“膜振動による吸音原理”を採用した独自開発の吸音材
昭和電線、QUIESCENTブランドより壁掛けタイプの吸音材2モデルを発売
昭和電線デバイステクノロジー(株)は、制音製品ブランドのQUIESCENT(クワイセント)より壁掛けタイプの吸音材「QUIESCENT panel(クワイセント パネル)」2モデルを6月から発売する。中域対応と広帯域対応が用意されており、価格は下記の通り。なお、本日より販売店向けの受注を開始しており、6月末頃からユーザーが購入できるように調整中だという。
・SQ25R50(対応周波数:200Hz〜2,000Hz) 68,250円(税込)
・SQR25(対応周波数:250Hz〜500Hz) 47,250円(税込)
本製品は、膜振動による吸音原理を採用した低周波吸音材を使用し、独自に開発を行った吸音材で、壁にかけて使用することができる。膜振動による吸音原理を採用した製品の発売は、市販品では初めてになるという。2製品とも幅と高さは520W×92Hmmと同一。違いは厚みで、「SQR25R50」が80mm、「SQR25」が25mmとなっている。
内部の吸音材には、膜振動による吸音原理を用いた同社独自の皮膜を貼った発泡材を採用。音が被膜に当たった際に共鳴することによって、音のエネルギーを減衰させる。同社では建築設備用など用途別に複数の吸音材を用意しているが、本製品には「低発塵タイプ低周波吸音材」を採用した。また、表装材にはインテリアにも溶け込みやすいように高級化粧クロスを採用している。
同社では本日都内で発表会を開催。同社取締役 営業統括の大八木邦彦氏らが出席し、製品の特徴などを説明した。
大八木氏は「従来困難とされていた、音楽で最も重要な500Hz以下の周波数に対応し、中域での吸音特性に優れた製品だ」と、製品特徴を説明。「音楽スタジオや家庭のオーディオルーム、そしてホームシアターまでより良い音場要求に応えるルームチューニング用に最適だ」と言葉を続けた。
また、「我々はQUIESCENTブランドで数年前から音環境の改善に取り組んできた」と、これまでの歩みに言及。「“室内の音環境を手軽に改善できる制音製品”というコンセプトの下、最初は会議室などの音環境改善からスタートしたが、今回はホームシアターなど“音にこだわる方々”に向けた製品を開発した」とコメントし、本製品がAVファンに訴求するものであることをアピールした。
続けて大八木氏は製品の販売方法などについてもコメント。個人ユーザーにはオーディオショップや楽器販売店を通じて販売し、法人ユーザーに対しては直販を行うことを発表した。なお、現在取り扱いが決定しているのは「ダイナミックオーディオ サウンドハウス」「オーディオユニオン お茶の水アクセサリー館」「池辺楽器店 パワーレック」「ヤマハミュージック東海 名古屋店」の4ヶ所。販売ルートが拡大した際には順次同社のホームページで告知していくという。
また、今後は7月1日から大阪国際会議場で開催される「サウンドフェスタ2009」などの各種展示会でPR活動を行い、「2モデル合計で1万枚の販売を目指す」と初年度の販売目標も明かした。
そして、大八木氏に続いては同社免制震制音ユニット技術課主幹の関雅英氏が登壇。製品に採用されている技術の詳細などを説明した。
関氏は、大掛かりな内装工事が必要ないため、音の残響時間の制御を手軽に行えるという同製品の利点を説明。ホームシアター用途の場合は、スピーカーの背面と側面、そして対向面と計6枚を設置すると効果的であることなど、図解を交えながら使用例を紹介した。
続いて関氏は製品が持つ音響性能を解説。JISが定める「残響室法吸音率の測定方法」に基づいた実験結果を明かした。周波数別の吸音率のグラフや、製品を使用した際と未使用時の残響時間の違いを表すグラフなどで2モデルそれぞれの吸音効果を説明し、「特性が異なるため、吸音した周波数によって製品を使い分けていただくような使用方法を想定している」とコメントした。
以下、発表会で行われた質疑応答の模様をお届けする。
Q.音楽スタジオやホームシアターでは中域の残響音を減らしたいニーズは強いのか?
A.音楽では中域が重要になることが多く、活動している中でピュアなサウンドを求める方が多いということが分かってきた。そして我々の技術が有効であることも分かったので、こうした製品の開発に着手した。
Q.直販は法人のみということだが、個人ユーザーへの直販は行う予定はないのか。
A.今のところ個人への直販は考えていない。
Q.昭和電線として個人ユーザーへ向けた製品販売を行うのは初めてのことなのか?
