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受賞インタビュー「パナソニック」

宮地晋治

顧客創造のマーケティング展開や
顧客接点活動の手応えで拡販に弾み
パナソニック株式会社
日本地域コンシューマーマーケティング部門
コンシューマーマーケティング ジャパン本部
AVC商品部 部長
宮地晋治

オーディオ銘機賞2019にて金賞を、VGP2019にて総合金賞と批評家大賞を獲得と、オーディオおよびビジュアルの重要製品を次々に投入しているパナソニック。新たなデジタルマーケティングでの発信をフックに、さまざまなチャネルでお客様接点を広げる同社の取り組みを、宮地氏が語る。
インタビュアー/徳田ゆかり Senka21編集人、写真/川村容一

テクニクスのSL-1000Rが、オーディオ銘機賞の金賞を受賞されました。テクニクス復活の集大成ですね。

宮地権威ある賞をいただきありがとうございます。アナログプレーヤーSL-1000RとターンテーブルSP-10Rは、テクニクスの代名詞とも言えるアナログプレーヤーの最高峰の商品です。オーディオの大型イベントへの出展や全国のご販売店様での試聴イベントを毎週実施していますが、ダイレクトドライブ・モーターや重量級プラッターによるなめらかで安定した回転、そして実際に聴いていただいた音に対して非常に高いご評価をいただいております。おかげさまで我々が想定した数を遥かに上回る出荷実績が続いております。

お買い求めいただいているお客様は、テクニクスの旧機種をお使いいただいている方に加え、新たにご購入いただいたお客様やテクニクス以外のシステムをお持ちの方も数多くいらっしゃいます。試聴会を重ねる毎に手応えが大きくなっており、非常にうれしく思います。 販売比率は現状では、SL-1000RがSP-10Rの2倍の割合ですが、今後はSP-10Rの比率が上がると予想しています。旧機種にあたるSP-10MK2やMK3をお使いいただいているお客様の置き換えに加え、他社様に周辺製品をお出しいただいていることも追い風となって、ご自身でプレーヤーのシステムを組み上げるニーズにお応えできるようになってきており、カスタマイズして楽しまれるお客様の購入が進むと考えています。

これからのテクニクスの展開にも弾みがつきます。

宮地テクニクスの象徴とも言える「SL-1000R」「SP-10R」の復活で、テクニクスのお客様の数を増やせたことは間違いありません。今回の金賞受賞が大変な励みとなり、次につながっていくと考えています。今後の製品展開として、上位価格帯や普及価格帯をどう充実させていけるか。昨秋発売の一体型のSC-C70も安定した販売ができ、ここ1年でテクニクスの認知度も高まってきましたので、手を緩めずに取り組んでいきたいと思います。

VGPでは批評家大賞、総合金賞を獲得されました。

宮地批評家大賞を頂戴しましたUltra HDブルーレイプレーヤーのDP-UB9000は、最新のHDR規格「HDR10+」と「Dolby Vision」の両規格に国内で初めて対応し、高画質技術も進化させた最高級のディスクプレーヤーです。テクニクスの技術を投入して音質面も磨きをかけました。

大変栄誉ある賞を頂戴しまして、12月からの販売の弾みとなります。商品にこだわりのあるお客様をターゲットに、オーディオビジュアルの専門店様や量販法人の旗艦店様で体感の場を整備していきたいと考えています。

総合金賞を頂戴しました「おうちクラウドディーガ」につきましては、4Kチューナー内蔵モデルでは、4K放送コンテンツをディスクに残せることがご評価いただけ、また4K対応テレビを所有されているお客様にとって4Kチューナーとして活用いただけることで注目されています。10月後半から11月にかけて4K関連商品の販売が伸びており、4Kチューナー内蔵モデルは予約段階から好調な立ち上がりです。量販店様で大きなお取り組みをしていただけ、地域専門店様でもたくさんのご予約を頂戴しています。

また9月〜11月は地域専門店様で、4K対応テレビと4Kチューナー、または4Kチューナー内蔵レコーダーのセットが販売キャンペーン対象となっています。さらに合展や個展でもこうした訴求をしっかりと打ち出していただくことにより、地域専門店様のテレビ、レコーダーの販売実績が上がっています。さらにサウンドバーなどオーディオ製品も地域専門店様の売上げを大きく牽引しています。

宮地晋治

4Kがフックとなってテレビや関連製品が活気付いていますね。お客様の関心度も高まっています。

宮地4K衛星放送の12月の番組表も公開されていますし、年末に向けて4Kの視聴環境が整い、関連製品を売りやすい環境になってきたと言えます。テレビまわりが活況を帯びるのは喜ばしいことです。特に地域専門店様には、テレビを重点的にお取組みいただいているご販売店様も多く、この年末から来年の春夏商戦、再来年の東京オリンピックまで、継続して強力な取り組みを推進したいと思います。

おうちクラウドディーガのレギュラーモデルは、新たな価値を打ち出しています。

宮地リビングのインテリアが多様化し、レコーダーの置き場所も必ずしも従来のようにテレビの下のAVラックではない、という現状を受け、昨今のリビングで多く使われているシェルフにも設置しやすいサイズとカラーに筐体のデザインを大幅に変更しました。この結果、店頭展示の仕方も工夫いただいており、お客様のアイキャッチにつながっています。量販店様では一定以上のお客様の評価をいただけています。

番組の録画再生だけでなく、スマホで撮影した写真や動画などコンテンツを貯めて見る、共有するといったレコーダーの新たな価値を提案されています。どのような訴求を。

宮地昨年の秋から「おうちクラウドディーガ」のご提案を開始し、今年の春・秋と展開を重ねるにつれ、店頭でもより好意的に受け入れていただけています。お客様への「おうちクラウド」の機能の認知も深まってきており、購買の決め手としても奏功するようになってきました。取り組みを継続して、さらに認知を広げ販売増につなげていきたいと思います。

当社では、お客様が何をお求めかを予測し、ふさわしい内容の広告を発信できるデジタルマーケティングの取り組みを、今夏から本格稼働させています。これにより、より響きやすいダイレクトなメッセージを届けることができるようになり、購買行動にもつながりやすくなっています。

おうちクラウドディーガでも、CMキャラクターの遠藤憲一さんが登場するデジタルコンテンツを用意し、LINE動画広告として展開したところ、女性のお客様から多くのご支持をいただきました。今後はこうしたマーケティング手法をさらに活用して参ります。

店頭での施策についてお聞かせください。

宮地この年末からは、東京オリンピックを全面的に押し出し、ビューティフルジャパン2020を打ち出していきます。東京オリンピックに向けて、47都道府県それぞれの風景やそこで活躍するアスリートが登場する動画を4年前から作成してきましたが、来春頃には全てのコンテンツが完成します。

こうして貯めてきたコンテンツを活かし、マスはもちろん、店頭での訴求に軸を置いて効果的に利用していきます。オリンピックの公式スポンサーであることを全面に出したマーケティングを、東京オリンピック開催まで継続していく。この絶好のチャンスに、大いに市況を盛り上げて参ります。

◆PROFILE◆

宮地晋治
1988年 九州松下電器(株)(現パナソニックシステムネットワークス(株))入社。2012年 AVCマーケティング ジャパン本部 商品グループ グループマネージャー。2013年 コンシューマーマーケティング ジャパン本部 AVCグループ グループマネージャー。現在に至る。

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