独自アプリによりiOS端末で完結
クリプトン、iOS専用のハイレゾ配信サービス「HQMクラウド」を開始 − YouTubeユーザーがターゲット
クリプトンは、ハイレゾ対応クラウド型音楽配信サービス「HQMクラウド」を7月末に開始する。
■iOS端末で完結してハイレゾ音源の購入・再生が楽しめる「HQMクラウド」
「HQMクラウド」は同社が開発したiOS用アプリ「HQM Store Cloud Player」を用いることで、パソコンなどを使わずに、iPadやiPhoneで完結してハイレゾ音源を購入・試聴できるサービスだ。
ストリーミングではなく、ダウンロードのみのサービス提供となる。ユーザーはiPadやiPhoneからクリプトン「HQM STORE」で「HQMクラウド」対応の音源を購入し、「HQM Store Cloud Player」を使って音源を再生することができる。一度購入した音源は、端末側で何度でも削除したりダウンロードできるため、“クラウド”という言葉を名称に含めた。このため、ユーザーはiPhoneやiPadの容量を気にすることなく、ハイレゾ音源再生を楽しむことができる。
「HQM Store Cloud Player」アプリは7月末日よりApp Storeからダウンロードが可能で、本サービス開始記念として、当面は無料で提供される。
配信フォーマットは、ALACの48kHz/24bitまたは44.1kHz/24bitとなる。192kHz/24bitや96kHz/24bitでない理由については、まずiPadやiPad mini、iPhoneの内部処理が48kHz/24bitまでしか対応していないことがあるという。加えて音源の容量が大きくなることで「7GB制限」など端末キャリアの従量制に抵触することも考慮した。さらに、そもそもストレージの大きくないiPhoneやiPadの容量を逼迫する、といった問題を避ける意図もあるという。
「HQMクラウド」サービス開始時点で提供される楽曲のは約240タイトルで、クラシックから提供が開始される。レーベル側と著作権などの問題をクリアできたタイトルから配信を開始するという。販売価格については60分程度の楽曲で1,800円(税込)からとなる。なお、著作権の関係もあり、サービスイン時点では1アカウントに対して使用できるiOS端末は1台となる。
アプリ「HQM Store Cloud Player」は、HQMクラウドから購入した音源に加え、iOS端末の「Music」などに保存した、PCから転送した音源も再生することが可能。こちらは192kHz/24bitまで対応する。対応フォーマットはALAC、FLAC、AAC、MP3。「Music」に保存されているものであればAIFF、WAVの再生も可能だ。
このアプリはプレイリスト機能を備え、あらかじめリストを作成するタイプのものに加え、次に聴きたい曲を随時追加していく「テンポラリー(一時)プレイリスト」にも対応。音楽を再生しながらHQM Store上のブックレットやライナーノートを読む機能など、ユニークな機能も搭載する。
また、楽曲一覧にはHQMクラウドから購入した楽曲と、ローカル保存した楽曲が並列にリスト化され、「HQMクラウドからダウンロードできるもの」「HQMクラウドからダウンロードしたもの」「ローカル保存している楽曲」などをアイコン表示で見分けることができる。
なお、この「HQMクラウド」サービスは、パソコンからのハイレゾ配信音源の購入に対してハードルが高いと感じているユーザーや、ふだんYouTubeやiTunesを介して音楽を楽しんでいるユーザーを想定して提供されている。従来のオーディオファンや、パソコンを使って音源を購入するユーザーが「HQMクラウド」を併用して使うことは想定していない。従って、HQMクラウドで買ったものと同一のタイトルを192kHz/24bitで聴きたい場合などは、別にHQM STOREから192kHz/24bit版のタイトルを購入する必要がある。
同じ理由で、HQM Store Cloud Playerで再生した音源は、USB-DACなどを介さず、iOS端末のステレオミニ端子から直接出力し、ヘッドホンやイヤホンで楽しむ方法を想定しているという。もちろん、Lightning-USBカメラアダプタなどを使ってUSB-DACへ出力して再生するということも可能だ。
なお、「HQMクラウド」で配信される48kHz・44.1kHz/24bit楽曲は、HQM STOREから通常のハイレゾ楽曲としてダウンロード購入できる。その場合は、もちろんパソコンで再生することも可能だ。
■音楽はYouTubeがメインというユーザーにハイレゾ音源を手軽に聴いてもらいたい
