オーディオ協会会長が開催をアピール
“ハイレゾ”テーマに「オーディオ・ホームシアター展」が10月17日〜19日開催
(社)日本オーディオ協会は、「オーディオ・ホームシアター展 2014(http://www.oto10.jp/)」の開催概要に関する記者発表会を行った。
■出展スペース増床 − 各社ブース展示に加えコンサートやイヤホン自作体験なども
今年の開催日程は10月17日(金)〜19日(日)の3日間で、時間は10:00〜18:00。初日は11時開始、最終日は16時終了。会場は昨年と同じ、お台場の「TIME(タイム)24」。出展スペースが昨年よりも1フロア増え、1階/2階/3階/18階の4フロアを使用する。入場料は無料だが、一部イベントは有料。
今年は「ハイレゾリューションオーディオ(音源とその技術)」をテーマに、「ハイレゾ!音が違う Hi-Fiからハイレゾへ、オーディオ新時代が見えてきた。」をメインコピーに設定。ハイレゾを中心に各社が様々な展示を行う。なお、現時点で85社・団体の出展が決定しており、2万人の来場者を目指すという。
各社によるブース出展に加えて、オーディオ協会によるテーマ展示やセミナーなども実施。今年は基調講演として、評論家の山之内正氏による「世界の最新ハイレゾ事情」(10月17日 16時〜17時30分)と題した講演も開催される。また、NHKによる8K映像と22.2ch音声によるスーパーハイビジョン展示も昨年に引き続き行われる。
加えて、ミュージシャンを招いてのコンサートや、イヤホンの自作体験などのイベントなども実施。音楽専門衛星ラジオ「ミュージックバード」の公開録音でもパイプオルガンの生演奏を予定しているという。
■「オーディオが大きなターニングポイントを迎えている」
説明会であいさつに立った日本オーディオ協会の校條亮治会長は、「昨年から今年にかけて、オーディオが大きなターニングポイントを迎えている」とコメント。ハイレゾの普及に代表されるようにオーディオを取り巻く環境が変化していることに触れる一方で「量から質へ、大衆から個へなどといろいろなことが言われて久しいが、残念ながらオーディオの世界では利便性と画一性に執着してしまっていたのではないか」と続ける。
そして「オーディオは感性価値。日本人は感性価値が秀でた民族なのにそれが埋没しかかってきているのではないかとずっと主張している」とし、「もっとクリエイティブなものが出てきてもいいはずだし、そこを追いかけないと日本は立ち行かなくなるという危機感をもっている」とコメント。感性価値の代表である音楽、オーディオ分野での再構築を願い、原点に戻り、オーディオにおける新たな価値創造を目指したいと考えたとし、従来からの「Hi-Fi」に続く概念としての「ハイレゾリューションオーディオ」をテーマにしたと説明。「まさに新しい時代のオーディオの幕開けといっても過言ではなく、その視点で見れば今回は世界初の『ハイレゾ・AV展』とも言える」とした。
今回の展示会では、「ハイレゾリューションオーディオとは何か」を「語り」「見せ」「聴かせる」という3点をテーマにして企画を行うと説明。4K、8Kといった、音と映像の近未来の質感を体験してもらいたいと考えているという。そして、「自分のオーディオスタイルを確立する『マイ・オーディオ・ジャーニー』にぜひご参加いただきたい」と語った。
この“質感”という点について校條氏はさらに言及。「量ではなく質感をしっかり味わってもらえる展示を行いたい。量だけでいくと大画面テレビ市場の二の舞になってしまう。あれだけたくさんのテレビが作られたのに黒字になった企業は世界でもほとんどなかった。それをオーディオでも繰り返すのか。それは絶対にやりたくない」とも述べた。
■「ハイレゾ」定義を改めて説明
なお、校條氏は、同協会が策定した「ハイレゾ」の定義についても改めて言及。「Hi-FIオーディオにつながる、または超えるところにハイレゾオーディオという新たな市場を創りたいという想いが前提としてあった」とコメント。
「1933年にフレッチャー博士がHi-Fiオーディオの定義を発表し、ハイエンドオーディオの世界では概ねこうした基準をクリアしてきた。だがポータブルオーディオなどそれ以外の機器では、そうした基準は、ほとんどあえて無視されてきたとも言えるのではないか」と続ける。
