新製品が多数登場
<OTOTEN>オーディオテクニカ、新MCカートリッジ「AT-OC9Xシリーズ」披露/CSポートの新パワーアンプ
オーディオ&ホームシアターの一大イベント「OTOTEN 2019」(OTOTEN 2019)が本日29日から東京国際フォーラムで開幕。明日30日まで開催される。本稿では、新MCカートリッジを披露したオーディオテクニカ、CSポート、ブライトーン、小柳出電気商会、アスカ、N-Galleryのブースレポートを紹介していく。
■オーディオテクニカ
オーディオテクニカは、今月21日に発売されたばかりの新MC型カートリッジ「AT-OC9Xシリーズ」を披露。国内イベントで本格的な再生デモが行われるのは初めてとあって、開幕直後から多くの来場者を集めていた。
AT-OC9Xシリーズは、1987年の初号機発売から続く「AT-OC」シリーズの流れをくむ最新のMCカートリッジ。カンチレバーや磁気回路の素材、さらには針先形状が異なる5種類がラインナップされている。「AT-OC9XEB」「AT-OC9XEN」の2機種はカンチレバーにアルミ、磁気回路に純鉄ヨークを採用。「AT-OC9XML」「AT-OC9XSH」「AT-OC9XSL」の3機種は、カンチレバーにボロン、磁気回路には飽和磁束密度に秀でるというパーメンジュールヨークを採用している。
針先形状は、AT-OC9XEBが接合楕円針、AT-OC9XENが無垢楕円針、AT-OC9XMLがマイクロリニア針、AT-OC9XSHがシバタ針、AT-OC9XSLが特殊ラインコンタクト針となる。
デモンストレーションは、同時に発売されたヘッドシェル「AT-LH15H」と組み合わせて実施された。なお、ヘッドシェルの新製品として、質量13gの「AT-LH13H」、質量18gの「AT-LH18H」もラインナップされている
説明員によると、今回の同社ブースは「何より音を体験してほしい」として、展示物をほとんど配置せず(ヘッドホンも出展されていなかった)、試聴システムをメインとした構成になっていた。
アナログプレーヤーにはテクニクスの旗艦モデル「SL-1000R」が用意されたが、これにオーディオテクニカの旗艦カートリッジ「AT-ART1000」、昨年発売されたハイエンドMCトランス「AT-SUT1000」を組み合わせた、同社のハイエンド・アナログシステムによるデモも行われた。なお、アンプ群はアキュフェーズ、スピーカーにはソナス・ファベールが用いられた。
■CSポート
ハイエンド・オーディオ製品を手がける日本メーカーのCSポートは、今回のOTOTENに合わせて新ステレオ・パワーアンプ「GM70PA」を発表した。価格は1,700,000円(税抜)で、本日から販売開始される。
従来よりラインナップされていたモノラル・パワーアンプ「212PA」(4,980,000円・税抜)の技術を1台に収め、低価格を実現したという真空管アンプ。真空管にはロシア製の直熱3極管「GM70」を採用し、30W×2(4Ω)の出力に対応する。
説明員によると、この真空管は「鳴らすのが難しい」とのこと。しかし同社ではアナログ電源に加えてスイッチング電源も搭載することで、1000Vの高圧電源を安定供給。これによりリニアリティの良い駆動を実現したという。
そのほか、デュアルモノモード搭載により、バイアンプ接続にも対応する。S/Nは90dB/1W(20-20kHz)で、周波数特性は20-30kHz。入力端子としてRCAに加えてXLRも搭載する。また外形寸法は470W×430D×201Hmmで、質量は27kg。
ブースでは同社のアナログプレーヤー「LFT1」でレコードを再生し、この「GM70PA」でスピーカーをドライブ。フォノイコライザーには「C3EQ」、プリアンプには「C3PR」を使用していた。さらに、昨年発売されたレコード除電・消磁器「IME1」を盤上に配置して帯電を取り除きながら再生を行うなど、同社製品のフルラインナップを披露するデモとなっていた。
■ブライトーン
ブライトーンのブースでは、エアーベアリング採用のアナログプレーヤー「holbo」、ネットワークプレーヤー LUMIN「X1」を中心にデモ。そのほかSOtMのスイッチングハブ、Stillpointsのインシュレーターなど同社が扱う製品による再生システムが組まれた。
