【特別企画】オーディオを“遺品整理”する際のポイントは?
『遺品オーディオ』の意外な価値とは? 買取専門店「オーディオサウンド」に訊く
実は、一見すると古いと思えるようなオーディオ機器の中に、驚くべき価値が隠されているケースは少なくない。 ある遺品整理の現場では、専門家によって3,000万円以上の価値が見出されたという事例もあるという。もし、専門家に相談していなければ、これらの機器は「ただの古い機械」として処分されてしまい、故人の思い出も一緒に消えてしまっていただろう。
オーディオ機器の価値は、専門的な知識がないと見極めが難しいものだ。そこで今回の記事では、遺品整理の現場で起こる様々なケースを参考に、オーディオ機器の『本当の価値』と、それをどう引き出すのかについて、オーディオ買取専門店「AudioSound(オーディオサウンド)」に話を訊いた。
―― オーディオサウンドでは遺品買取に注力しているそうですが、なぜオーディオ買取のなかでも遺品買取に注力しようと考えたのでしょうか?
当初、遺品の買取に注力しようとは考えていませんでした。というのも、遺品の買取は非常に難しく、時間がかかるからです。
しかし、コロナ以降、「父のオーディオ」や「旦那のオーディオ」といった、自分のものではない機器の買取依頼が増えてきました。これらの多くが遺品買取案件だったのです。
通常のオーディオ買取では、お客様も知識があり、相場について把握されています。しかし、遺品買取となると話は別です。
まず、ご依頼者様はオーディオ機器に詳しくない場合が多く、こちらが自信を持って提示した買取金額が高いのか安いのか、お客様には判断が難しいことからスタートします。
また、電話での買取相談の場合、そうしたお客様は型式番号やアルファベットで書かれた聞き慣れないオーディオメーカーを読み上げることも難しく、電源の入れ方も分からないケースもありますので、まず製品を特定するという最初の段階をクリアすることが非常に困難なんです。
―― そんな難しい状況には、どのように対処するのでしょうか?
『分からない、難しい…』という感覚は、私たち以上にお客様が感じていることに気づいたとき、全社を挙げて遺品対応のプロを目指すことに決めました。
まずは遺族の方が安心してお取引できるよう「遺品整理士」という資格を取得し、お客様へは「メーカーや型式番号が分からない場合は、お伺いして現物を拝見しましょうか?」と提案もさせていだきます。
『遺品の整理で実家に戻ってきているが数日間しか滞在できない』など、時間に余裕がないケースにも弊社は全国50店舗以上の直営店網を活用し、お客様のご希望日に、最寄りの店舗から無料で出張査定に伺うことができます。
オーディオ機器の動作確認はもちろんですが、それ以上に、故人様のオーディオ機器に対する想いをお聞きし、その価値をしっかりと評価することも、私たちの大切な役割だと考えています。
―― 遺品整理としてのオーディオ機器の売却には、過去にどのようなケースがあったのでしょうか?
特に印象に残っているのは、ある施設からの依頼です。当初の情報では、古い真空管ラジオが数台あるだけでしたが、実際に伺ってみると、驚くほど大量のオーディオ機器が所狭しと並んでいたのです。査定だけで2日間の時間を頂戴するほどだったのですが、1点1点の買取金額をリスト化してお見積もり書を提出させていただきましたね。
しかし、それだけではなく、買取相場を把握していただくために、数社の買取業者に依頼することをお勧めしました。
―― 自社の金額だけでお客様に決断させるのではなく、他社との相見積もりを提案した、と。それは凄いですね。
最終的には当社にご依頼いただき、搬出作業には5日間を要しました。結果として、トラック4台分のオーディオはトータルで3,000万円を超えるお宝で、ご依頼いただいたお客様も、その量と買取金額に驚かれたそうです。
お客様からは、「もし御社が無理なら処分業者にお金を払って持って行ってもらうつもりだったけれど、親身になって対応してくれたので、本当に助かった」とおっしゃっていただきました。リフォーム代に充てられると喜んでいただけたことが、私たちにとっても大変嬉しい出来事でしたね。
―― なるほど。では、オーディオ機器を売却する際、その価値はどのように決まるのですか?
