ケーブル探訪記(モンスターケーブル編その3)
SRGI-3FT(左)、SRGS-5FTと両モデルとも付いている専用ケース(右) |
『オーディオアクセサリー』誌でもお馴染みのモンスターケーブル。毎回紹介する度に読者の方々からの好評で、同ブランドの製品に関する数多くの質問が寄せられています。そこで今回より数回にわたって、このモンスターケーブルのラインナップを順次ご紹介していくことにしているこのコーナー、第3回目はモンスターの新ラインナップ「シグマ・
レトロシリーズ」をご紹介する。
このシリーズ(RCAオーディオケーブルとスピーカーケーブル)は、同ブランドのデザイナーであるデミアン・マーティン氏が1950年代〜60年代のハイファイオーディオ隆盛期に思いを馳せ、最新の技術を駆使して完成した。
先日、編集部とで届いたばかりの同モデルを試聴し、同モデルの能力の高さに驚いた。一緒に試聴した福田雅光に「次元を超えている」と唸らせる程だ。『オーディオアクセサリー99号』(11月21日発売)及び12月発売予定の『ケーブル大全2001』でも大きな目玉になるので、是非ご期待いただきたい。(季刊・オーディオアクセサリー編集部)
●ブランドのプロフィール
米国モンスターケーブル社はカリフォルニア州、サウス・サンフランシスコに本拠を置き、現社長ノエル・リー氏によって創設された大手ケーブルメーカーである。
1987年の開発開始以来、タイムコレクト構造を軸に綿密な構造技術の組み合わせによる設計が特徴で、電磁界の影響に対するもの、低域高域の伝播速度の違いに対する対策など、ケーブルの音質を支配するものは導体よりも構造、絶縁体に大きなものがあるというのが基本的な考え方となっている。
最高級ハイグレードシリーズから普及クラスのスタンダードまで、ラインナップは多彩で幅広いグレードを持つ。
●モンスターケーブル用語集
【バンドウィズバランス構造】
電気信号は導体を流れる時、「高い周波数の信号ほど、導体内の外側を通る」という性質を持っている。この性質への対策として、導体を電気信号の周波数の高低を基準に2〜3分割し、低周波数用の太い導線を導体全体の中心に、高周波用の細い導線は束ねて導体全体の外側に位置付けるバンドウィズバランス構造を採用。
【タイムコレクト構造】
「伝送する周波数帯域ごとに導線の長さを変えるとどうなるか?」という発想のもとに開発され、低周波数信号用の導線の周囲に高周波数信号用の導線を螺旋状に巻き付ける構造。
(2芯構造)
ホット側とアース側の芯線が同質の導体で構成され、それらをまとめてシールドで被覆する構造
(スプリット・センターピン)
ピンのセンター部を中割れ(スプリット)し、ターバインプラグとともに、より強力な圧着を実現
(ターバインプラグ)
ピン端子の接合部分に8〜12カットの螺旋状のスリットを施し、より大きな設置面積を確保。同時に強固な圧着を実現した。
(シグナル方向表示)
より良質の音を得るために、ケーブルの接続方向(信号の流れ)を一目で確認できるよう、シグナル方向をケーブル面に表記
(高密度銅網線シールド)
特に低周波ノイズの軽減に威力を発揮する
(銅ホイルシールド)
高純度の銅ホイルを何層にも巻き上げた高密度タイプのシールド