「SACD 10」のDACと「MODEL 10」のプリアンプを実装
マランツ、プリアンプ搭載ネットワークプレーヤーの最上位「LINK 10n」。税込220万円
マランツは、フラグシップモデル“10シリーズ”のラインナップとして、プリアンプ機能を搭載したネットワークプレーヤー「LINK 10n」を12月に発売する。価格は2,200,000円(税込)で、カラーバリエーションはシャンパンゴールド/ブラックの2カラーを用意している。
LINK 10nは、8月30日にリリースされたSACDプレーヤー「SACD10」、プリメインアンプ「MODEL 10」と同クラスのモデルとして登場。“最高の音質と利便性の両立”を実現するべく、10シリーズの筐体を活用し、SACD 10で搭載された新DACとMODEL 10のプリアンプを実装させることで、フラグシップシリーズに相応しいクオリティを実現したという。
徹底的な音質追求をコンセプトにした10シリーズが、3つのアイテムに分かれた理由について、マランツの燻R氏は、「我社が“目指していく音”を実現させるために、一筐体の中で完結して音質を追求したほうがベストだと考えた結果、先日発表したMODEL 10の開発が決定した。そしてSACD 10については、マランツがディスクプレーヤーのオリジネーターであるという誇りがあり、ディスク再生の専用機としての集大成を出したいという思いが形になった。そして、そこに合わせてネットワーク再生においても、やはり専用機というものを世に打ち出していきたいというのが、LINK 10nの誕生に繋がった」と語る。
DAC部には、SACD 10で導入された、完全マランツオリジナルのディスクリートDAC「Marantz Musical Mastering(MMM)」の最新バージョンを搭載。デジタル処理を請け負う前段部「MMM-Stream」、DSD信号をアナログ変換する後段部「MMM-Conversion」によって構成されている。
「MMM-Stream」では、オーバーサンプリング/デジタルフィルター/ΔΣモジュレーター/ノイズシェーパー/ディザー/レゾネーターなどの処理を全て自社開発のアルゴリズム、パラメーターで行い、PCM信号をDSD 11.2MHz/1bitに変換。デジタルフィルター/ノイズシェーパーディザー/ディザーは、ユーザーが設定を切り替えられるため、好みに合わせて音色を調整できる。
「MMM-Conversion」は、「MMM-Stream」から入力された1bit DSD信号を、アナログFIRフィルターによってダイレクトに、シンプルな回路でD/A変換を行えるため、原音に忠実なアナログ信号を得られるとしている。
デジタル基板の「MMM-stream」とアナログ基板の「MMM-Conversion」とで、ディスクリート構成できる点も大きなメリットであり、その間をデジタル・アイソレーション回路で繋げる仕組みにすることで、デジタル/アナログステージの徹底的な分離を実現している。デジタル/アナログ基板の両方で8層基板へと改良されている点もトピックだ。
最終段のアナログフィルターでは、出力回路に使用するDフリップフロップというバッファーICを、従来機で使用されていた8ch・1個から、1ch・8個へと変更し、完全に分離して使用。出力電流が8mAから3倍の24mAに増え、さらに抵抗値が1/3となったことで、強力なドライブ力を優れたS/Nを両立させている。これらの取り組みにより、「SA-10」比でSINADは4.5dB、S/Nは8.1dB改善されている。
回路内のパーツでカバーに「HEOS」と書かれている部分が、新たに導入されたネットワーク回路部分。また、アナログ基板とデジタル基板の干渉を防ぎ、ノイズ発生を抑えるためにシールドも追加されている。
「MMM-Stream」以降のアナログステージは、フルバランス・ディファレンシャル構成のオーディオ回路を採用。そこに独自高速モジュール「HDAM(Hyper Dynamic Amplifier Module)」と「HDAM-SA3」の最新型を随所に導入し、、全てディスクリート構成としている。純銅製フィルムを用いた高音質コンデンサーやメルフ抵抗なども用いている。