スピーカーにはDynaudio「Confidence C2」が使用されるほか、Dynaudio Japan社長 前田氏、オーディオ評論家 逆木一氏、マエストロガレージ 谷口氏による “Dynaudio愛を語る” イベントも実施される。
また各日序盤には、「デジ研(デジタル研究会)」が開催。9回目となる本イベントだが、OTOTENでは初開催とのこと。解説を行う逆木氏は、冒頭で参加者に対して「これから始めようという方も、今やっている方にも価値のある会にしていきたい」と抱負を語った。導入編/発展編の2部構成となっており、導入編ではネットワークオーディオの基礎を、実践を交えて解説。発展編ではストリーミングサービスやRoonの紹介が行われた。
■小柳出電気商会
オヤイデ電気は、OYAIDEブランドの製品群を展示。通常は秋葉原の店舗店頭のみでしか販売されていない、店頭限定の電源ケーブルや電源ボックスも出展された。すでに販売されていないモデルも含まれるが、これら製品の音を聴くためにブースを訪れる常連ユーザーも多いとのこと。
同社では、“仮想アース” にも改めて注目しているとのこと。デモでは仮想アースの効果を体験するため、昨年12月に発売された5N純銀単線のアナログプレーヤー用アースケーブル「GND-47」を中心に複数製品の比較試聴も実施している。
アナログプレーヤーにはTechnics「SL-1200MK4」が使用され、プリメインアンプにはB.M.C.「CS3」、フォノイコライザーにはiFi audio「IPhono 2」を使用。背面端子部が客席側に向けられ、ケーブルが目立つような同社らしいセッティングだ。電源ケーブルにはOYAIDE「TUNAMI V2」を使用。またスピーカーにはMagico「A3」が用いられた。
■アスカ/N-Gallery
アスカとN-Galleryは共同でブースを出展。アスカは調音ボックスの新製品「韻(HIBIKI)」を今回のイベントに合わせて発表。本日より購入することが可能となっていた。ホワイトとブラックがラインナップされ、2本セットで17,600円(税抜)、6本セットで46,800円(税抜)。
内部素材には顆粒状の4Kセラミックコーティングカーボンを採用し、筐体には軽量化のため紙を採用。この素材によって室内の不要な響きを吸収することで、解像度とS/Nを向上させるという。
説明員によると、吸音材として多用されるグラスファイバーの吸収帯域は1500Hz以上とのことだが、4Kセラミックコーティングカーボンは630Hz以上の帯域に対して効果を発揮。通常吸音しにくい帯域の低域も吸収することができる説明していた。
この素材は、湿気の調整・消臭機能を持つカーボン素材をベースに、オーディオ用に改良を施したという。そのためオーディオルームの空気をきれいにする効果も得られるとのこと。また105×105×50cm、約750gという小型・軽量にすることで、部屋の角だけでなく、壁面に取り付けることも可能だという。
そのほかアスカでは、カートリッジも発表。ボロン製カンチレバー/超解像ダイヤ針のモデル、アルミ製カンチレバー/ルビー丸針のモデル、アルミ製カンチレバー/サファイヤ針/銀線コイルの3モデルをラインナップする。
価格はいずれも30万円弱で、本日から発売。細かな仕様変更のオーダーも受け付けているという。いずれも従来からトレース能力を向上させたとのこと。残念ながら写真NGで撮影することはできなかったが、筐体は漆で加工され高級感のある仕上がりだった。興味のある方は実物を確認しに、ブースまで訪れてほしい。
N-Galleryは、埼玉県戸田市に店舗を構える家具店。今回のイベントでは、木製のオーディオボードやオーディオラック、スピーカースタンドなどを展示した。
いずれも木の素材を活かした設計となっており、なるべく金具を使わない構造を用いている。インシュレーターに至るまで木で作られている。会場ではこれらのラックなどに基材を搭載し、アスカのカートリッジを比較試聴。ブースの随所には調音ボックス 韻が配置され、両ブランドを活かした内容となっていた。
G701「セミナールーム」では、様々なイベントが開催。オーディオ評論家による製品の説明はもちろん、音楽サービス「ミュージックバード」が番組公開収録も開催されている。
