最新作『アイアン・フィスト』を語る
【集中連載】現地で見たNetflix “最強” の理由(6)パートナーとの密な連携でクオリティを高める
山本 敦氏が米Netflixの本社を訪問、Netflixの最新動向やその取り組み、今後の展開についてレポートしていく連続企画。最終回となる第6回目では、スタッフが語る『アイアン・フィスト』のストーリーおよび映像作品としての見どころをお届けしたい。
■『アイアン・フィスト』の次のマーベル作品はどうなる?
今回のNetflix本社ツアーはテクノロジーに関連する話題が盛りだくさんの内容だったが、最新作『アイアン・フィスト』の原作を提供するマーベルのSVP Original ProgrammingのKarim Zreik氏と、作品の撮影監督を務めたManuel Billeter氏をゲストに招き、Netflixオリジナルの全作品を担当するプロデューサー、Vice President Originals SeriesのCindy Holland氏との3人による、カジュアルな雰囲気のパネルディスカッションも開催された。
Zreik氏は最新作の『アイアン・フィスト』について、Netflixで製作してきた4つのマーベル作品のエッセンスが凝縮された作品が完成したと語っている。「これから4つのキャラクターが集結する『マーベル・ディフェンダーズ』にも展開は広がって行く予定ですが、その前に『アイアン・フィスト』だけ押さえておいてもらうだけでも、スムーズにディフェンダーズの世界観に溶け込めると思います。要チェックですよ」とアピールした。
ディフェンダーズのあとは、マーベルとNetflixのタッグは終わってしまうのか?という質問についてはHolland氏が「きっと終わらないはず。『デアデビル』の人気キャラクターがスピンアウトした『パニッシャー』などの展開も期待できると思います」と答えた。
マーベルにとってNetflixと組んだことの効果について、Zreik氏は「Netflixとのコラボレーションによって、よりキャラクターのダークサイドにもスポットを当てたり、マーベル作品の多様性を生み出すことができた」とポジティブに評価している。
またZreik氏は、作品の世界観については撮影監督のBilleter氏による貢献が大きいとした。『アイアン・フィスト』は4作品の中で初めてHDR撮影が行われた作品だ。Billeter氏にとっても「作品の色合いや明るさのレベルなど細かく設定する項目が増えるけれど、こちらのこだわりが素直にフィルムの出来映えに反映されるのでやり甲斐は大きかった」と語っている。
HDR撮影のメリットについてBilleter氏は「SDRの映像と比べてしまうと、確かに鮮度や立体感はかなり違って感じられると思います。でも最終的に、真に迫る出来映えの画が撮れるかどうかは、結局はクリエイターの腕の見せどころによるところが大きいと思います。だから新しい技術に溺れることなく、質の高い映像を得るために技術を使いこなすという姿勢を常に持つことが大事なのでは? 最終的なゴールは映像の没入感を高めることであって、HDRは一つのツールに過ぎないと思います」と述べた。
ジャーナリストからの質問は、「全13話」というシリーズドラマの“尺”についても及んだ。果たしてこれが適切な長さなのか。Zreik氏は「私の個人的な感触としては、13話という尺が作品全体の“起承転結”を付けるのに最も適していると思っている」と答えている。
「Netflixはグローバル展開を強化しているが、今後も作品の質をキープできそうか」という問いに対しては、Holland氏が「マーベルとのパートナーシップに代表されるように、良質な作品をともに自由な環境でつくりたいというパートナーと仕事ができています。彼らとはストーリーの構成段階から、細かな映像のカットを決めるところまで密接なディスカッションを重ねながら丁寧に作品をつくっています」と語りながら、これからも質の高い作品を提供していきたいと意気込みを語っていた。
(山本 敦)
■『アイアン・フィスト』の次のマーベル作品はどうなる?
今回のNetflix本社ツアーはテクノロジーに関連する話題が盛りだくさんの内容だったが、最新作『アイアン・フィスト』の原作を提供するマーベルのSVP Original ProgrammingのKarim Zreik氏と、作品の撮影監督を務めたManuel Billeter氏をゲストに招き、Netflixオリジナルの全作品を担当するプロデューサー、Vice President Originals SeriesのCindy Holland氏との3人による、カジュアルな雰囲気のパネルディスカッションも開催された。
Zreik氏は最新作の『アイアン・フィスト』について、Netflixで製作してきた4つのマーベル作品のエッセンスが凝縮された作品が完成したと語っている。「これから4つのキャラクターが集結する『マーベル・ディフェンダーズ』にも展開は広がって行く予定ですが、その前に『アイアン・フィスト』だけ押さえておいてもらうだけでも、スムーズにディフェンダーズの世界観に溶け込めると思います。要チェックですよ」とアピールした。
ディフェンダーズのあとは、マーベルとNetflixのタッグは終わってしまうのか?という質問についてはHolland氏が「きっと終わらないはず。『デアデビル』の人気キャラクターがスピンアウトした『パニッシャー』などの展開も期待できると思います」と答えた。
マーベルにとってNetflixと組んだことの効果について、Zreik氏は「Netflixとのコラボレーションによって、よりキャラクターのダークサイドにもスポットを当てたり、マーベル作品の多様性を生み出すことができた」とポジティブに評価している。
またZreik氏は、作品の世界観については撮影監督のBilleter氏による貢献が大きいとした。『アイアン・フィスト』は4作品の中で初めてHDR撮影が行われた作品だ。Billeter氏にとっても「作品の色合いや明るさのレベルなど細かく設定する項目が増えるけれど、こちらのこだわりが素直にフィルムの出来映えに反映されるのでやり甲斐は大きかった」と語っている。
HDR撮影のメリットについてBilleter氏は「SDRの映像と比べてしまうと、確かに鮮度や立体感はかなり違って感じられると思います。でも最終的に、真に迫る出来映えの画が撮れるかどうかは、結局はクリエイターの腕の見せどころによるところが大きいと思います。だから新しい技術に溺れることなく、質の高い映像を得るために技術を使いこなすという姿勢を常に持つことが大事なのでは? 最終的なゴールは映像の没入感を高めることであって、HDRは一つのツールに過ぎないと思います」と述べた。
ジャーナリストからの質問は、「全13話」というシリーズドラマの“尺”についても及んだ。果たしてこれが適切な長さなのか。Zreik氏は「私の個人的な感触としては、13話という尺が作品全体の“起承転結”を付けるのに最も適していると思っている」と答えている。
「Netflixはグローバル展開を強化しているが、今後も作品の質をキープできそうか」という問いに対しては、Holland氏が「マーベルとのパートナーシップに代表されるように、良質な作品をともに自由な環境でつくりたいというパートナーと仕事ができています。彼らとはストーリーの構成段階から、細かな映像のカットを決めるところまで密接なディスカッションを重ねながら丁寧に作品をつくっています」と語りながら、これからも質の高い作品を提供していきたいと意気込みを語っていた。
(山本 敦)