そして「1986年にオーディオ市場は7,800億円規模あり、8,000億円強のカラーテレビと肩を並べる規模だったのに、デジタル化、小型化によってハイファイの概念を捨て去って画一化することによって3分の1以下の規模になってしまった」とコメント。ハイファイ、ハイレゾの基準を今改めてもう一度見直すことが市場にとって必要ではないかという思いから、定義づくりに着手したという。
なお、オーディオ協会によるハイレゾ定義はあくまでもハードウェアに対するものであることを校條氏は改めて強調。「ソフトメーカーが『これが我々のハイレゾだ』と言えば我々(オーディオ協会)はノーとは言わない。ただ、ユーザーへしっかり説明できるようにしてくれることを期待している」と語る。
また、96kHz/24bit以上に対応することをハイレゾ機器の基準にしたことについては、「新しい市場を構築するためにはあえてこのレベルを設定した」と説明。「実は1999年に、ソフトメーカーも参加した次世代オーディオフォーラムにおいて、192kHz/24bitが次世代オーディオの基準になるという提案がされていた。それは少し言い過ぎだろうということで今回96kHz/24bitということにした。これが次世代に継承していく際に耐えられる基準ではないかと考えた」と続けた。
そのほか、校條氏はオーディオ市場の現状と今後の見通しにも言及。「現在は2,073億4,000万円のうち半分以上が『ながら聴き』のポータブル市場で、この上にハイファイ、マニア市場がある」とし、「デスクトップ型、据え置き型など、新しい2chオーディオを再構築することで、2016年までに2,500億円規模まで市場を持ち上げられるとみている」と語った。
そして「もちろんヘッドホン、イヤホンで音楽を聴く市場があってもいいのだが、家の中でまでイヤホン、ヘッドホンで聴かなくてもいいのではないか。また、ホームシアターについても“PCシアター”があってもいいだろう。場合によってはウェアラブルになるかもしれないし、スマホがハイクオリティな要求に応えられるものになるかもしれない。そのときに、ただそれで聴くだけでは今まで同じになる。そうではなく、そこで自分なりの聴き方を確立してほしいということで『マイ・オーディオ・ジャーニー』を提案している」とした。
■出展スペース増床 − 各社ブース展示に加えコンサートやイヤホン自作体験なども
今年の開催日程は10月17日(金)〜19日(日)の3日間で、時間は10:00〜18:00。初日は11時開始、最終日は16時終了。会場は昨年と同じ、お台場の「TIME(タイム)24」。出展スペースが昨年よりも1フロア増え、1階/2階/3階/18階の4フロアを使用する。入場料は無料だが、一部イベントは有料。
今年は「ハイレゾリューションオーディオ(音源とその技術)」をテーマに、「ハイレゾ!音が違う Hi-Fiからハイレゾへ、オーディオ新時代が見えてきた。」をメインコピーに設定。ハイレゾを中心に各社が様々な展示を行う。なお、現時点で85社・団体の出展が決定しており、2万人の来場者を目指すという。
各社によるブース出展に加えて、オーディオ協会によるテーマ展示やセミナーなども実施。今年は基調講演として、評論家の山之内正氏による「世界の最新ハイレゾ事情」(10月17日 16時〜17時30分)と題した講演も開催される。また、NHKによる8K映像と22.2ch音声によるスーパーハイビジョン展示も昨年に引き続き行われる。
加えて、ミュージシャンを招いてのコンサートや、イヤホンの自作体験などのイベントなども実施。音楽専門衛星ラジオ「ミュージックバード」の公開録音でもパイプオルガンの生演奏を予定しているという。
■「オーディオが大きなターニングポイントを迎えている」
説明会であいさつに立った日本オーディオ協会の校條亮治会長は、「昨年から今年にかけて、オーディオが大きなターニングポイントを迎えている」とコメント。ハイレゾの普及に代表されるようにオーディオを取り巻く環境が変化していることに触れる一方で「量から質へ、大衆から個へなどといろいろなことが言われて久しいが、残念ながらオーディオの世界では利便性と画一性に執着してしまっていたのではないか」と続ける。
