「正確な音をすべての人に」
ECLIPSE、192/24やAirPlay対応のワイヤレススピーカー「TD-M1」
富士通テン(株)は、ECLIPSEブランドのワイヤレススピーカー「TD-M1」を2014年2月に発売する。価格は131,250円(税込)。本体色はブラックとホワイトの2色を用意する。
本機は192kHz/24ビットDACを搭載し、AirPlayにも対応したワイヤレススピーカー。「世界最高水準の正確な音を、オーディオファンだけでなく、すべての人に」をコンセプトに開発されたモデルだ。
発表会では富士通テン(株)TDプロジェクト長の小脇宏氏が、「TD-M1」についてのプレゼンテーションを行った。
本機の大きな特徴のひとつは、正確な再生を目指すためにオーバーサンプリングフィルターを無くしたDAC「Non Over Sampling DAコンバーター」(NOS-DAC)を搭載したことだ。
オーバーサンプリングフィルターは、デジタルデータをアナログデータに変換する際に原理上発生するノイズを取り除くために、一般的に使用されるもの。しかし、このフィルターは波形の時間軸上の正確性を重視すると弊害となるため、折り返し歪みよりも過渡特性を追求した結果、本機では省略された。
また、「オーバーサンプリングフィルターを省くことで、折り返し歪みが音質的に問題になることはないのか」と小脇氏に質問を投げたところ、「本機で想定される再生音量では折り返し歪みは聴感上は問題にならない。ほとんど聴こえないノイズにこだわるよりは、徹底的に過渡特性を追求したかった」との回答が得られた。DACチップはウォルフソン製「WM8742」を搭載しているという。
なお、オーバーサンプリングフィルターのオン/オフは専用アプリから切り替えが可能。折り返し歪みが聴感上気になるようなソースについては、フィルターをオンにすることが可能だ。
増幅回路にはクラスDアンプ「TDアンプ」を搭載。アンプICの周辺回路にも、時間波形の正確さを軸にした設計を行った。
AirPlay対応のWi-Fiネットワークメディアモジュールも搭載。iOSデバイスやiTunesから、44.1kHz/16bitのロスレス音源をワイヤレスで受信し、再生できる。なおAirPlay使用時に無線LANルーターは必要無く、デバイスとスピーカーを直接Wi-Fiで接続できる。
USB-B端子も備え、PC/MacをUSB接続することもできる。この場合、アシンクロナス伝送による最大192kHz/24bitの音声入力に対応。Windowsの場合は専用ドライバーのインストールが必要となる。
さらにUSB-A端子も搭載し、iPhoneやiPod touchの音声を入力することも可能。iOS7を搭載したiPhoneやiPadなどを接続する場合は、対応アプリを用いれば直接ハイレゾ音源を再生することもできるとのこと。そのほか、3.5mmステレオミニ入力端子も備え、テレビなどからの音声を入力することもできる。
これらのアンプやDAC、ネットワークやアンテナは、右スピーカーのフット部に全て内蔵している。電源については、ACアダプターで給電する。ACアダプターの外形寸法/質量は132W×31H×54Dmm/0.4kgとなる。
操作部にはタッチセンサーを搭載し、電源のオン/オフ、ボリューム、入力切り替えを操作できる。LEDインジケーターで操作内容を表示する。
形式はバスレフ型で、スピーカーユニットはグラスファイバーを素材とした8cmフルレンジ。口径こそTD508MKIIIと同じだが、ユニットは本機のために新規開発された。エンクロージャーも新規に設計され、サイズはTD508MKIIIより一回り以上小さくなった。この小型化の実現については、デスクトップやリビング環境での設置性を考慮した結果だという。また、ECLIPSEのスピーカーの特徴であるエンクロージャーのフローティング構造も踏襲され、ユニットの振動の影響を排除している。
ワンタッチでスピーカーの角度を3段階(で調整することができる「アングルコントロールレバー」も新たに搭載した。
再生周波数帯域は70Hz〜30kHz。定格出力は20W(T.H.D. 1%、片チャンネル駆動時)。消費電力は10Wで、待機時消費電力はネットワークスタンバイ時で2.7W、完全スタンバイ時で0.4Wとなる。外形寸法は155W×242H×219Dmm、質量は約5.3kgとなる。
また、iPhone向けに専用アプリを配布する予定。電源やボリューム、入力切替、前述のオーバーサンプリングフィルターのオン/オフなどの操作が行える。テレビ用スピーカーとして用いる場合も、音量などはアプリから操作できる。なお、アプリは現時点ではiOS専用のみの提供予定で、現時点でAndroid用アプリの提供の予定はないという。