今回、上記のようなiOS端末で完結してハイレゾ再生を行えるサービスを開始する背景について、同社の樋泉氏は「音楽を聴くのはYouTubeがメイン、というユーザーが非常に多いので、こうした方々に、大きな投資なしに手持ちの端末でハイレゾを手軽に楽しんでもらいたいと考えています」と説明してくれた。
樋泉氏はiTunesなど音楽のダウンロード販売の成長が頭打ちになっていることに触れ、「LPからCDへ、そしてiTunesへ移行していったユーザーは今、どのように音楽を聴いているのか。私が同年代(60代)の方々に聞いてみたところ、多くの方がYouTubeで音楽を聴いていたのです」とコメント。さらに同氏は、パソコンではなく、スマートフォンやモバイルで音楽を聴くという流れが加速していることも指摘した。
また、iOS専用としたことについては「オーディオマニア以外の方々は、ハイレゾを聴くために新しくオーディオ機器を買うというのは難しいでしょう。しかし、すでに国内だけで数百万台が普及しているiPadだけで楽しめるハイレゾ配信サービスをつくれば、多くの方が追加投資なしでハイレゾ再生を楽しめるのです」とコメント。モバイルよりは家庭でWi-Fiを介して使うことを想定しているという。また、コンテンツの価格についても戦略的にiTunesと同額程度に抑えたとのことだ。
なお「Android向けにHQMクラウドを展開する予定はないのか」という質問に対しては、著作権保護やセキュリティなどの観点から現時点では検討していないとのことだった。
■HQM STOREのサイトもリニューアル
リニューアル後のHQM STOREについても説明。ユーザーが好みの曲を探しやすくするために、トップページにジャンルごとの「ショーウィンドー」を設けた。検索機能も強化し、従来の多重絞り込み検索に加え、目的の曲のジャンル分けが不明瞭な場合の検索精度も向上させた。さらに、スタッフによる「お薦め」を定期的に更新し、CDショップなどで楽曲を探すような感覚で買い物ができるようなサイトを目指していくという。
パソコン用のダウンローダーの機能強化も実施。HQMダウンローダーはWindows、Mac、LinuxのOSに対応しているが、従来まではインターネット側までだった伝送不具合のチェック機能を、家庭内LAN側にまで拡張。これまではユーザーの家庭のLAN内で伝送エラーが発生した場合はルーターへの伝送完了から48時間で再ダウンロードができなくなっていたが、こうした場合でも再ダウンロードが可能となる。
■iOS端末で完結してハイレゾ音源の購入・再生が楽しめる「HQMクラウド」
「HQMクラウド」は同社が開発したiOS用アプリ「HQM Store Cloud Player」を用いることで、パソコンなどを使わずに、iPadやiPhoneで完結してハイレゾ音源を購入・試聴できるサービスだ。
ストリーミングではなく、ダウンロードのみのサービス提供となる。ユーザーはiPadやiPhoneからクリプトン「HQM STORE」で「HQMクラウド」対応の音源を購入し、「HQM Store Cloud Player」を使って音源を再生することができる。一度購入した音源は、端末側で何度でも削除したりダウンロードできるため、“クラウド”という言葉を名称に含めた。このため、ユーザーはiPhoneやiPadの容量を気にすることなく、ハイレゾ音源再生を楽しむことができる。
「HQM Store Cloud Player」アプリは7月末日よりApp Storeからダウンロードが可能で、本サービス開始記念として、当面は無料で提供される。
配信フォーマットは、ALACの48kHz/24bitまたは44.1kHz/24bitとなる。192kHz/24bitや96kHz/24bitでない理由については、まずiPadやiPad mini、iPhoneの内部処理が48kHz/24bitまでしか対応していないことがあるという。加えて音源の容量が大きくなることで「7GB制限」など端末キャリアの従量制に抵触することも考慮した。さらに、そもそもストレージの大きくないiPhoneやiPadの容量を逼迫する、といった問題を避ける意図もあるという。
「HQMクラウド」サービス開始時点で提供される楽曲のは約240タイトルで、クラシックから提供が開始される。レーベル側と著作権などの問題をクリアできたタイトルから配信を開始するという。販売価格については60分程度の楽曲で1,800円(税込)からとなる。なお、著作権の関係もあり、サービスイン時点では1アカウントに対して使用できるiOS端末は1台となる。
アプリ「HQM Store Cloud Player」は、HQMクラウドから購入した音源に加え、iOS端末の「Music」などに保存した、PCから転送した音源も再生することが可能。こちらは192kHz/24bitまで対応する。対応フォーマットはALAC、FLAC、AAC、MP3。「Music」に保存されているものであればAIFF、WAVの再生も可能だ。