「MMM-Stream」からの出力を受ける初段のユニティゲインバッファーと2段目のディファレンシャルアンプには電圧帰還型回路を採用し、それぞれにHDAMとHDAM-SA3を使用。最新型のHDAMは、入力にJFETカスコードデバイスを追加することで、低歪み化を成し得ている。加えて2in1パッケージのトランジスタによって、動作の安定性も向上させた。
HDAM-SA3には、従来と同一の回路構成ながら、低ノイズ・低歪みのトランジスタを使用して、従来以上の高音質化を実現。左右チャンネル間の干渉、「MMM-Conversion」 からのスイッチングノイズの影響を排除するために、銅メッキ鋼板によるシールドを設置した。
アナログオーディオ用電源回路とデジタルオーディオ用電源回路を完全に独立させた回路設計による、クリーンかつハイスピード、余裕のある電源供給によって安定した音楽再生が可能。アナログオーディオ用/デジタルオーディオ用のそれぞれに専用のトロイダルトランスとカスタム・ブロックコンデンサーを導入しているため、安定した電源供給を可能としており、併せて電源回路をトランスから完全に分けることで、電源トランスを介したアナログオーディオ回路へのノイズの流入も排除している。
各トロイダルトランスは、銅メッキシールドケースでカバー。不要輻射を抑え、外部からのノイズの飛び込みに配慮している。また、アナログオーディオ用/デジタルオーディオ用のどちらも、サウンドマスターと音質担当エンジニアがサプライヤーと共同開発した、マランツ専用のカスタム・ブロックコンデンサー(10,000μF×2)も採用する。
プリアンプ回路に単体ネットワークプレーヤー部分を収めるために、高密度なプリアンプ回路とプリアンプ専用のリニア電源も実装する。こちらも最新型の「HDAM」と「HDAM-SA3」による電圧帰還形アンプ回路、高性能なステレオボリュームコントロールICによって構成された、デジタル制御の可変ゲインアンプによってボリュームを高精度に調節する「リニアコントロール・ボリューム」が投入された。
L/Rの各々に“MUSEシリーズ”の最高グレード・ボリュームコントロールIC「MUSES72323」を用いたバランス構成を投入。チャンネルセパレーション、S/Nを向上させるだけでなく、可変抵抗体を使用しないことでボリュームパーツの経年劣化に伴う音質の変化をなくすことができている。そしてDCサーボの採用で、信号経路のカップリングコンデンサーを不要とした、損失の少ない信号伝送を可能にしている。
プリアンプ用のアナログ電源回路には、専用の銅メッキシールドケースを備えたトロイダルトランスを導入し、サウンドマスターと音質担当エンジニアがサプライヤーと共同開発した専用カスタム・ブロックコンデンサーや、ハイスピードな電源供給を可能にするショットキーバリアダイオードも投入されている。
フォノイコライザー回路「Marantz Musical Premium Phono EQ」は、MM型/MC型のカートリッジに対応しており、ゲイン20dBのMCヘッドアンプと40dB「HDAM」+「HDAM-SA3」の無帰還型フォノイコライザーアンプの2段構成にすることで、1段当たりのゲインを抑えた低歪み化を実現している。フォノイコライザー基板は、1.2mmのボトムケースと銅色にアルマイト処理が施されたアルミニウム製のトップカバーでシールドされており、外来のノイズによる音声信号への影響を排除した。
全てディスクリート回路とし、カップリングコンデンサーを使用せずJFET入力とDCサーボ回路とすることで、音声信号の純度を損なうことなく増幅が可能。MCカートリッジは、MC LOW(33Ω)/MID(100Ω)/HIGH(390Ω)のインピーダンスに合わせて切り替えできる機能を搭載する。
ヘッドホン出力専用に電流帰還型のフルディスクリート・ヘッドホンアンプを採用しており、「HDAM-SA3」とダイヤモンドバッファーを組み合わせた回路構成を導入している。オペアンプを使用しないフルディスクリート構成であるため、きめ細かな音質チューニングを行っているという。