OTOTEN 2019は明日6月30日(日)まで東京国際フォーラムで開催。入場無料だが参加登録が必要で、公式サイトから事前登録も受け付けている。
■オーディオテクニカ
オーディオテクニカは、今月21日に発売されたばかりの新MC型カートリッジ「AT-OC9Xシリーズ」を披露。国内イベントで本格的な再生デモが行われるのは初めてとあって、開幕直後から多くの来場者を集めていた。
AT-OC9Xシリーズは、1987年の初号機発売から続く「AT-OC」シリーズの流れをくむ最新のMCカートリッジ。カンチレバーや磁気回路の素材、さらには針先形状が異なる5種類がラインナップされている。「AT-OC9XEB」「AT-OC9XEN」の2機種はカンチレバーにアルミ、磁気回路に純鉄ヨークを採用。「AT-OC9XML」「AT-OC9XSH」「AT-OC9XSL」の3機種は、カンチレバーにボロン、磁気回路には飽和磁束密度に秀でるというパーメンジュールヨークを採用している。
針先形状は、AT-OC9XEBが接合楕円針、AT-OC9XENが無垢楕円針、AT-OC9XMLがマイクロリニア針、AT-OC9XSHがシバタ針、AT-OC9XSLが特殊ラインコンタクト針となる。
デモンストレーションは、同時に発売されたヘッドシェル「AT-LH15H」と組み合わせて実施された。なお、ヘッドシェルの新製品として、質量13gの「AT-LH13H」、質量18gの「AT-LH18H」もラインナップされている
説明員によると、今回の同社ブースは「何より音を体験してほしい」として、展示物をほとんど配置せず(ヘッドホンも出展されていなかった)、試聴システムをメインとした構成になっていた。
アナログプレーヤーにはテクニクスの旗艦モデル「SL-1000R」が用意されたが、これにオーディオテクニカの旗艦カートリッジ「AT-ART1000」、昨年発売されたハイエンドMCトランス「AT-SUT1000」を組み合わせた、同社のハイエンド・アナログシステムによるデモも行われた。なお、アンプ群はアキュフェーズ、スピーカーにはソナス・ファベールが用いられた。
■CSポート
ハイエンド・オーディオ製品を手がける日本メーカーのCSポートは、今回のOTOTENに合わせて新ステレオ・パワーアンプ「GM70PA」を発表した。価格は1,700,000円(税抜)で、本日から販売開始される。
従来よりラインナップされていたモノラル・パワーアンプ「212PA」(4,980,000円・税抜)の技術を1台に収め、低価格を実現したという真空管アンプ。真空管にはロシア製の直熱3極管「GM70」を採用し、30W×2(4Ω)の出力に対応する。
説明員によると、この真空管は「鳴らすのが難しい」とのこと。しかし同社ではアナログ電源に加えてスイッチング電源も搭載することで、1000Vの高圧電源を安定供給。これによりリニアリティの良い駆動を実現したという。
そのほか、デュアルモノモード搭載により、バイアンプ接続にも対応する。S/Nは90dB/1W(20-20kHz)で、周波数特性は20-30kHz。入力端子としてRCAに加えてXLRも搭載する。また外形寸法は470W×430D×201Hmmで、質量は27kg。
ブースでは同社のアナログプレーヤー「LFT1」でレコードを再生し、この「GM70PA」でスピーカーをドライブ。フォノイコライザーには「C3EQ」、プリアンプには「C3PR」を使用していた。さらに、昨年発売されたレコード除電・消磁器「IME1」を盤上に配置して帯電を取り除きながら再生を行うなど、同社製品のフルラインナップを披露するデモとなっていた。
■ブライトーン
ブライトーンのブースでは、エアーベアリング採用のアナログプレーヤー「holbo」、ネットワークプレーヤー LUMIN「X1」を中心にデモ。そのほかSOtMのスイッチングハブ、Stillpointsのインシュレーターなど同社が扱う製品による再生システムが組まれた。
スピーカーにはDynaudio「Confidence C2」が使用されるほか、Dynaudio Japan社長 前田氏、オーディオ評論家 逆木一氏、マエストロガレージ 谷口氏による “Dynaudio愛を語る” イベントも実施される。
