新製品の魅力と今後の日本展開について訊く
ファーウェイ・ジャパン 端末事業トップ 楊涛氏が語る「1+8+N」戦略のこれからと新製品。「他にはない優れた体験価値の提供を目指す」
本日4月20日、ファーウェイからノイキャン完全ワイヤレスイヤホン「HUAWEI FreeBuds 4i」やスマートバンド「HUAWEI Band 6」などの新製品が、日本市場に登場した。これらの製品は、シームレスなコネクテッドライフを推進するため、同社が掲げている「1+8+N」戦略の「8」にあたる製品群だ。「1」に定義したスマートフォンを中心に、8つのジャンルの製品との連携強化も推進されている。
今回、同社コンシューマー向け端末事業の日本市場のトップを担う楊涛(Yang Tao/ヤン・タオ)氏にインタビューを実施。新型コロナウイルスの感染拡大によって、人々のライフスタイルが大きく変化し、経済活動も大きな影響を受ける中、ヤン氏は2020年6月にファーウェイデバイス日本・韓国リージョンプレジデントに就任。インタビューでは一年を振り返りながら、この度登場した新製品、さらに今後の日本での展開について、詳しくお話を伺った。
■2020年は「難しい状況ながら、テクノロジーがもたらす利便性を強く感じた一年」
ーーー 先日ファーウェイの2020年度決算報告が発表され、売り上げ、純利益ともに増収、特に中国市場での伸びが顕著だったとのことですが、日本市場の動きはいかがでしたでしょうか?
楊涛氏(Yang Tao/ヤン・タオ:以下、ヤン氏): 2020年はファーウェイにとっても困難な一年ではありましたが、グループ全体として増収増益を達成できました。中国リージョンで伸びた理由としては、コロナ渦でありながら、世界に先んじて生産・経済活動が再開したという背景もあり、本国で急成長を遂げられたのだと思っています。
各国においても、安定して健全な事業運営ができています。日本市場では幅広くビジネスを展開していて、まず、通信事業、日本の法人向け通信機器の提供や各種サービスの提供といった分野において、様々な産業界と提携しながら標準化の取り組みを推進しています。
コンシューマー事業では、これまでにも革新的なデバイスの提供をしてきたと自負しています。そうした中で、昨年は「1+8+N」戦略をより一層推進し、スマートフォンやモバイルルーターといった製品群を主軸とした展開から、本日発表した完全ワイヤレスイヤホンやスマートバンド、タブレットなどの端末も多数日本市場に投入できました。
こうした取り組みのもとで、日本市場でもよりバランスのとれた事業展開が実現できていますし、今後も革新的な製品を、多種多様に取り揃えて皆さんに提供していきたいと考えています。
ーーー 冒頭におっしゃられた通り、2020年は世界中で社会のあり方やライフスタイルに大変化が起き、どんなビジネスにおいても厳しい状況となりました。そんな難しい情勢の中で、日本・韓国リージョンプレジデントに就任されたわけですが、ヤンさんご自身にとって2020年はどんな一年でしたか?
ヤン氏: そうですね、2020年を振り返ると、プレジデントに就任して最初の年であり、個人的にはエキサイティングかつチャレンジングな一年だったと思います。また、いろんなチャンスにも恵まれたと思っています。
コロナの影響で特殊な状況下となった昨年、世界中の人々の生活、ライフスタイルに変化が起きました。そうした変化の中で、ファーウェイの持つ革新的な技術を活用いただくことで、皆さんの生活に何らかの形で貢献できたのではないかと考えています。
私自身、この一年でテクノロジーがもたらす利便性を強く感じることができました。昨年は中国に一度も帰国できず、一年以上実家の両親と会うことができていません。これまでも電話でコミュニケーションをとってきましたが、やはり直接顔を見て話がしたいという思いがあります。もちろんビデオ通話も可能ですが、両親は高齢で、スマートフォンの操作に慣れていません。
そこで最近では、スマートテレビを実家に購入し、テレビ画面を通してコミュニケーションをとるようになりました。テレビであれば、大画面かつ鮮明な映像で、通話越しの相手もより身近に感じることができます。また両親でも簡単に操作できますし、容易にビデオ通話が行えます。これは私自身にとって大きな変化の一つであり、こうした新しく便利な体験を通して、その価値を深く実感しました。
ーーー 日本国内でも、外出自粛が続いて帰省することが難しくなり、オンライン通話を活用した新しい家族のコミュニケーションの形が広まりました。スマートフォンをはじめとする様々なデバイスがもたらす利便性というのは、変化するライフスタイルの中で非常に重要であると感じます。
ヤン氏: そうですね。私は、製品の価値というのは、新しい技術を取り入れ革新的であること、品質が良いこと、そして、製品がもたらすユーザーエクスペリエンスにあると考えています。どんなに最先端かつ高品質なものでも、多くのユーザーが簡単に使えなくてはなりません。そのためには、たくさんの技術が必要となってきます。
