発表会を開催。DSのSpotifyコネクト対応予定も明かす
LINN、新DAC“KATALYST”を計12基搭載したEXAKTスピーカー「KLIMAX EXAKT 350/1」
リンジャパンは本日4月7日、製品発表会を開催。新DACアーキテクチャー「KATALYST」を搭載したEXAKTスピーカー「KLIMAX EXAKT 350/1」とデジタルプロセッシングユニット「KLIMAX EXAKTBOX/1」を披露した。
いずれのモデルも3月に先行して発表されていた(関連ニュース)。今回実機が披露され、英LINNからは総責任者であるであるギラード・ティーフェンブルン氏が来日。自ら製品の詳細について説明を行った。
・「KLIMAX EXAKT 350/1」 ¥7,500,000/ペア(税抜)
・「KLIMAX EXAKTBOX/1」 ¥1,800,000/ペア(税抜)
「KLIMAX EXAKT 350/1」は5ウェイ・6スピーカー搭載のアンプ内蔵スピーカーシステム。6つのスピーカーユニットに対して、それぞれKATALYST DACを搭載。スピーカー1本に対して、合計6基(L/R合計すると12基)の“KATALYST” DACを備える。
スピーカーユニットやアンプ、エンクロージャーなどは従来のKLIMAX 350から踏襲。パワーアンプの出力は、1,000W×2、400W×2、100W×2(いずれも4Ω)となる。消費電力は250W以下(待機時0.05W)。EXAKTスピーカーとして再生を行うためには、別途、ヘッドユニットとしてEXAKT DSMまたはDSMが必要となる。
LINNのEXAKTスピーカーは、スピーカー内部にアンプ、デコードやD/A変換などを行うEXAKT ENGINEを搭載。プレーヤーからスピーカーユニットの直前までLANケーブルでデジタル伝送を行うことで、情報の損失を排除した信号伝送、デジタルクロスオーバーによる理想的な位相整合を狙った。
また、パッシブスピーカーをEXAKTスピーカー化するためのデジタルプロセッシングユニット/チャンネルデバイダー「EXAKTBOX」も用意。今回、KATALYST DACを搭載した「KLIMAX EXAKTBOX/1」が発表された。こちらも6基のKATALYST DACを備え、XLRバランス出力を6系統搭載する。
発表会ではギラード・ティーフェンブルン氏がKATALYST DACの特徴について改めてアピール。アナログ信号の生成ポイントに対して提供される基準電圧の究極的な安定化、DACチップを含むD/A変換回路の各プロセスに対して専用設計された独立する電源システム、デジタルデータの最適化とマスタークロック制御の正確性向上など、KATALYSTの優れたアーキテクチャーについて説明した。
ギラード氏はこうした取り組みについて、「アナログ再生では、レコードの溝から音楽信号を取り出す際に回転スピードのわずかに狂うと、音に歪みが生じてしまいます。LP12ではこれを解決するために、DCモーターとそのコントローラー/電源を担うRADIKALという製品を手がけました。今回のKATALYSTは、同様のことをDSやEXAKTで行おうとしたのです」と例えを用いて総括。
また、「KATALYSTは、D/A変換という大きなプロセスとして捉えられていた事象をサブプロセスへと細分化して、それぞれをより精密にコントロールしようとすることです。結果として、D/A変換後のアナログ信号の歪みを従来より少なくすることができました」とも語っていた。
質疑応答では、合計12基ものDACを正確に同期させるために、どのようなコントロールを行っているのかとの質問も挙がった。ギラード氏は「通信の高速化やクロック制御による正確な同期の実現は、前モデルの段階ですでに解決済みです。それを前提に、今回はDACを改善することでさらなる高音質化を図ったのです」と応えていた。
なお、現時点でDS/DSMおよびEXAKTにおいて、このKATALYSTが採用されているのは旗艦モデル「KLIMAX」だけだ。この技術がAKURATEやMAJIKのような下位モデルにも展開される可能性はあるのだろうか。現時点では、KATALYSTはKLIMAXだけのものとして展開していく予定なのだという。
理由としては、回路規模が大きいKATALYSTを搭載するとなると価格的にもKLIMAXクラスにならざるをえないということ、一方でこのKATALYSTをKLIMAXならではの魅力として位置付けていきたいことなどがあるようだ。
発表会では、KLIMAX EXAKT 350/1と、2013年登場の旧「KLIMAX EXAKT 350」の比較視聴も実施された。
なお、従来モデルからのアップグレードも可能で、EXAKT 350からのアップグレードは内部デジタルボードの変換で100万円(税抜/ペア)、EXAKTBOXからのアップグレードはメインボードの交換となり価格は50万円(税抜1/台)。また350P、350AにEXAKTモジュールを搭載するアップグレードは420万円(税抜/ペア)とる。
■DSのSpotifyコネクト対応を予定していることも明かされた
会場では、ギラード氏にLINNのDSについての最新の動向を聞いてみた。特に、すでにTIDALやQobuzへの対応を果たしているストリーミングについて話を向けると、現在、Spotifyへの対応を進めていることを明かしてくれた。Spotifyが基本的にAPIを公開しない方針ということもあり、TIDALやQobuzのように同社のサーバー/コントロールソフト「Kazoo」に組み込むことは難しく、現在、「Spotifyコネクト」に対応するための申請を行っているとのこと。これが実現すれば、SpotifyアプリからDSを再生先として選択して、DS上でSpotify再生を行えるようになるという。ギラード氏は、今年中にはSpotifyコネクト対応をアップデートで実現したいと語っていた。