プレゼンテーションにおいて小脇氏は、ECLIPSEのスピーカー共通の思想として「インパルス応答の正確さ=音の正確さ」である点を改めて強調。音の波形が正確に再現することで音の立ち上がりや立ち下がりが素早くなるとした。その結果、TD-M1「演奏の表現力」と「音色の表現力」の高さの点で、従来のマルチウェイ・スピーカーに対してアドバンテージがあると紹介した。
また、会場ではデスクトップ環境との親和性の高さ、設置性の高さをアピールするべくMac Book ProやiMacと組み合わせた展示が行われていた。
■佐久間正英氏と屋敷豪太氏によるトークセッションも開催
新製品発表会では、スペシャルゲストとしてGLAYやBOOWYのプロデューサーとしても知られる佐久間正英さん、元Simply Redのドラマーである屋敷豪太さんを迎えてのトークセッションも開催。録音現場に加えて、プライベートでもECLIPSEのスピーカーシステムを愛用する両氏が、ECLIPSEへの想いを語った。
昔からスピーカーで聴くドラムの音に不満があった、と語ったのは屋敷豪太氏。しかし、初めてECLIPSEのスピーカーを聴いたときは、ドラムのレンジの広さやナチュラルさに驚いたのだという。一方、佐久間正英氏は初めてECLIPSEを聴いたときに若干の違和感も感じたという。しかし、その音を聴き続けるにつれて、このサウンドこそ楽器の音そのものなのだと確信するに至ったのだという。
屋敷氏は「ボーカルを録音するときにECLIPSEをモニターに使うと、自分の声がそのままイメージ通りに再生されるのに、ボーカリスト自身がびっくりするんですよ」と録音現場でのエピソードも披露。司会進行を務めたクリス・ケプラー氏から「ドラマーとしてはECLIPSEのサウンドをどう感じているか」と訪ねられると、「ECLIPSEで聴くドラムの音は、スピーカーから鳴っている音ではなくて、本来の生の音を聴いているようですね」と答えた。
佐久間氏は「スタジオではECLIPSEはもはやマストアイテムで、これがないと仕事ができません。これまでのスピーカーシステムにはなかった領域に踏み込んだのがECLIPSEです」と語りつつ、PAシステムで使えるような大音量再生ができるスピーカーをECLIPSEで実現させてほしいと希望も述べていた。
本機は192kHz/24ビットDACを搭載し、AirPlayにも対応したワイヤレススピーカー。「世界最高水準の正確な音を、オーディオファンだけでなく、すべての人に」をコンセプトに開発されたモデルだ。
発表会では富士通テン(株)TDプロジェクト長の小脇宏氏が、「TD-M1」についてのプレゼンテーションを行った。
本機の大きな特徴のひとつは、正確な再生を目指すためにオーバーサンプリングフィルターを無くしたDAC「Non Over Sampling DAコンバーター」(NOS-DAC)を搭載したことだ。
オーバーサンプリングフィルターは、デジタルデータをアナログデータに変換する際に原理上発生するノイズを取り除くために、一般的に使用されるもの。しかし、このフィルターは波形の時間軸上の正確性を重視すると弊害となるため、折り返し歪みよりも過渡特性を追求した結果、本機では省略された。
また、「オーバーサンプリングフィルターを省くことで、折り返し歪みが音質的に問題になることはないのか」と小脇氏に質問を投げたところ、「本機で想定される再生音量では折り返し歪みは聴感上は問題にならない。ほとんど聴こえないノイズにこだわるよりは、徹底的に過渡特性を追求したかった」との回答が得られた。DACチップはウォルフソン製「WM8742」を搭載しているという。
なお、オーバーサンプリングフィルターのオン/オフは専用アプリから切り替えが可能。折り返し歪みが聴感上気になるようなソースについては、フィルターをオンにすることが可能だ。
増幅回路にはクラスDアンプ「TDアンプ」を搭載。アンプICの周辺回路にも、時間波形の正確さを軸にした設計を行った。
AirPlay対応のWi-Fiネットワークメディアモジュールも搭載。iOSデバイスやiTunesから、44.1kHz/16bitのロスレス音源をワイヤレスで受信し、再生できる。なおAirPlay使用時に無線LANルーターは必要無く、デバイスとスピーカーを直接Wi-Fiで接続できる。
USB-B端子も備え、PC/MacをUSB接続することもできる。この場合、アシンクロナス伝送による最大192kHz/24bitの音声入力に対応。Windowsの場合は専用ドライバーのインストールが必要となる。