たとえば、先ほどのビデオ通話でいうと、私はファーウェイのスマートフォンを使って通話します。スマートフォンには高解像度なカメラレンズがついていますが、このカメラを通した映像を、高品質に実家の両親に届けるためには、高い処理能力が必要です。音声も同じで、しっかりと声を拾ってクリアに届けられるかどうかが大事です。機能そのものを増やすことはさほど難しいことではありませんが、その機能を通して、いかに優れた体験を実現するか、そのための技術開発が非常に難しいことなんです。
ファーウェイは日本市場で様々な製品を展開しています。たとえばスマートウォッチやスマートバンドなどは、健康管理がより重要視される今、活躍できるデバイスの一つです。機能面の充実にも力をいれてきましたし、他にモバイルルーターなどもラインナップを充実させています。スマートフォンだけでなく、様々な製品群において、成果も出すことができたと思っています。またこうした幅広い展開を通して、皆さんの生活に利便性を提供し、貢献できていたら嬉しいです。
■ファーウェイの製品で、「他とは異なる優れた体験」の実現を目指す
ーーー 日本市場については、どんな印象をお持ちでしたか?また、来日されて変化はありましたでしょうか?
ヤン氏: 来日する以前、日本については十分に競争のなされた成熟した市場であり、ユーザーの多くが製品に対して高い要求レベルを持っていると認識していました。そうした市場でファーウェイが成功するためには、「高品質」「革新的」「良いサービスの提供」「ブランド力」の4点が必要だと考えています。
実際に日本にきてから、その理解を深めることができました。ですので、日本で発売する製品はいずれも、革新的で競争力が高く、優れた体験をもたらすものだと自負していますし、また他社との違いを実感してもらうことが重要だと思っています。私は新製品を登場させる時、様々な機能を自分自身で試してみて、「他と違う優れた体験ができるのか」をしっかりチェックしています。
ーーー 今も左右の腕にスマートバンドをつけていらっしゃいますね。こちらは発表された新製品でしょうか?
ヤン氏: そうです、旧型も常に持ち歩いていて、機能比較をしています。価格も異なるのですが、それぞれの価格帯の中でファーウェイ製品の利点がどこにあるかを見ています。
新たに発表した「HUAWEI Band 6」は、この価格帯では最も競争力があると自負しています。多機能性にくわえて、画面が大きくなったことで、それらの機能をより活用しやすくなっていると思います。また、一回の充電で2週間連続で使えるほどの長時間バッテリーを搭載していて、さらに非常に軽く設計されています。ですのでこのまま着けた状態で寝ることもでき、睡眠モニタリング機能や心拍数の計測といった機能を、途切れることなく使用できます。
他にも、ヘルスケア機能もたくさん搭載されています。気に入っているのは「呼吸トレーニング」。ストレスを感じてイライラしてしまった時などに便利で、メンタルの調整に役立ちます。あとは、スポーツやフィットネス系の機能も特に気に入っています。普段からランニングを趣味としているのですが、「HUAWEI WATCH FIT」には12種類のインストラクターモードが搭載されていて、バンドの画面に表示されるバーチャルインストラクターの動きに合わせて、事前のウォーミングアップも簡単に行うことができます。
今まではスマートフォンのアプリ側に、こうした正しい動きを説明してくれるインストラクター機能を備えていたのですが、今はバンド一つで可能です。コロナ渦でなかなか外に出られないけれど、運動をしたいという時にも活躍すると思います。他にもスマホで撮った写真をかざすだけで文字盤に表示させられる「ワンホップ機能」(※EMUI10.1以上かつNFCをサポートしているファーウェイスマートフォンで利用可能)など、おすすめしたい機能がたくさんあります。
ーーー 本日は今紹介いただいた「HUAWEI Band 6」、「HUAWEI WATCH FIT Elegant Edition」の他に、タブレットと完全ワイヤレスイヤホンの新製品が登場しました。完全ワイヤレスイヤホン「HUAWEI FreeBuds 4i」は、エントリークラスながら、今や欠かせないとも言えるノイズキャンセリング機能を搭載し、さらに価格は1万円以下と、とてもコストパフォーマンスの高い製品ですね。
ヤン氏: 「HUAWEI FreeBuds 4i」は第四世代の製品で、使いやすさのポイントとして、まずはデザイン性が良いことが挙げられると思います。カラーは3色展開で、装着感のために形状も工夫されていて、私自身とても気に入っています。
ノイズキャンセリング機能も大きな特徴で、外音を取り込む機能も備えています。通話時の音声品質にも妥協なく開発していて、二つのマイクが素早く音声を認識して、ノイズや風切音も抑えて、非常にクリアな音声を相手に届けられます。