A.過去にLANケーブルを販売したことはあるが基本的にはBtoBがほとんどだった。これまで、昭和電線ブランドをコンシューマーへ直接売るという戦略はあまり持っていなかったが、今回はあえて耳の肥えた方々をターゲットにすることで、そうしたユーザーと対話したいと考えた。
Q.製品をこのサイズで発売する理由を教えて欲しい。
A.吸音と遮音とのバランスを考慮した結果だ。
Q.「膜振動による吸音原理を採用した製品は市販品では初めて」とのことだが、何が「市販品初」なのかをもう少し詳しく教えて欲しい。
A.膜振動の原理自体は以前からあるものだが、膜振動と多孔質材を組み合わせて吸音材のデバイスに仕上げた点が「市販品初」ということだ。
Q.自立させたり壁に立てかけての使用などはできないのか。
A.特にそういったアクセサリーは用意していないが、ユーザーが独自にそうしたものを用意することでそうした使い方にも対応可能だ。
Q.壁掛けということは基本的に垂直で使用することになると思うが、斜めに掛けての使用などは想定していないのか。
A.スペースを邪魔しないということもあり、基本的には垂直での使用を想定している。
Q.本製品には音を反射させたり拡散させたりといった、調音部分の効果はないのか。
A.吸音に的を絞ったもので、基本的に音を拡散させる効果を狙った製品ではない。
・SQ25R50(対応周波数:200Hz〜2,000Hz) 68,250円(税込)
・SQR25(対応周波数:250Hz〜500Hz) 47,250円(税込)
本製品は、膜振動による吸音原理を採用した低周波吸音材を使用し、独自に開発を行った吸音材で、壁にかけて使用することができる。膜振動による吸音原理を採用した製品の発売は、市販品では初めてになるという。2製品とも幅と高さは520W×92Hmmと同一。違いは厚みで、「SQR25R50」が80mm、「SQR25」が25mmとなっている。
内部の吸音材には、膜振動による吸音原理を用いた同社独自の皮膜を貼った発泡材を採用。音が被膜に当たった際に共鳴することによって、音のエネルギーを減衰させる。同社では建築設備用など用途別に複数の吸音材を用意しているが、本製品には「低発塵タイプ低周波吸音材」を採用した。また、表装材にはインテリアにも溶け込みやすいように高級化粧クロスを採用している。
同社では本日都内で発表会を開催。同社取締役 営業統括の大八木邦彦氏らが出席し、製品の特徴などを説明した。
大八木氏は「従来困難とされていた、音楽で最も重要な500Hz以下の周波数に対応し、中域での吸音特性に優れた製品だ」と、製品特徴を説明。「音楽スタジオや家庭のオーディオルーム、そしてホームシアターまでより良い音場要求に応えるルームチューニング用に最適だ」と言葉を続けた。
また、「我々はQUIESCENTブランドで数年前から音環境の改善に取り組んできた」と、これまでの歩みに言及。「“室内の音環境を手軽に改善できる制音製品”というコンセプトの下、最初は会議室などの音環境改善からスタートしたが、今回はホームシアターなど“音にこだわる方々”に向けた製品を開発した」とコメントし、本製品がAVファンに訴求するものであることをアピールした。
続けて大八木氏は製品の販売方法などについてもコメント。個人ユーザーにはオーディオショップや楽器販売店を通じて販売し、法人ユーザーに対しては直販を行うことを発表した。なお、現在取り扱いが決定しているのは「ダイナミックオーディオ サウンドハウス」「オーディオユニオン お茶の水アクセサリー館」「池辺楽器店 パワーレック」「ヤマハミュージック東海 名古屋店」の4ヶ所。販売ルートが拡大した際には順次同社のホームページで告知していくという。
また、今後は7月1日から大阪国際会議場で開催される「サウンドフェスタ2009」などの各種展示会でPR活動を行い、「2モデル合計で1万枚の販売を目指す」と初年度の販売目標も明かした。
そして、大八木氏に続いては同社免制震制音ユニット技術課主幹の関雅英氏が登壇。製品に採用されている技術の詳細などを説明した。
関氏は、大掛かりな内装工事が必要ないため、音の残響時間の制御を手軽に行えるという同製品の利点を説明。ホームシアター用途の場合は、スピーカーの背面と側面、そして対向面と計6枚を設置すると効果的であることなど、図解を交えながら使用例を紹介した。
続いて関氏は製品が持つ音響性能を解説。JISが定める「残響室法吸音率の測定方法」に基づいた実験結果を明かした。周波数別の吸音率のグラフや、製品を使用した際と未使用時の残響時間の違いを表すグラフなどで2モデルそれぞれの吸音効果を説明し、「特性が異なるため、吸音した周波数によって製品を使い分けていただくような使用方法を想定している」とコメントした。
以下、発表会で行われた質疑応答の模様をお届けする。
Q.音楽スタジオやホームシアターでは中域の残響音を減らしたいニーズは強いのか?
A.音楽では中域が重要になることが多く、活動している中でピュアなサウンドを求める方が多いということが分かってきた。そして我々の技術が有効であることも分かったので、こうした製品の開発に着手した。
Q.直販は法人のみということだが、個人ユーザーへの直販は行う予定はないのか。
A.今のところ個人への直販は考えていない。
Q.昭和電線として個人ユーザーへ向けた製品販売を行うのは初めてのことなのか?
A.過去にLANケーブルを販売したことはあるが基本的にはBtoBがほとんどだった。これまで、昭和電線ブランドをコンシューマーへ直接売るという戦略はあまり持っていなかったが、今回はあえて耳の肥えた方々をターゲットにすることで、そうしたユーザーと対話したいと考えた。
Q.製品をこのサイズで発売する理由を教えて欲しい。
A.吸音と遮音とのバランスを考慮した結果だ。
Q.「膜振動による吸音原理を採用した製品は市販品では初めて」とのことだが、何が「市販品初」なのかをもう少し詳しく教えて欲しい。
A.膜振動の原理自体は以前からあるものだが、膜振動と多孔質材を組み合わせて吸音材のデバイスに仕上げた点が「市販品初」ということだ。
Q.自立させたり壁に立てかけての使用などはできないのか。
A.特にそういったアクセサリーは用意していないが、ユーザーが独自にそうしたものを用意することでそうした使い方にも対応可能だ。
Q.壁掛けということは基本的に垂直で使用することになると思うが、斜めに掛けての使用などは想定していないのか。
A.スペースを邪魔しないということもあり、基本的には垂直での使用を想定している。
Q.本製品には音を反射させたり拡散させたりといった、調音部分の効果はないのか。
A.吸音に的を絞ったもので、基本的に音を拡散させる効果を狙った製品ではない。
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