また各日序盤には、「デジ研(デジタル研究会)」が開催。9回目となる本イベントだが、OTOTENでは初開催とのこと。解説を行う逆木氏は、冒頭で参加者に対して「これから始めようという方も、今やっている方にも価値のある会にしていきたい」と抱負を語った。導入編/発展編の2部構成となっており、導入編ではネットワークオーディオの基礎を、実践を交えて解説。発展編ではストリーミングサービスやRoonの紹介が行われた。
■小柳出電気商会
オヤイデ電気は、OYAIDEブランドの製品群を展示。通常は秋葉原の店舗店頭のみでしか販売されていない、店頭限定の電源ケーブルや電源ボックスも出展された。すでに販売されていないモデルも含まれるが、これら製品の音を聴くためにブースを訪れる常連ユーザーも多いとのこと。
同社では、“仮想アース” にも改めて注目しているとのこと。デモでは仮想アースの効果を体験するため、昨年12月に発売された5N純銀単線のアナログプレーヤー用アースケーブル「GND-47」を中心に複数製品の比較試聴も実施している。
アナログプレーヤーにはTechnics「SL-1200MK4」が使用され、プリメインアンプにはB.M.C.「CS3」、フォノイコライザーにはiFi audio「IPhono 2」を使用。背面端子部が客席側に向けられ、ケーブルが目立つような同社らしいセッティングだ。電源ケーブルにはOYAIDE「TUNAMI V2」を使用。またスピーカーにはMagico「A3」が用いられた。
■アスカ/N-Gallery
アスカとN-Galleryは共同でブースを出展。アスカは調音ボックスの新製品「韻(HIBIKI)」を今回のイベントに合わせて発表。本日より購入することが可能となっていた。ホワイトとブラックがラインナップされ、2本セットで17,600円(税抜)、6本セットで46,800円(税抜)。
内部素材には顆粒状の4Kセラミックコーティングカーボンを採用し、筐体には軽量化のため紙を採用。この素材によって室内の不要な響きを吸収することで、解像度とS/Nを向上させるという。
説明員によると、吸音材として多用されるグラスファイバーの吸収帯域は1500Hz以上とのことだが、4Kセラミックコーティングカーボンは630Hz以上の帯域に対して効果を発揮。通常吸音しにくい帯域の低域も吸収することができる説明していた。
この素材は、湿気の調整・消臭機能を持つカーボン素材をベースに、オーディオ用に改良を施したという。そのためオーディオルームの空気をきれいにする効果も得られるとのこと。また105×105×50cm、約750gという小型・軽量にすることで、部屋の角だけでなく、壁面に取り付けることも可能だという。
そのほかアスカでは、カートリッジも発表。ボロン製カンチレバー/超解像ダイヤ針のモデル、アルミ製カンチレバー/ルビー丸針のモデル、アルミ製カンチレバー/サファイヤ針/銀線コイルの3モデルをラインナップする。
価格はいずれも30万円弱で、本日から発売。細かな仕様変更のオーダーも受け付けているという。いずれも従来からトレース能力を向上させたとのこと。残念ながら写真NGで撮影することはできなかったが、筐体は漆で加工され高級感のある仕上がりだった。興味のある方は実物を確認しに、ブースまで訪れてほしい。
N-Galleryは、埼玉県戸田市に店舗を構える家具店。今回のイベントでは、木製のオーディオボードやオーディオラック、スピーカースタンドなどを展示した。
いずれも木の素材を活かした設計となっており、なるべく金具を使わない構造を用いている。インシュレーターに至るまで木で作られている。会場ではこれらのラックなどに基材を搭載し、アスカのカートリッジを比較試聴。ブースの随所には調音ボックス 韻が配置され、両ブランドを活かした内容となっていた。
G701「セミナールーム」では、様々なイベントが開催。オーディオ評論家による製品の説明はもちろん、音楽サービス「ミュージックバード」が番組公開収録も開催されている。
OTOTEN 2019は明日6月30日(日)まで東京国際フォーラムで開催。入場無料だが参加登録が必要で、公式サイトから事前登録も受け付けている。