デザインは、他の10シリーズモデルと同様に新世代マランツデザインである「Modern Classical Design」が採用されており、ブランドの伝統的デザインエレメントを継承しながらも、現代的なイメージも盛り込み、再構築することで理想的なデザインを実現している。フロント面のディスプレイはフルカラーとなっており、再生中の音源のジャケットなども色鮮やかに表示できる。
外装部品の多くは、厳選された日本メーカーのみで製造されている。筐体の素材として、フロント/サイドパネルには、削り出しアルミ無垢材を使用。フロントパネルには最大45mm厚の切削加工のアルミニウム素材を使用し、振動による音質への悪影響を低減。またサイドカバーには15.8mm厚のアルミニウム製を用いて、正面から側面までネジが見えないようなデザインを施す。
筐体内部は、理想的なプリ・パワーアンプを実現するために、2層・3ブロックによる高剛性構造を搭載。トップカバーには12mm厚のアルミ板、銅メッキシャーシや5.6mmの3層ボトムシャーシなどを採用することで高い剛性を実現している。また、最大直径94mmのインシュレーターには、アルミニウムの無垢材と4mm厚銅板を組み合わせたハイブリッド型の脚を導入した。フロントパネルの全周にはLEDライトで光るイルミネーションが投入されており、マランツの技術とサウンドを視覚的に表現しているという。
ネットワークプレーヤー機能として、PCM 384kH/32bit、DSD 11.2MHzまで再生が可能で、フォーマットはWAV/FLAC/ALAC/WMA/AAC/MP3/DSDの再生をカバーする。Amazon Musicをはじめ、Spotify、Deezer、Tidal、さらに後日実施予定のソフトウェアアップデートでRoon Readyに対応する。ワイヤレス機能では、Wi-Fi(2.4/5GHz)、Bluetooth ver5.4、AirPlay、Alexaをフォローする。
主な入力端子は、HDMI×1基(ARC)、光デジタル音声×2基、同軸デジタル音声×1基、XLR音声×1基(バランス)、RCA音声×1基(アンバランス)、PHONO×1基(MM/MC)、USB Type-A×1基、USB Type-C×1基、USB Type-C、LAN×1基を搭載。出力端子は、XLR音声×1基(ラインアウト)、RCA音声×1基(ラインアウト)、光デジタル音声×1基、同軸デジタル音声×1基、XLRプリアウト×1基、RCAプリアウト×1基、サブウーファー×1基を備える。
RCA端子には純銅削り出しのピンジャックとスピーカーターミナル(SPKT-100+)を採用。純銅削り出しは、一般的な真鍮と比較して柔らかく、機械加工が難しいため、熟練工が純銅のブロックからひとつひとつ手作業で切削加工して生産している。銅は高い電気導電性を持つため、力強さと安定感のある再生音を可能とする。表面処理は厚みのある1層のニッケルメッキが使用された。
具体的な接続例について、LINK 10nと外部アンプを接続する時は、2V固定のラインアウト出力からの信号を外部プリアンプに接続して使用するシーンをはじめ、LINK 10nのプリアウトをパワーアンプ/モノラルパワーアンプに接続する場合、MODEL 10と組み合わせる際はLINK 10nのラインアウトからプリアンプ部の入力に接続するケース、またプリアウトからパワーアンプに直結させる接続方法がある。プリアウト出力から接続した場合は、コントロールアプリを使用して音量調整が可能だ。
MODEL 10を2台用いる、L/R完全独立駆動によるセパレーションのシステム「Complete Bi-Amplifier Drive System」を使用する場合は、LINK 10nのラインアウトから出力し、2台のMODEL 10のプリアンプ部に接続。MODEL 10のリモコンからボリュームコントロールを行う形になる。
LINK 10nの仕様は、定格出力電圧が1.58V(30Ω・アンバランス出力)/3.16V(140Ω・バランス出力)/240mV(1.16kΩ・サブウーファー出力)/2.0V(デジタル・アンバランス出力)/4.0V(デジタル・バランス出力)、再生周波数特性が2Hz – 50kHz(192kHz)/2Hz – 20kHz(44.1kHz)/2Hz – 50kHz(DSD)、S/N比が113dB(PCM)/116dB(DSD)、消費電力が75W(待機時0.3W)、外形寸法が440W×192H×472Dmm、質量が33.3kg。