このアプリはプレイリスト機能を備え、あらかじめリストを作成するタイプのものに加え、次に聴きたい曲を随時追加していく「テンポラリー(一時)プレイリスト」にも対応。音楽を再生しながらHQM Store上のブックレットやライナーノートを読む機能など、ユニークな機能も搭載する。
また、楽曲一覧にはHQMクラウドから購入した楽曲と、ローカル保存した楽曲が並列にリスト化され、「HQMクラウドからダウンロードできるもの」「HQMクラウドからダウンロードしたもの」「ローカル保存している楽曲」などをアイコン表示で見分けることができる。
なお、この「HQMクラウド」サービスは、パソコンからのハイレゾ配信音源の購入に対してハードルが高いと感じているユーザーや、ふだんYouTubeやiTunesを介して音楽を楽しんでいるユーザーを想定して提供されている。従来のオーディオファンや、パソコンを使って音源を購入するユーザーが「HQMクラウド」を併用して使うことは想定していない。従って、HQMクラウドで買ったものと同一のタイトルを192kHz/24bitで聴きたい場合などは、別にHQM STOREから192kHz/24bit版のタイトルを購入する必要がある。
同じ理由で、HQM Store Cloud Playerで再生した音源は、USB-DACなどを介さず、iOS端末のステレオミニ端子から直接出力し、ヘッドホンやイヤホンで楽しむ方法を想定しているという。もちろん、Lightning-USBカメラアダプタなどを使ってUSB-DACへ出力して再生するということも可能だ。
なお、「HQMクラウド」で配信される48kHz・44.1kHz/24bit楽曲は、HQM STOREから通常のハイレゾ楽曲としてダウンロード購入できる。その場合は、もちろんパソコンで再生することも可能だ。
■音楽はYouTubeがメインというユーザーにハイレゾ音源を手軽に聴いてもらいたい
今回、上記のようなiOS端末で完結してハイレゾ再生を行えるサービスを開始する背景について、同社の樋泉氏は「音楽を聴くのはYouTubeがメイン、というユーザーが非常に多いので、こうした方々に、大きな投資なしに手持ちの端末でハイレゾを手軽に楽しんでもらいたいと考えています」と説明してくれた。
樋泉氏はiTunesなど音楽のダウンロード販売の成長が頭打ちになっていることに触れ、「LPからCDへ、そしてiTunesへ移行していったユーザーは今、どのように音楽を聴いているのか。私が同年代(60代)の方々に聞いてみたところ、多くの方がYouTubeで音楽を聴いていたのです」とコメント。さらに同氏は、パソコンではなく、スマートフォンやモバイルで音楽を聴くという流れが加速していることも指摘した。
また、iOS専用としたことについては「オーディオマニア以外の方々は、ハイレゾを聴くために新しくオーディオ機器を買うというのは難しいでしょう。しかし、すでに国内だけで数百万台が普及しているiPadだけで楽しめるハイレゾ配信サービスをつくれば、多くの方が追加投資なしでハイレゾ再生を楽しめるのです」とコメント。モバイルよりは家庭でWi-Fiを介して使うことを想定しているという。また、コンテンツの価格についても戦略的にiTunesと同額程度に抑えたとのことだ。
なお「Android向けにHQMクラウドを展開する予定はないのか」という質問に対しては、著作権保護やセキュリティなどの観点から現時点では検討していないとのことだった。
■HQM STOREのサイトもリニューアル
リニューアル後のHQM STOREについても説明。ユーザーが好みの曲を探しやすくするために、トップページにジャンルごとの「ショーウィンドー」を設けた。検索機能も強化し、従来の多重絞り込み検索に加え、目的の曲のジャンル分けが不明瞭な場合の検索精度も向上させた。さらに、スタッフによる「お薦め」を定期的に更新し、CDショップなどで楽曲を探すような感覚で買い物ができるようなサイトを目指していくという。
パソコン用のダウンローダーの機能強化も実施。HQMダウンローダーはWindows、Mac、LinuxのOSに対応しているが、従来まではインターネット側までだった伝送不具合のチェック機能を、家庭内LAN側にまで拡張。これまではユーザーの家庭のLAN内で伝送エラーが発生した場合はルーターへの伝送完了から48時間で再ダウンロードができなくなっていたが、こうした場合でも再ダウンロードが可能となる。
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