オーディオ買取専門店では、お客様の前で音出しや動作確認を行い、ブランド、生産年、希少性、状態など、さまざまな要因で価値を決めています。しかし、先ほども触れたように、遺品整理での売却の場合、お客様はオーディオに詳しくない方ですから、その価値を見分けるのは非常に難しいのが現状です。
例えば、見た目が古びていても、希少性や音質の良さから市場で高く評価され、高値がつく機器も少なくありません。遺品として残されたオーディオ機器は、時として予想外の価値を秘めています。しかし、その価値を正確に見出すには、専門的な知識と経験が不可欠です。それは単に金銭的な価値だけでなく、故人の思い出や趣味を再評価する機会にもなります。
遺品整理は難しい作業ですが、専門家のサポートを受けることで、新たな発見や感動が生まれる可能性があります。オーディオ機器の遺品整理に直面した際は、専門家に相談することをお勧めします。
―― 買い取った機器は、その後どのように取り扱われるのですか?
修理、メンテンナンスを行うわけですが、特に力を入れているのが、自社内の修理工房での取り組みですね。これは、環境への配慮が私たちの重要な使命だと考えているからでもあるんです。
買い取った機器のうち、使用可能なものや修理可能なものは、当社の熟練技術者が丁寧に整備や修理を行います。自社内に修理工房があることで、スピーディーかつ高品質な修理が可能になり、多くの機器に新たな生命を吹き込むことができます。
例えば、最近では1960年代の希少なアンプを修理し、素晴らしい音を取り戻した例がありました。このアンプは、適切な修理を施すことで、また音楽愛好家の方の手に渡り、新たな人生を歩み始めました。
修理不可能な機器に関しても、可能な限り部品を活用し、残りは適切にリサイクルすることで、資源の有効活用に努めています。お客様から買い取らせていただいた大切な機器を、次の世代に引き継いでいくことが私たちの役割ですから。
―― 最後に、遺品整理を考えている方へメッセージをお願いします。
ご遺族の方にとって、遺品整理は心身ともに負担が大きく非常にデリケートな問題です。特に、オーディオ機器は専門知識が必要で、価値を見極めるのが難しいものです。
そのため、「片付け期限が迫っている」「物の価値が分からない」「壊れているから売れないかも」と、お困りの方が多いのが現状です。そんな時は、ぜひオーディオの専門家にご相談ください。
◇ ◇ ◇
オーディオサウンドによる一連の話からは、遺品整理としてのオーディオ機器売却にまつわる“想い”のようなものを感じ取ることができた。オーディオ機器をただ単純に不要になったモノとして見るのではなく、オーディオを愛していた故人の想いがこもった大切な財産として評価し、新たな形でしっかりと受け継いでいくということなのだろう。オーディオに売却において、オーディオサウンドのような買取専門店が間に入ることの意義をあらためて感じさせられる取材だった。
<取材協力>
オーディオサウンド
TEL 0120-905-461
https://audiosound.co.jp/
オーディオ機器の価値は、専門的な知識がないと見極めが難しいものだ。そこで今回の記事では、遺品整理の現場で起こる様々なケースを参考に、オーディオ機器の『本当の価値』と、それをどう引き出すのかについて、オーディオ買取専門店「AudioSound(オーディオサウンド)」に話を訊いた。
『遺品としてのオーディオ』売却の難しさとは?
―― オーディオサウンドでは遺品買取に注力しているそうですが、なぜオーディオ買取のなかでも遺品買取に注力しようと考えたのでしょうか?
当初、遺品の買取に注力しようとは考えていませんでした。というのも、遺品の買取は非常に難しく、時間がかかるからです。
しかし、コロナ以降、「父のオーディオ」や「旦那のオーディオ」といった、自分のものではない機器の買取依頼が増えてきました。これらの多くが遺品買取案件だったのです。
通常のオーディオ買取では、お客様も知識があり、相場について把握されています。しかし、遺品買取となると話は別です。
まず、ご依頼者様はオーディオ機器に詳しくない場合が多く、こちらが自信を持って提示した買取金額が高いのか安いのか、お客様には判断が難しいことからスタートします。
また、電話での買取相談の場合、そうしたお客様は型式番号やアルファベットで書かれた聞き慣れないオーディオメーカーを読み上げることも難しく、電源の入れ方も分からないケースもありますので、まず製品を特定するという最初の段階をクリアすることが非常に困難なんです。
―― そんな難しい状況には、どのように対処するのでしょうか?
『分からない、難しい…』という感覚は、私たち以上にお客様が感じていることに気づいたとき、全社を挙げて遺品対応のプロを目指すことに決めました。
まずは遺族の方が安心してお取引できるよう「遺品整理士」という資格を取得し、お客様へは「メーカーや型式番号が分からない場合は、お伺いして現物を拝見しましょうか?」と提案もさせていだきます。
『遺品の整理で実家に戻ってきているが数日間しか滞在できない』など、時間に余裕がないケースにも弊社は全国50店舗以上の直営店網を活用し、お客様のご希望日に、最寄りの店舗から無料で出張査定に伺うことができます。
オーディオ機器の動作確認はもちろんですが、それ以上に、故人様のオーディオ機器に対する想いをお聞きし、その価値をしっかりと評価することも、私たちの大切な役割だと考えています。
トラック4台分、総額3,000万円超えのオーディオ買い取り
―― 遺品整理としてのオーディオ機器の売却には、過去にどのようなケースがあったのでしょうか?