LINK 10nは、8月30日にリリースされたSACDプレーヤー「SACD10」、プリメインアンプ「MODEL 10」と同クラスのモデルとして登場。“最高の音質と利便性の両立”を実現するべく、10シリーズの筐体を活用し、SACD 10で搭載された新DACとMODEL 10のプリアンプを実装させることで、フラグシップシリーズに相応しいクオリティを実現したという。
徹底的な音質追求をコンセプトにした10シリーズが、3つのアイテムに分かれた理由について、マランツの燻R氏は、「我社が“目指していく音”を実現させるために、一筐体の中で完結して音質を追求したほうがベストだと考えた結果、先日発表したMODEL 10の開発が決定した。そしてSACD 10については、マランツがディスクプレーヤーのオリジネーターであるという誇りがあり、ディスク再生の専用機としての集大成を出したいという思いが形になった。そして、そこに合わせてネットワーク再生においても、やはり専用機というものを世に打ち出していきたいというのが、LINK 10nの誕生に繋がった」と語る。
DAC部には、SACD 10で導入された、完全マランツオリジナルのディスクリートDAC「Marantz Musical Mastering(MMM)」の最新バージョンを搭載。デジタル処理を請け負う前段部「MMM-Stream」、DSD信号をアナログ変換する後段部「MMM-Conversion」によって構成されている。
「MMM-Stream」では、オーバーサンプリング/デジタルフィルター/ΔΣモジュレーター/ノイズシェーパー/ディザー/レゾネーターなどの処理を全て自社開発のアルゴリズム、パラメーターで行い、PCM信号をDSD 11.2MHz/1bitに変換。デジタルフィルター/ノイズシェーパーディザー/ディザーは、ユーザーが設定を切り替えられるため、好みに合わせて音色を調整できる。
「MMM-Conversion」は、「MMM-Stream」から入力された1bit DSD信号を、アナログFIRフィルターによってダイレクトに、シンプルな回路でD/A変換を行えるため、原音に忠実なアナログ信号を得られるとしている。
デジタル基板の「MMM-stream」とアナログ基板の「MMM-Conversion」とで、ディスクリート構成できる点も大きなメリットであり、その間をデジタル・アイソレーション回路で繋げる仕組みにすることで、デジタル/アナログステージの徹底的な分離を実現している。デジタル/アナログ基板の両方で8層基板へと改良されている点もトピックだ。
最終段のアナログフィルターでは、出力回路に使用するDフリップフロップというバッファーICを、従来機で使用されていた8ch・1個から、1ch・8個へと変更し、完全に分離して使用。出力電流が8mAから3倍の24mAに増え、さらに抵抗値が1/3となったことで、強力なドライブ力を優れたS/Nを両立させている。これらの取り組みにより、「SA-10」比でSINADは4.5dB、S/Nは8.1dB改善されている。
回路内のパーツでカバーに「HEOS」と書かれている部分が、新たに導入されたネットワーク回路部分。また、アナログ基板とデジタル基板の干渉を防ぎ、ノイズ発生を抑えるためにシールドも追加されている。
「MMM-Stream」以降のアナログステージは、フルバランス・ディファレンシャル構成のオーディオ回路を採用。そこに独自高速モジュール「HDAM(Hyper Dynamic Amplifier Module)」と「HDAM-SA3」の最新型を随所に導入し、、全てディスクリート構成としている。純銅製フィルムを用いた高音質コンデンサーやメルフ抵抗なども用いている。
「MMM-Stream」からの出力を受ける初段のユニティゲインバッファーと2段目のディファレンシャルアンプには電圧帰還型回路を採用し、それぞれにHDAMとHDAM-SA3を使用。最新型のHDAMは、入力にJFETカスコードデバイスを追加することで、低歪み化を成し得ている。加えて2in1パッケージのトランジスタによって、動作の安定性も向上させた。