さらにUSB-A端子も搭載し、iPhoneやiPod touchの音声を入力することも可能。iOS7を搭載したiPhoneやiPadなどを接続する場合は、対応アプリを用いれば直接ハイレゾ音源を再生することもできるとのこと。そのほか、3.5mmステレオミニ入力端子も備え、テレビなどからの音声を入力することもできる。
これらのアンプやDAC、ネットワークやアンテナは、右スピーカーのフット部に全て内蔵している。電源については、ACアダプターで給電する。ACアダプターの外形寸法/質量は132W×31H×54Dmm/0.4kgとなる。
操作部にはタッチセンサーを搭載し、電源のオン/オフ、ボリューム、入力切り替えを操作できる。LEDインジケーターで操作内容を表示する。
形式はバスレフ型で、スピーカーユニットはグラスファイバーを素材とした8cmフルレンジ。口径こそTD508MKIIIと同じだが、ユニットは本機のために新規開発された。エンクロージャーも新規に設計され、サイズはTD508MKIIIより一回り以上小さくなった。この小型化の実現については、デスクトップやリビング環境での設置性を考慮した結果だという。また、ECLIPSEのスピーカーの特徴であるエンクロージャーのフローティング構造も踏襲され、ユニットの振動の影響を排除している。
ワンタッチでスピーカーの角度を3段階(で調整することができる「アングルコントロールレバー」も新たに搭載した。
再生周波数帯域は70Hz〜30kHz。定格出力は20W(T.H.D. 1%、片チャンネル駆動時)。消費電力は10Wで、待機時消費電力はネットワークスタンバイ時で2.7W、完全スタンバイ時で0.4Wとなる。外形寸法は155W×242H×219Dmm、質量は約5.3kgとなる。
また、iPhone向けに専用アプリを配布する予定。電源やボリューム、入力切替、前述のオーバーサンプリングフィルターのオン/オフなどの操作が行える。テレビ用スピーカーとして用いる場合も、音量などはアプリから操作できる。なお、アプリは現時点ではiOS専用のみの提供予定で、現時点でAndroid用アプリの提供の予定はないという。
プレゼンテーションにおいて小脇氏は、ECLIPSEのスピーカー共通の思想として「インパルス応答の正確さ=音の正確さ」である点を改めて強調。音の波形が正確に再現することで音の立ち上がりや立ち下がりが素早くなるとした。その結果、TD-M1「演奏の表現力」と「音色の表現力」の高さの点で、従来のマルチウェイ・スピーカーに対してアドバンテージがあると紹介した。
また、会場ではデスクトップ環境との親和性の高さ、設置性の高さをアピールするべくMac Book ProやiMacと組み合わせた展示が行われていた。
■佐久間正英氏と屋敷豪太氏によるトークセッションも開催
新製品発表会では、スペシャルゲストとしてGLAYやBOOWYのプロデューサーとしても知られる佐久間正英さん、元Simply Redのドラマーである屋敷豪太さんを迎えてのトークセッションも開催。録音現場に加えて、プライベートでもECLIPSEのスピーカーシステムを愛用する両氏が、ECLIPSEへの想いを語った。
昔からスピーカーで聴くドラムの音に不満があった、と語ったのは屋敷豪太氏。しかし、初めてECLIPSEのスピーカーを聴いたときは、ドラムのレンジの広さやナチュラルさに驚いたのだという。一方、佐久間正英氏は初めてECLIPSEを聴いたときに若干の違和感も感じたという。しかし、その音を聴き続けるにつれて、このサウンドこそ楽器の音そのものなのだと確信するに至ったのだという。
屋敷氏は「ボーカルを録音するときにECLIPSEをモニターに使うと、自分の声がそのままイメージ通りに再生されるのに、ボーカリスト自身がびっくりするんですよ」と録音現場でのエピソードも披露。司会進行を務めたクリス・ケプラー氏から「ドラマーとしてはECLIPSEのサウンドをどう感じているか」と訪ねられると、「ECLIPSEで聴くドラムの音は、スピーカーから鳴っている音ではなくて、本来の生の音を聴いているようですね」と答えた。
佐久間氏は「スタジオではECLIPSEはもはやマストアイテムで、これがないと仕事ができません。これまでのスピーカーシステムにはなかった領域に踏み込んだのがECLIPSEです」と語りつつ、PAシステムで使えるような大音量再生ができるスピーカーをECLIPSEで実現させてほしいと希望も述べていた。
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