今後のチャネル戦略についてのお考えをお聞かせください。 水谷 GoProの特徴であるオプションの多さから、全販売店が全オプションを在庫できるわけではありません。また、スポーツ用品への装着方法など、ある程度の経験や知識が必要になる場合もあります。そこで、特にGoProを深く理解され、販売に力を入れておられる店舗様を「GoPro
SHOP」として認定して、当社WEBに紹介しています。 ── 新しいマーケットを創造する商品として、家電店での注目も大変高いものがあります。これからの市場展望と意気込みをお聞かせください。 水谷 数年前までは存在しなかったジャンルですから、「頑張っただけ伸びる」という意味ではやりがいのある商品だと思います。しかし、これまでの状況をみると、たくさん売っている店舗は、ご担当者自身がウェアラブルカメラを使いこなしていて、エンドユーザーにその魅力を熱く語っているお店です。 |