HDAM-SA3には、従来と同一の回路構成ながら、低ノイズ・低歪みのトランジスタを使用して、従来以上の高音質化を実現。左右チャンネル間の干渉、「MMM-Conversion」 からのスイッチングノイズの影響を排除するために、銅メッキ鋼板によるシールドを設置した。
アナログオーディオ用電源回路とデジタルオーディオ用電源回路を完全に独立させた回路設計による、クリーンかつハイスピード、余裕のある電源供給によって安定した音楽再生が可能。アナログオーディオ用/デジタルオーディオ用のそれぞれに専用のトロイダルトランスとカスタム・ブロックコンデンサーを導入しているため、安定した電源供給を可能としており、併せて電源回路をトランスから完全に分けることで、電源トランスを介したアナログオーディオ回路へのノイズの流入も排除している。
各トロイダルトランスは、銅メッキシールドケースでカバー。不要輻射を抑え、外部からのノイズの飛び込みに配慮している。また、アナログオーディオ用/デジタルオーディオ用のどちらも、サウンドマスターと音質担当エンジニアがサプライヤーと共同開発した、マランツ専用のカスタム・ブロックコンデンサー(10,000μF×2)も採用する。
プリアンプ回路に単体ネットワークプレーヤー部分を収めるために、高密度なプリアンプ回路とプリアンプ専用のリニア電源も実装する。こちらも最新型の「HDAM」と「HDAM-SA3」による電圧帰還形アンプ回路、高性能なステレオボリュームコントロールICによって構成された、デジタル制御の可変ゲインアンプによってボリュームを高精度に調節する「リニアコントロール・ボリューム」が投入された。
L/Rの各々に“MUSEシリーズ”の最高グレード・ボリュームコントロールIC「MUSES72323」を用いたバランス構成を投入。チャンネルセパレーション、S/Nを向上させるだけでなく、可変抵抗体を使用しないことでボリュームパーツの経年劣化に伴う音質の変化をなくすことができている。そしてDCサーボの採用で、信号経路のカップリングコンデンサーを不要とした、損失の少ない信号伝送を可能にしている。
プリアンプ用のアナログ電源回路には、専用の銅メッキシールドケースを備えたトロイダルトランスを導入し、サウンドマスターと音質担当エンジニアがサプライヤーと共同開発した専用カスタム・ブロックコンデンサーや、ハイスピードな電源供給を可能にするショットキーバリアダイオードも投入されている。
フォノイコライザー回路「Marantz Musical Premium Phono EQ」は、MM型/MC型のカートリッジに対応しており、ゲイン20dBのMCヘッドアンプと40dB「HDAM」+「HDAM-SA3」の無帰還型フォノイコライザーアンプの2段構成にすることで、1段当たりのゲインを抑えた低歪み化を実現している。フォノイコライザー基板は、1.2mmのボトムケースと銅色にアルマイト処理が施されたアルミニウム製のトップカバーでシールドされており、外来のノイズによる音声信号への影響を排除した。
全てディスクリート回路とし、カップリングコンデンサーを使用せずJFET入力とDCサーボ回路とすることで、音声信号の純度を損なうことなく増幅が可能。MCカートリッジは、MC LOW(33Ω)/MID(100Ω)/HIGH(390Ω)のインピーダンスに合わせて切り替えできる機能を搭載する。
ヘッドホン出力専用に電流帰還型のフルディスクリート・ヘッドホンアンプを採用しており、「HDAM-SA3」とダイヤモンドバッファーを組み合わせた回路構成を導入している。オペアンプを使用しないフルディスクリート構成であるため、きめ細かな音質チューニングを行っているという。
デザインは、他の10シリーズモデルと同様に新世代マランツデザインである「Modern Classical Design」が採用されており、ブランドの伝統的デザインエレメントを継承しながらも、現代的なイメージも盛り込み、再構築することで理想的なデザインを実現している。フロント面のディスプレイはフルカラーとなっており、再生中の音源のジャケットなども色鮮やかに表示できる。