いずれのモデルも3月に先行して発表されていた(関連ニュース)。今回実機が披露され、英LINNからは総責任者であるであるギラード・ティーフェンブルン氏が来日。自ら製品の詳細について説明を行った。
・「KLIMAX EXAKT 350/1」 ¥7,500,000/ペア(税抜)
・「KLIMAX EXAKTBOX/1」 ¥1,800,000/ペア(税抜)
「KLIMAX EXAKT 350/1」は5ウェイ・6スピーカー搭載のアンプ内蔵スピーカーシステム。6つのスピーカーユニットに対して、それぞれKATALYST DACを搭載。スピーカー1本に対して、合計6基(L/R合計すると12基)の“KATALYST” DACを備える。
スピーカーユニットやアンプ、エンクロージャーなどは従来のKLIMAX 350から踏襲。パワーアンプの出力は、1,000W×2、400W×2、100W×2(いずれも4Ω)となる。消費電力は250W以下(待機時0.05W)。EXAKTスピーカーとして再生を行うためには、別途、ヘッドユニットとしてEXAKT DSMまたはDSMが必要となる。
LINNのEXAKTスピーカーは、スピーカー内部にアンプ、デコードやD/A変換などを行うEXAKT ENGINEを搭載。プレーヤーからスピーカーユニットの直前までLANケーブルでデジタル伝送を行うことで、情報の損失を排除した信号伝送、デジタルクロスオーバーによる理想的な位相整合を狙った。
また、パッシブスピーカーをEXAKTスピーカー化するためのデジタルプロセッシングユニット/チャンネルデバイダー「EXAKTBOX」も用意。今回、KATALYST DACを搭載した「KLIMAX EXAKTBOX/1」が発表された。こちらも6基のKATALYST DACを備え、XLRバランス出力を6系統搭載する。
発表会ではギラード・ティーフェンブルン氏がKATALYST DACの特徴について改めてアピール。アナログ信号の生成ポイントに対して提供される基準電圧の究極的な安定化、DACチップを含むD/A変換回路の各プロセスに対して専用設計された独立する電源システム、デジタルデータの最適化とマスタークロック制御の正確性向上など、KATALYSTの優れたアーキテクチャーについて説明した。
ギラード氏はこうした取り組みについて、「アナログ再生では、レコードの溝から音楽信号を取り出す際に回転スピードのわずかに狂うと、音に歪みが生じてしまいます。LP12ではこれを解決するために、DCモーターとそのコントローラー/電源を担うRADIKALという製品を手がけました。今回のKATALYSTは、同様のことをDSやEXAKTで行おうとしたのです」と例えを用いて総括。
また、「KATALYSTは、D/A変換という大きなプロセスとして捉えられていた事象をサブプロセスへと細分化して、それぞれをより精密にコントロールしようとすることです。結果として、D/A変換後のアナログ信号の歪みを従来より少なくすることができました」とも語っていた。
質疑応答では、合計12基ものDACを正確に同期させるために、どのようなコントロールを行っているのかとの質問も挙がった。ギラード氏は「通信の高速化やクロック制御による正確な同期の実現は、前モデルの段階ですでに解決済みです。それを前提に、今回はDACを改善することでさらなる高音質化を図ったのです」と応えていた。
なお、現時点でDS/DSMおよびEXAKTにおいて、このKATALYSTが採用されているのは旗艦モデル「KLIMAX」だけだ。この技術がAKURATEやMAJIKのような下位モデルにも展開される可能性はあるのだろうか。現時点では、KATALYSTはKLIMAXだけのものとして展開していく予定なのだという。
理由としては、回路規模が大きいKATALYSTを搭載するとなると価格的にもKLIMAXクラスにならざるをえないということ、一方でこのKATALYSTをKLIMAXならではの魅力として位置付けていきたいことなどがあるようだ。
発表会では、KLIMAX EXAKT 350/1と、2013年登場の旧「KLIMAX EXAKT 350」の比較視聴も実施された。
なお、従来モデルからのアップグレードも可能で、EXAKT 350からのアップグレードは内部デジタルボードの変換で100万円(税抜/ペア)、EXAKTBOXからのアップグレードはメインボードの交換となり価格は50万円(税抜1/台)。また350P、350AにEXAKTモジュールを搭載するアップグレードは420万円(税抜/ペア)とる。
■DSのSpotifyコネクト対応を予定していることも明かされた
会場では、ギラード氏にLINNのDSについての最新の動向を聞いてみた。特に、すでにTIDALやQobuzへの対応を果たしているストリーミングについて話を向けると、現在、Spotifyへの対応を進めていることを明かしてくれた。Spotifyが基本的にAPIを公開しない方針ということもあり、TIDALやQobuzのように同社のサーバー/コントロールソフト「Kazoo」に組み込むことは難しく、現在、「Spotifyコネクト」に対応するための申請を行っているとのこと。これが実現すれば、SpotifyアプリからDSを再生先として選択して、DS上でSpotify再生を行えるようになるという。ギラード氏は、今年中にはSpotifyコネクト対応をアップデートで実現したいと語っていた。
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