DAC機能を省いて低価格化

WEISS、5つのアルゴリズムを搭載したDSP専用機「DSP502」

公開日 2019/04/01 18:21 季刊・Net Audio編集部
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AZ・AUDIOは、同社が扱うスイス・WEISSブランドのDSP専用機「DSP502」を、本日4月1日より発売する。価格は120万円(税抜)。

DSP502

2018年に発売されたDAC「DAC502」をベースに、D/Aコンバーター回路を省くことでDSP専用機として開発されたモデル。DACは非搭載のため、本機の後段に接続するDACには、好みに応じてさまざまなモデルを選択できる。

「これまでにないレベルの高さと汎用性を備えた」という最新のデジタル・オーディオ・プロセッサで、音声データに対してデジタル・データレベルでのエンハンスに対応するほか、使用中のスピーカーに適合した補正、ルームアコースティックも含めた細かな調整にも対応するとしている。

サポートされているサンプリング周波数は、44.1 / 48 / 88.2 / 96 / 176.4 / 192kHz。USB接続では、352.8 / 384kHz、DSD64 / 128までのソースに対応する。

背面端子部

デジタル入力端子は、XLR(AES/EBU)×1、光デジタル(TOSLINK)×1、RCA(S/PDIF)×1、USB(Type B)×1、Ethenet×1。またデジタル出力端子では、XLR(AES/EBU)×2、RCA(S/PDIF)×2が用意されている。

メインの機能となるDSPアルゴリズムには、DAC502と共通となる以下の5つを搭載している。

本機に搭載される5つのDSP

The EQ(パラメトリック・イコライザ)
録音スタジオでは日常的に使われる機能。楽曲の全体的な音質の調整のほか、特定の楽器の音質特性を正確に補正するもの。本機では、低域・中域・高域のブーストおよびカットで再生周波数のバランスを微調整・補正する。

Room EQ(ルーム・イコライザ)
DAC502では、正弦波の音源ファイル(200Hz〜20Hz)をダウンロードしてスピーカーで再生し、定在波が発生している周波数を特定して、その周波数帯域をデジタルEQでレベル調整することが可能。この機能によって定在波を減少させることができる。定在波を調整する周波数帯域は5つまで。

XTC(クロストーク・キャンセリング)
デジタル・フィルタリングすることで、左から右へ、または右から左へのクロストークをキャンセルし、ヘッドフォンでリスニングするような曖昧さのない音場感が得られる。録音によってはサウンドステージがスピーカーを超えて広がり、音場は3次元にもなる。この技術の開発は、スイスIllusonic社と協力。スピーカーの設置に制限の多いリスニング環境や小型スピーカーでの使用に効果を発揮する。

Vinyl(ヴァイナル・エミュレーション)
デジタル化されたアナログ時代の音源の再生や、アナログ音源ではない音源に対して、アナログレコード特有のサウンドキャラクターを付加する。アナログプレーヤーで再生した音の変数を分析して、デジタル領域で、WEISS独自のアルゴリズムによってエミュレート(本質的に再現)したデジタルフィルタをかける機能。アナログシステムで再生させたかのように再現する。Vinylの開発にあたっては、ドイツの高音質レーベル「Stockfisch-Records」のDMM(Direct Metal Master Cut)CD制作の技術の協力を得ている。

Dynamic Adaption(ダイナミック・アダプション)
一つのプレイリストに様々なアルバムに入っていた楽曲が盛り込まれる場合、その音圧がバラバラになることがある。ダイナミック・アダプションはそういった音圧の上限を決めて、それ以上をカットするDSP機能となる。

これらのDSP機能に加え、専用のリモコンが付属されるほか、イーサネット経由によるファームウェアのアップデートにも対応している。外形寸法は450W×66H×300Dmm。

付属リモコン

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