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<不定期連載>伊藤竜太の!押しかけ課外授業。

公開日 2000/11/11 16:06
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★★「Peace Wave〜ウクレレと少年」試写会

11月9日、東京赤坂のTBSにて、BS-iの開局記念ドラマ「Peace Wave〜ウクレレと少年」試写会が行われた。スクリーンではなく、ブラウン管での映写であった。

全編ハワイで撮影された作品で、美しい風景の映像満載。ストーリーよりも風景映像を楽しむことが主体で、デジタル・ハイビジョンの画質クォリティの高さを十分にアピールするものであった。ハワイの水の透明さをやっとブラウン管を通して表現できる時代になったということに、新時代の到来を感じた。


★★BSデジタルに関して想うこと。

今回の試写会で感じたのは映像偏重の傾向。

BSデジタルのすべてがそうだとはもちろん思わないが、今まで視聴率のことばかり考えて番組づくりを行って来た人達が果たして、新しいフォーマットの中で本当に人に感動を与える新しい境地を切り拓いて行けるのかという危惧を抱いたというのが、正直な気持ちだ。とかく表面的な完成度にばかり気を取られがちは日本人の傾向が、デジタル・ハイビジョンの技術によって増長されてしまうかもしれないと思うのは、取り越し苦労だろうか?

ともかく今回は、映像は良くても音声の再生システムが最悪で、歪みと共振の嵐で少々興ざめしてしまった。放送局の意識の低さを露見する結果となったと言ったら言い過ぎだろうか。

実際、デジタル・ハイビジョン映像を見て感じる問題点は、肉眼で見る情景と非常に異なるということ。細密な描写が大きなメリットである反面、あまり被写界深度を深くして描写力を生かそうとすると、かえって不自然に見えてしまう。細かいところまで「見えすぎる」ということがマイナスになるのだ。逆に被写界深度を浅くしたときのボケ味など、今までのテレビにはない高い次元で「レンズの持ち味」を生かすこともできるようになった。

技術に翻弄されることなく、人に感動を与えるために何がほんとうに必要なのかを忘れずに、今後この新しい領域の中で才能あるクリエイター達が活躍してくれることを願ってやまない。つづく…(伊藤竜太)

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