そしてイヤホンの本質である、音楽再生の能力も、低音から高音までバランスの良いサウンドを実現しています。チューニングは若者に人気の音楽に合わせて、自動的に調整して最適な音を再生できます。
1万円以下の価格帯の中では競争力が高いモデルだと自負していますし、非常に良い製品だと思っているのですが、日本は特にオーディオに関して競争が激しいマーケットですので、常に学んでいかなければと思っています。ユーザーにとって便利で、品質が良く、機能面においても優れた価格競争力の高いモデルを、今後も提供していきたいと考えています。
■2021年は新製品を多数予定。「全く新しいシステム、製品を発表したい」
ーーー 便利さといった面では、HUAWEI FreeBuds 4iは操作アプリ「HUAWEI AI Life」のiOS版にも対応すると伺いました。iOS版「HUAWEI AI Life」は昨年11月発表のFreeBuds Proから対応していますが、過去モデルへの対応予定はあるのでしょうか?また、ファーウェイ製品間での連携はもちろん、他社のスマートフォンやデバイスとの組み合わせ利用も今後さらに重視されていくのでしょうか?
ヤン氏: iOSアプリへの対応計画はあります。FreeBuds 4iに関しては、数ヶ月内に実現できると思います。それから、他社製品との接続性についても、もちろん重要だと考えています。製品単体の体験はもちろん、我々が「オールシナリオ」と呼ぶ、複数製品と連動したより良い体験を提供していくことが、「1+8+N」戦略で目指すシームレスなコネクテッドライフの実現につながると考えています。
本日発表した「8」にあたる製品は、もちろん他社製品との接続性も確保していますし、「1+8+N」の「N」は、パートナー企業が開発するコネクテッドデバイスを指しています。ですので、戦略レベルで「オールシナリオ」によるシームレスなコネクテッドライフを、ファーウェイだけでなく、他社とも協力しながら推進していきたいと思っています。
ーーー 他社製品との接続性に加えて、より製品を楽しむために、アプリストア「HUAWEI AppGallery」の充実も欠かせないものと思います。HUAWEI AppGalleryについては、どのような施策をお考えでしょうか?
ヤン氏: HUAWEI AppGalleryは昨年1年間で急速に成長いたしました。今までに230万の開発者が登録し、12万のアプリがダウンロード可能になっており、現在は世界における第3位のアプリマーケットです。
もちろん上位のマーケットと比較すれば、まだアプリの数も少ない状況ではありますが、今後もどんどん拡充を図ってまいります。たとえば、ユーザーの方が、まだHUAWEI AppGalleryには入っていないけれど欲しいと思うアプリを「ウィッシュリスト」に登録することで、それらのデータをもとにしたHUAWEI AppGalleryでのアプリ展開の推進も行っています。
さらに、アプリの開発業者と連携して、「他と違う体験」の提供も試みています。日本市場での例でいうと、音楽動画を視聴するアプリで、YouTubeなどでは通常動画が並んでいて、スクロールして視聴したい動画を再生すると、再生中の動画のみが画面に表示されると思いますが、画面を分割して右側で動画を再生、曲リストを左側に表示することが可能になっています。
こうした取り組みによって、HUAWEI AppGalleryを通じて、今までとは異なる体験の提供が可能になり、他にはない機能を開発するパートナー企業にもメリットがあると考えています。2021年もさらに充実させていく予定です。
ーーー 最後に、新製品が登場したばかりなのですが、2021年のさらに今後の展開について、可能な範囲で教えてください。
ヤン氏: スマートフォンを含めて新製品の計画はもちろんあります。近いところですと、数か月以内には全く新しいシステム、そのシステムを使うための新製品をリリース予定です。年度後半にも多数の新製品を登場させる予定ですので、ぜひ期待してください。
ーーー ありがとうございました。
今回、同社コンシューマー向け端末事業の日本市場のトップを担う楊涛(Yang Tao/ヤン・タオ)氏にインタビューを実施。新型コロナウイルスの感染拡大によって、人々のライフスタイルが大きく変化し、経済活動も大きな影響を受ける中、ヤン氏は2020年6月にファーウェイデバイス日本・韓国リージョンプレジデントに就任。インタビューでは一年を振り返りながら、この度登場した新製品、さらに今後の日本での展開について、詳しくお話を伺った。
■2020年は「難しい状況ながら、テクノロジーがもたらす利便性を強く感じた一年」
ーーー 先日ファーウェイの2020年度決算報告が発表され、売り上げ、純利益ともに増収、特に中国市場での伸びが顕著だったとのことですが、日本市場の動きはいかがでしたでしょうか?