そして「オーディオは感性価値。日本人は感性価値が秀でた民族なのにそれが埋没しかかってきているのではないかとずっと主張している」とし、「もっとクリエイティブなものが出てきてもいいはずだし、そこを追いかけないと日本は立ち行かなくなるという危機感をもっている」とコメント。感性価値の代表である音楽、オーディオ分野での再構築を願い、原点に戻り、オーディオにおける新たな価値創造を目指したいと考えたとし、従来からの「Hi-Fi」に続く概念としての「ハイレゾリューションオーディオ」をテーマにしたと説明。「まさに新しい時代のオーディオの幕開けといっても過言ではなく、その視点で見れば今回は世界初の『ハイレゾ・AV展』とも言える」とした。
今回の展示会では、「ハイレゾリューションオーディオとは何か」を「語り」「見せ」「聴かせる」という3点をテーマにして企画を行うと説明。4K、8Kといった、音と映像の近未来の質感を体験してもらいたいと考えているという。そして、「自分のオーディオスタイルを確立する『マイ・オーディオ・ジャーニー』にぜひご参加いただきたい」と語った。
この“質感”という点について校條氏はさらに言及。「量ではなく質感をしっかり味わってもらえる展示を行いたい。量だけでいくと大画面テレビ市場の二の舞になってしまう。あれだけたくさんのテレビが作られたのに黒字になった企業は世界でもほとんどなかった。それをオーディオでも繰り返すのか。それは絶対にやりたくない」とも述べた。
■「ハイレゾ」定義を改めて説明
なお、校條氏は、同協会が策定した「ハイレゾ」の定義についても改めて言及。「Hi-FIオーディオにつながる、または超えるところにハイレゾオーディオという新たな市場を創りたいという想いが前提としてあった」とコメント。
「1933年にフレッチャー博士がHi-Fiオーディオの定義を発表し、ハイエンドオーディオの世界では概ねこうした基準をクリアしてきた。だがポータブルオーディオなどそれ以外の機器では、そうした基準は、ほとんどあえて無視されてきたとも言えるのではないか」と続ける。
そして「1986年にオーディオ市場は7,800億円規模あり、8,000億円強のカラーテレビと肩を並べる規模だったのに、デジタル化、小型化によってハイファイの概念を捨て去って画一化することによって3分の1以下の規模になってしまった」とコメント。ハイファイ、ハイレゾの基準を今改めてもう一度見直すことが市場にとって必要ではないかという思いから、定義づくりに着手したという。
なお、オーディオ協会によるハイレゾ定義はあくまでもハードウェアに対するものであることを校條氏は改めて強調。「ソフトメーカーが『これが我々のハイレゾだ』と言えば我々(オーディオ協会)はノーとは言わない。ただ、ユーザーへしっかり説明できるようにしてくれることを期待している」と語る。
また、96kHz/24bit以上に対応することをハイレゾ機器の基準にしたことについては、「新しい市場を構築するためにはあえてこのレベルを設定した」と説明。「実は1999年に、ソフトメーカーも参加した次世代オーディオフォーラムにおいて、192kHz/24bitが次世代オーディオの基準になるという提案がされていた。それは少し言い過ぎだろうということで今回96kHz/24bitということにした。これが次世代に継承していく際に耐えられる基準ではないかと考えた」と続けた。
そのほか、校條氏はオーディオ市場の現状と今後の見通しにも言及。「現在は2,073億4,000万円のうち半分以上が『ながら聴き』のポータブル市場で、この上にハイファイ、マニア市場がある」とし、「デスクトップ型、据え置き型など、新しい2chオーディオを再構築することで、2016年までに2,500億円規模まで市場を持ち上げられるとみている」と語った。
そして「もちろんヘッドホン、イヤホンで音楽を聴く市場があってもいいのだが、家の中でまでイヤホン、ヘッドホンで聴かなくてもいいのではないか。また、ホームシアターについても“PCシアター”があってもいいだろう。場合によってはウェアラブルになるかもしれないし、スマホがハイクオリティな要求に応えられるものになるかもしれない。そのときに、ただそれで聴くだけでは今まで同じになる。そうではなく、そこで自分なりの聴き方を確立してほしいということで『マイ・オーディオ・ジャーニー』を提案している」とした。
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