外装部品の多くは、厳選された日本メーカーのみで製造されている。筐体の素材として、フロント/サイドパネルには、削り出しアルミ無垢材を使用。フロントパネルには最大45mm厚の切削加工のアルミニウム素材を使用し、振動による音質への悪影響を低減。またサイドカバーには15.8mm厚のアルミニウム製を用いて、正面から側面までネジが見えないようなデザインを施す。
筐体内部は、理想的なプリ・パワーアンプを実現するために、2層・3ブロックによる高剛性構造を搭載。トップカバーには12mm厚のアルミ板、銅メッキシャーシや5.6mmの3層ボトムシャーシなどを採用することで高い剛性を実現している。また、最大直径94mmのインシュレーターには、アルミニウムの無垢材と4mm厚銅板を組み合わせたハイブリッド型の脚を導入した。フロントパネルの全周にはLEDライトで光るイルミネーションが投入されており、マランツの技術とサウンドを視覚的に表現しているという。
ネットワークプレーヤー機能として、PCM 384kH/32bit、DSD 11.2MHzまで再生が可能で、フォーマットはWAV/FLAC/ALAC/WMA/AAC/MP3/DSDの再生をカバーする。Amazon Musicをはじめ、Spotify、Deezer、Tidal、さらに後日実施予定のソフトウェアアップデートでRoon Readyに対応する。ワイヤレス機能では、Wi-Fi(2.4/5GHz)、Bluetooth ver5.4、AirPlay、Alexaをフォローする。
主な入力端子は、HDMI×1基(ARC)、光デジタル音声×2基、同軸デジタル音声×1基、XLR音声×1基(バランス)、RCA音声×1基(アンバランス)、PHONO×1基(MM/MC)、USB Type-A×1基、USB Type-C×1基、USB Type-C、LAN×1基を搭載。出力端子は、XLR音声×1基(ラインアウト)、RCA音声×1基(ラインアウト)、光デジタル音声×1基、同軸デジタル音声×1基、XLRプリアウト×1基、RCAプリアウト×1基、サブウーファー×1基を備える。
RCA端子には純銅削り出しのピンジャックとスピーカーターミナル(SPKT-100+)を採用。純銅削り出しは、一般的な真鍮と比較して柔らかく、機械加工が難しいため、熟練工が純銅のブロックからひとつひとつ手作業で切削加工して生産している。銅は高い電気導電性を持つため、力強さと安定感のある再生音を可能とする。表面処理は厚みのある1層のニッケルメッキが使用された。
具体的な接続例について、LINK 10nと外部アンプを接続する時は、2V固定のラインアウト出力からの信号を外部プリアンプに接続して使用するシーンをはじめ、LINK 10nのプリアウトをパワーアンプ/モノラルパワーアンプに接続する場合、MODEL 10と組み合わせる際はLINK 10nのラインアウトからプリアンプ部の入力に接続するケース、またプリアウトからパワーアンプに直結させる接続方法がある。プリアウト出力から接続した場合は、コントロールアプリを使用して音量調整が可能だ。
MODEL 10を2台用いる、L/R完全独立駆動によるセパレーションのシステム「Complete Bi-Amplifier Drive System」を使用する場合は、LINK 10nのラインアウトから出力し、2台のMODEL 10のプリアンプ部に接続。MODEL 10のリモコンからボリュームコントロールを行う形になる。
LINK 10nの仕様は、定格出力電圧が1.58V(30Ω・アンバランス出力)/3.16V(140Ω・バランス出力)/240mV(1.16kΩ・サブウーファー出力)/2.0V(デジタル・アンバランス出力)/4.0V(デジタル・バランス出力)、再生周波数特性が2Hz – 50kHz(192kHz)/2Hz – 20kHz(44.1kHz)/2Hz – 50kHz(DSD)、S/N比が113dB(PCM)/116dB(DSD)、消費電力が75W(待機時0.3W)、外形寸法が440W×192H×472Dmm、質量が33.3kg。
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