楊涛氏(Yang Tao/ヤン・タオ:以下、ヤン氏): 2020年はファーウェイにとっても困難な一年ではありましたが、グループ全体として増収増益を達成できました。中国リージョンで伸びた理由としては、コロナ渦でありながら、世界に先んじて生産・経済活動が再開したという背景もあり、本国で急成長を遂げられたのだと思っています。
各国においても、安定して健全な事業運営ができています。日本市場では幅広くビジネスを展開していて、まず、通信事業、日本の法人向け通信機器の提供や各種サービスの提供といった分野において、様々な産業界と提携しながら標準化の取り組みを推進しています。
コンシューマー事業では、これまでにも革新的なデバイスの提供をしてきたと自負しています。そうした中で、昨年は「1+8+N」戦略をより一層推進し、スマートフォンやモバイルルーターといった製品群を主軸とした展開から、本日発表した完全ワイヤレスイヤホンやスマートバンド、タブレットなどの端末も多数日本市場に投入できました。
こうした取り組みのもとで、日本市場でもよりバランスのとれた事業展開が実現できていますし、今後も革新的な製品を、多種多様に取り揃えて皆さんに提供していきたいと考えています。
ーーー 冒頭におっしゃられた通り、2020年は世界中で社会のあり方やライフスタイルに大変化が起き、どんなビジネスにおいても厳しい状況となりました。そんな難しい情勢の中で、日本・韓国リージョンプレジデントに就任されたわけですが、ヤンさんご自身にとって2020年はどんな一年でしたか?
ヤン氏: そうですね、2020年を振り返ると、プレジデントに就任して最初の年であり、個人的にはエキサイティングかつチャレンジングな一年だったと思います。また、いろんなチャンスにも恵まれたと思っています。
コロナの影響で特殊な状況下となった昨年、世界中の人々の生活、ライフスタイルに変化が起きました。そうした変化の中で、ファーウェイの持つ革新的な技術を活用いただくことで、皆さんの生活に何らかの形で貢献できたのではないかと考えています。
私自身、この一年でテクノロジーがもたらす利便性を強く感じることができました。昨年は中国に一度も帰国できず、一年以上実家の両親と会うことができていません。これまでも電話でコミュニケーションをとってきましたが、やはり直接顔を見て話がしたいという思いがあります。もちろんビデオ通話も可能ですが、両親は高齢で、スマートフォンの操作に慣れていません。
そこで最近では、スマートテレビを実家に購入し、テレビ画面を通してコミュニケーションをとるようになりました。テレビであれば、大画面かつ鮮明な映像で、通話越しの相手もより身近に感じることができます。また両親でも簡単に操作できますし、容易にビデオ通話が行えます。これは私自身にとって大きな変化の一つであり、こうした新しく便利な体験を通して、その価値を深く実感しました。
ーーー 日本国内でも、外出自粛が続いて帰省することが難しくなり、オンライン通話を活用した新しい家族のコミュニケーションの形が広まりました。スマートフォンをはじめとする様々なデバイスがもたらす利便性というのは、変化するライフスタイルの中で非常に重要であると感じます。
ヤン氏: そうですね。私は、製品の価値というのは、新しい技術を取り入れ革新的であること、品質が良いこと、そして、製品がもたらすユーザーエクスペリエンスにあると考えています。どんなに最先端かつ高品質なものでも、多くのユーザーが簡単に使えなくてはなりません。そのためには、たくさんの技術が必要となってきます。
たとえば、先ほどのビデオ通話でいうと、私はファーウェイのスマートフォンを使って通話します。スマートフォンには高解像度なカメラレンズがついていますが、このカメラを通した映像を、高品質に実家の両親に届けるためには、高い処理能力が必要です。音声も同じで、しっかりと声を拾ってクリアに届けられるかどうかが大事です。機能そのものを増やすことはさほど難しいことではありませんが、その機能を通して、いかに優れた体験を実現するか、そのための技術開発が非常に難しいことなんです。
