■「4倍速」で差異化を図る
――金賞受賞のご感想をお聞かせください。
栗田 皆様に高く評価していただき、本当にうれしい限りです。いいものを引き続き出していけるように、今回のご評価を事業部のメンバーともシェアして、切磋琢磨していきたいと思います。本当にありがとうございます。
――液晶テレビ〈ブラビア〉で金賞を受賞されたW5シリーズ、F5シリーズ、J5シリーズは非常に特徴的な商品群ですね。
栗田 高付加価値モデルであるW5シリーズをしっかりご評価いただいたことは、特にうれしく思います。
ブラビアは今年「4倍速」を切り口に差異化していますが、店頭にもしっかりと浸透させるため、矢沢永吉さんを起用したCM「4倍速でコマ数4倍」もスタートさせました。またコマ数が多いと動きがなめらかになるということをわかりやすく体感いただく為に、“〈ブラビア〉パラパラマンガ・メモ帳”という販促アイテムも用意しました。4倍速の認知度が高まり、W5シリーズの拡販につながれば、我々にとってもご販売店様にとっても喜ばしいことです。
この夏商戦に向けては、「4倍速」「省エネ」、そして「先進機能」の3点に重点を置くなど、ブラビアはさまざまなラインナップをご用意しております。
――先進機能が充実し、テレビの役割が広がりました。
栗田 ブラビアのW5シリーズは、付属のリモコンにFeliCaポートを搭載し、Edyカード等をかざすだけで簡単に決済もできるようになり、アクトビラ ビデオ・フルで、NHKオンデマンドなどを手軽に楽しめるようになりました。
またauの携帯電話で撮った写真をメッセージとともに、ネットを通じてブラビアに送れる「ブラビアポストカード」というサービスをこの春に開始しました。離れて暮らす実家の両親に携帯電話から手軽に孫の写真を送るなど、ブラビアを通じて新しいコミュニケーションが実現するのです。
テレビがネットにつながるのは当たり前、という時代になってきました。これからは、どういう楽しみ方を提案できるかが差異化のポイントとなりそうです。
――ブラビアのエコ対応については、無駄な電力消費を省くということで画質と省エネを両立させています。
栗田 ブラビアのV5シリーズのエコ対策は、新しいHCFLバックライトで電力を大幅に削減するものであり、明るく美しい映像と省エネの両立を実現しました。V5シリーズでは、人がいなくなると自動で電源をOFFにする人感センサーをつけました。このようなソニーにしかないわかりやすいフィーチャーが、店頭でもお客様の支持をいただいています。
――薄型テレビの現状のマーケット状況と、その中の御社の方向性についてお聞かせください。
栗田 テレビに関しては、昨年のリーマンショックの影響もあり、本年度は厳しい市場環境を予想していましたが、実際には予想したほどの落ち込みはありません。11月が一番底で、12月以降は比較的いいペースで推移できました。また4月にエコポイント制度の導入が決まり、5月15日まで買い控えがあったものの、それ以降はエコポイントの追い風が吹いている状態です。今年のテレビビジネスは業界の台数ベースで2ケタ成長できるのではと予測しています。
アナログ停波まであと2年となり、そして、サッカー日本代表が2010年のワールドカップへの出場を決めるなど、マーケットは活気づいてきています。市場拡大のチャンスについていきたいと思います。
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