源博雅の世界を表現する作品集が発売

公開日 2005/03/18 14:13
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『桃李花/源博雅相聞の笛』
平安中期を代表する楽師である源博雅は「神の如く妙なる楽の音と共に生まれ出でた」とされ、楽聖と呼ばれていた人物である。博雅は多くの楽器の演奏に秀で、研究者として楽譜を撰集し、作曲も行うという三拍子揃った近代以前における最も偉大な音楽家と称されている。

(株)フォンテックより今回発売されたアルバム『桃李花/源博雅相聞の笛』(FOCD20052)は、多くの女性を魅惑したと言われる博雅の感性の豊かさと一途な想いを笛に託したであろうことを回想し、恋愛ものの短編集をイメージして企画制作されたものである。

 特に、アルバムの最後に収録された「斎王徽子」では、博雅の11歳年下の従兄弟であり三十六歌仙の一人である斎王徽子への相聞の曲、ラブ・ソングとして、龍笛・琵琶奏者の長谷川景光が作曲したものである。

 本作で使用する3つの楽器は、博雅が得意とした楽器は琵琶、横笛、大篳篥であるとする『懐竹抄』の記載に基づいている。
また、共に平安時代の楽譜である龍笛譜(『新撰楽譜』)と琵琶譜(『三五要録』)による二重奏を2曲収録するという、音楽史上初となる試みとなっているのが魅力となっている。(季刊・オーディオアクセサリー編集部)

【作品名】『桃李花/源博雅相聞の笛』
【演奏】長谷川景光(龍笛、琵琶)、田淵勝彦(大篳篥、琵琶)
【品番】FOCD20052
【価格】\2,300(税込)
【収録曲】
一、盤渉調 蘓莫者 序
二、盤渉調 蘓莫者 入破
三、水調 九城樂 半帖
四、黄鐘調 央宮樂
五、盤渉調 逝字女
六、黄鐘調 赤白桃李花 破一帖
七、大蔟角調 曹娘褌脱 褌脱
八、盤渉調 萬秋楽 破一帖
九、九声平調 斎王徽子 作物

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