ファーウェイは日本市場で様々な製品を展開しています。たとえばスマートウォッチやスマートバンドなどは、健康管理がより重要視される今、活躍できるデバイスの一つです。機能面の充実にも力をいれてきましたし、他にモバイルルーターなどもラインナップを充実させています。スマートフォンだけでなく、様々な製品群において、成果も出すことができたと思っています。またこうした幅広い展開を通して、皆さんの生活に利便性を提供し、貢献できていたら嬉しいです。
■ファーウェイの製品で、「他とは異なる優れた体験」の実現を目指す
ーーー 日本市場については、どんな印象をお持ちでしたか?また、来日されて変化はありましたでしょうか?
ヤン氏: 来日する以前、日本については十分に競争のなされた成熟した市場であり、ユーザーの多くが製品に対して高い要求レベルを持っていると認識していました。そうした市場でファーウェイが成功するためには、「高品質」「革新的」「良いサービスの提供」「ブランド力」の4点が必要だと考えています。
実際に日本にきてから、その理解を深めることができました。ですので、日本で発売する製品はいずれも、革新的で競争力が高く、優れた体験をもたらすものだと自負していますし、また他社との違いを実感してもらうことが重要だと思っています。私は新製品を登場させる時、様々な機能を自分自身で試してみて、「他と違う優れた体験ができるのか」をしっかりチェックしています。
ーーー 今も左右の腕にスマートバンドをつけていらっしゃいますね。こちらは発表された新製品でしょうか?
ヤン氏: そうです、旧型も常に持ち歩いていて、機能比較をしています。価格も異なるのですが、それぞれの価格帯の中でファーウェイ製品の利点がどこにあるかを見ています。
新たに発表した「HUAWEI Band 6」は、この価格帯では最も競争力があると自負しています。多機能性にくわえて、画面が大きくなったことで、それらの機能をより活用しやすくなっていると思います。また、一回の充電で2週間連続で使えるほどの長時間バッテリーを搭載していて、さらに非常に軽く設計されています。ですのでこのまま着けた状態で寝ることもでき、睡眠モニタリング機能や心拍数の計測といった機能を、途切れることなく使用できます。
他にも、ヘルスケア機能もたくさん搭載されています。気に入っているのは「呼吸トレーニング」。ストレスを感じてイライラしてしまった時などに便利で、メンタルの調整に役立ちます。あとは、スポーツやフィットネス系の機能も特に気に入っています。普段からランニングを趣味としているのですが、「HUAWEI WATCH FIT」には12種類のインストラクターモードが搭載されていて、バンドの画面に表示されるバーチャルインストラクターの動きに合わせて、事前のウォーミングアップも簡単に行うことができます。
今まではスマートフォンのアプリ側に、こうした正しい動きを説明してくれるインストラクター機能を備えていたのですが、今はバンド一つで可能です。コロナ渦でなかなか外に出られないけれど、運動をしたいという時にも活躍すると思います。他にもスマホで撮った写真をかざすだけで文字盤に表示させられる「ワンホップ機能」(※EMUI10.1以上かつNFCをサポートしているファーウェイスマートフォンで利用可能)など、おすすめしたい機能がたくさんあります。
ーーー 本日は今紹介いただいた「HUAWEI Band 6」、「HUAWEI WATCH FIT Elegant Edition」の他に、タブレットと完全ワイヤレスイヤホンの新製品が登場しました。完全ワイヤレスイヤホン「HUAWEI FreeBuds 4i」は、エントリークラスながら、今や欠かせないとも言えるノイズキャンセリング機能を搭載し、さらに価格は1万円以下と、とてもコストパフォーマンスの高い製品ですね。
ヤン氏: 「HUAWEI FreeBuds 4i」は第四世代の製品で、使いやすさのポイントとして、まずはデザイン性が良いことが挙げられると思います。カラーは3色展開で、装着感のために形状も工夫されていて、私自身とても気に入っています。
ノイズキャンセリング機能も大きな特徴で、外音を取り込む機能も備えています。通話時の音声品質にも妥協なく開発していて、二つのマイクが素早く音声を認識して、ノイズや風切音も抑えて、非常にクリアな音声を相手に届けられます。