特に印象に残っているのは、ある施設からの依頼です。当初の情報では、古い真空管ラジオが数台あるだけでしたが、実際に伺ってみると、驚くほど大量のオーディオ機器が所狭しと並んでいたのです。査定だけで2日間の時間を頂戴するほどだったのですが、1点1点の買取金額をリスト化してお見積もり書を提出させていただきましたね。
しかし、それだけではなく、買取相場を把握していただくために、数社の買取業者に依頼することをお勧めしました。
―― 自社の金額だけでお客様に決断させるのではなく、他社との相見積もりを提案した、と。それは凄いですね。
最終的には当社にご依頼いただき、搬出作業には5日間を要しました。結果として、トラック4台分のオーディオはトータルで3,000万円を超えるお宝で、ご依頼いただいたお客様も、その量と買取金額に驚かれたそうです。
お客様からは、「もし御社が無理なら処分業者にお金を払って持って行ってもらうつもりだったけれど、親身になって対応してくれたので、本当に助かった」とおっしゃっていただきました。リフォーム代に充てられると喜んでいただけたことが、私たちにとっても大変嬉しい出来事でしたね。
―― なるほど。では、オーディオ機器を売却する際、その価値はどのように決まるのですか?
オーディオ買取専門店では、お客様の前で音出しや動作確認を行い、ブランド、生産年、希少性、状態など、さまざまな要因で価値を決めています。しかし、先ほども触れたように、遺品整理での売却の場合、お客様はオーディオに詳しくない方ですから、その価値を見分けるのは非常に難しいのが現状です。
例えば、見た目が古びていても、希少性や音質の良さから市場で高く評価され、高値がつく機器も少なくありません。遺品として残されたオーディオ機器は、時として予想外の価値を秘めています。しかし、その価値を正確に見出すには、専門的な知識と経験が不可欠です。それは単に金銭的な価値だけでなく、故人の思い出や趣味を再評価する機会にもなります。
遺品整理は難しい作業ですが、専門家のサポートを受けることで、新たな発見や感動が生まれる可能性があります。オーディオ機器の遺品整理に直面した際は、専門家に相談することをお勧めします。
オーディオという財産をしっかり“次”へとつなげる
―― 買い取った機器は、その後どのように取り扱われるのですか?
修理、メンテンナンスを行うわけですが、特に力を入れているのが、自社内の修理工房での取り組みですね。これは、環境への配慮が私たちの重要な使命だと考えているからでもあるんです。
買い取った機器のうち、使用可能なものや修理可能なものは、当社の熟練技術者が丁寧に整備や修理を行います。自社内に修理工房があることで、スピーディーかつ高品質な修理が可能になり、多くの機器に新たな生命を吹き込むことができます。
例えば、最近では1960年代の希少なアンプを修理し、素晴らしい音を取り戻した例がありました。このアンプは、適切な修理を施すことで、また音楽愛好家の方の手に渡り、新たな人生を歩み始めました。
修理不可能な機器に関しても、可能な限り部品を活用し、残りは適切にリサイクルすることで、資源の有効活用に努めています。お客様から買い取らせていただいた大切な機器を、次の世代に引き継いでいくことが私たちの役割ですから。
―― 最後に、遺品整理を考えている方へメッセージをお願いします。
ご遺族の方にとって、遺品整理は心身ともに負担が大きく非常にデリケートな問題です。特に、オーディオ機器は専門知識が必要で、価値を見極めるのが難しいものです。
そのため、「片付け期限が迫っている」「物の価値が分からない」「壊れているから売れないかも」と、お困りの方が多いのが現状です。そんな時は、ぜひオーディオの専門家にご相談ください。
オーディオサウンドによる一連の話からは、遺品整理としてのオーディオ機器売却にまつわる“想い”のようなものを感じ取ることができた。オーディオ機器をただ単純に不要になったモノとして見るのではなく、オーディオを愛していた故人の想いがこもった大切な財産として評価し、新たな形でしっかりと受け継いでいくということなのだろう。オーディオに売却において、オーディオサウンドのような買取専門店が間に入ることの意義をあらためて感じさせられる取材だった。
<取材協力>
オーディオサウンド
TEL 0120-905-461
https://audiosound.co.jp/