そしてイヤホンの本質である、音楽再生の能力も、低音から高音までバランスの良いサウンドを実現しています。チューニングは若者に人気の音楽に合わせて、自動的に調整して最適な音を再生できます。
1万円以下の価格帯の中では競争力が高いモデルだと自負していますし、非常に良い製品だと思っているのですが、日本は特にオーディオに関して競争が激しいマーケットですので、常に学んでいかなければと思っています。ユーザーにとって便利で、品質が良く、機能面においても優れた価格競争力の高いモデルを、今後も提供していきたいと考えています。
■2021年は新製品を多数予定。「全く新しいシステム、製品を発表したい」
ーーー 便利さといった面では、HUAWEI FreeBuds 4iは操作アプリ「HUAWEI AI Life」のiOS版にも対応すると伺いました。iOS版「HUAWEI AI Life」は昨年11月発表のFreeBuds Proから対応していますが、過去モデルへの対応予定はあるのでしょうか?また、ファーウェイ製品間での連携はもちろん、他社のスマートフォンやデバイスとの組み合わせ利用も今後さらに重視されていくのでしょうか?
ヤン氏: iOSアプリへの対応計画はあります。FreeBuds 4iに関しては、数ヶ月内に実現できると思います。それから、他社製品との接続性についても、もちろん重要だと考えています。製品単体の体験はもちろん、我々が「オールシナリオ」と呼ぶ、複数製品と連動したより良い体験を提供していくことが、「1+8+N」戦略で目指すシームレスなコネクテッドライフの実現につながると考えています。
本日発表した「8」にあたる製品は、もちろん他社製品との接続性も確保していますし、「1+8+N」の「N」は、パートナー企業が開発するコネクテッドデバイスを指しています。ですので、戦略レベルで「オールシナリオ」によるシームレスなコネクテッドライフを、ファーウェイだけでなく、他社とも協力しながら推進していきたいと思っています。
ーーー 他社製品との接続性に加えて、より製品を楽しむために、アプリストア「HUAWEI AppGallery」の充実も欠かせないものと思います。HUAWEI AppGalleryについては、どのような施策をお考えでしょうか?
ヤン氏: HUAWEI AppGalleryは昨年1年間で急速に成長いたしました。今までに230万の開発者が登録し、12万のアプリがダウンロード可能になっており、現在は世界における第3位のアプリマーケットです。
もちろん上位のマーケットと比較すれば、まだアプリの数も少ない状況ではありますが、今後もどんどん拡充を図ってまいります。たとえば、ユーザーの方が、まだHUAWEI AppGalleryには入っていないけれど欲しいと思うアプリを「ウィッシュリスト」に登録することで、それらのデータをもとにしたHUAWEI AppGalleryでのアプリ展開の推進も行っています。
さらに、アプリの開発業者と連携して、「他と違う体験」の提供も試みています。日本市場での例でいうと、音楽動画を視聴するアプリで、YouTubeなどでは通常動画が並んでいて、スクロールして視聴したい動画を再生すると、再生中の動画のみが画面に表示されると思いますが、画面を分割して右側で動画を再生、曲リストを左側に表示することが可能になっています。
こうした取り組みによって、HUAWEI AppGalleryを通じて、今までとは異なる体験の提供が可能になり、他にはない機能を開発するパートナー企業にもメリットがあると考えています。2021年もさらに充実させていく予定です。
ーーー 最後に、新製品が登場したばかりなのですが、2021年のさらに今後の展開について、可能な範囲で教えてください。
ヤン氏: スマートフォンを含めて新製品の計画はもちろんあります。近いところですと、数か月以内には全く新しいシステム、そのシステムを使うための新製品をリリース予定です。年度後半にも多数の新製品を登場させる予定ですので、ぜひ期待してください。
ーーー ありがとうございました。