AVCメーカー各社に聞く! 新春アンケート第5回
●Senka21新年号よりお届けする「有力メーカー各社に聞く2001年」。
2番目の設問は、「様々な変化要因を背景にして、2001年の国内需要をどのように予測しますか。有力商品とその動向についてもお聞かせください」である。この設問についての各社の回答の、第5回目をお届けする。
●ソニーマーケティング
AV&ITという括りのなかで5%以上の成長を予測
景気は底を脱したと見ている。BSデジタル放送の開始など、消費者に対する刺激は少なくなく、そのため、商品に対する関心が高くなっている。また、白物家電が好調なため、売り場に足を運ぶ機会そのものは増えており、AV・IT商品に対する購買意欲もますます強くなるだろう。AVとIT・通信との融合が進む中では、今までのAVという括りではなく、IT・通信と合わせて総合的に伸長していくと見るべきである。AV・IT・通信トータルで、金額ベースで5%以上の伸長を予測している。
具体的にAV商品カテゴリーを見ると、ボリウムゾーンである低コストの商品のなかにもバリエーションが増し、数量ベースではかなり期待できそうだ。その反面、単価アップが大きな課題として残り、金額ベースではまだまだ楽観視できない状況にある。
●ティアック
カテゴリー分けの意味が薄れるほど家電とPCの融合が進む
弊社はオーディオ、アクセサリー、業務用音響機器、PC周辺機器等が主力のメーカー。2001年以降はますますPCの家電化、家電のPC化が進み、最終的にはどちらともいえなくなるのでは?そう言う観点から考えると、カテゴリーとして捉えた戦略はあまり意味のないものになってくるに違いない。そこで手始めにオーディオとPC周辺機器が融合した商品「RW−02USB」を11月末から発売している。まだ市場に投入したばかりで、認知度がないため反響がないのかと思っていたが、結構インターネットを使ったお問い合わせが多く驚いている。これから有望なマーケットではないかと大いに感じているところ。
●東 芝
新放送サービス、デジタル化のトレンドが市場を後押しする
AV分野では、本放送の始まったBSデジタル放送や2001年後半からサービスが始まるCS110度放送など新たな放送サービスにより、BSデジタルチューナー内蔵テレビやデジタルレディのワイドテレビなど受信機器市場の活性化が期待される。また、DVDプレーヤーは、商品認知の高まりとソフトの充実により大幅な需要拡大が見込まれ、これに併せてホームシアター関連機器市場も拡大基調となると思われる。さらに、デジタル化のトレンドの中で、DVDやHDD、D−VHSなどのデジタル録画機や、デジタルスチルカメラ、半導体メモリーを搭載したオーディオプレーヤーなどのデジタルAV機器市場の活性化すると考えられる。
IT関連では、インターネットに「いつでも」「どこでも」アクセスできるモバイル機器市場が拡大すると共に、リッチなコンテンツを扱えるPC市場も堅調な推移が見込まれるが、さらなる需要拡大の鍵は通信コスト低減と考える。
●日本コロムビア
テープからディスクへ。ハードも本格的に移行する年に
国内の先行き不安と、米国内景気の停滞が予測され、総量の伸長は厳しい。国内はBSデジタル放送に関わる商品を中心に大きく伸長する。一方で、ホームシアターは、ソースの充実でさらに伸びるとともに、パーソナル化へも進行し、テレビディスプレイをコアとするホームエンターテインメントが、様々な形態で提案されるだろう。さらに、映像を含めた記録メディアがテープからディスクに置き換わり、DVDの普及とともに、ハードウエアの入れ替えが本格的にスタートする年になる。
●日本サムスン
新コンセプト商品の相次ぐ登場で対前年比110%を期待
変貌を遂げる「ユーザー」に対し、デジタルをキーワードに放送、通信、、パッケージ系のあらゆる分野で、改良型ではない、新コンセプト商品が陸続と登場する。従って、マーケティングの巧拙によるが、対前年110%(既存、90%、新規、20%)は期待できる。
●日本ビクター
デジタル商品への関心度アップ。IT情報家電は大幅伸長
ライフスタイルの多様化による「価値観」の注目先として、将来を見据えた先進性のある商品(BSデジタル放送関連)への期待と、カジュアルライフをエンジョイできるモバイル商品への購買意欲が高まる傾向が見込まれる。中でも、ホームエンターテインメントの核となり、BSデジタル放送のクオリティを余すところなく楽しめる大型ディスプレイ(プロジェクター、PDP)や、デジタル高音質記録できるビデオへの関心がさらに高まる。また、パッケージのデジタル化により、DVDへの関心がさらに高まると予測する。
一方、音楽や映像と楽しくつきあう商品として、ポータブルMD、DVC、DSCが、ユーザーの遊び心をさらに沸き立たせるジャンルとして堅実に伸長する。さらに、IT情報家電もインフラの進化に伴い、複合・融合化し、新しい価値の提案ができる商品として、伸長が見込まれる。
●日本マランツ
画一的な仕様から差別化へ。国内需要は微増を予想
DVDは低価格モデル中心ながら、SACDやDVDオーディオとのコンパチブルモデルやDVDレコーダーなどのハイエンドモデル市場が形成され、二極化の傾向にある。AVアンプは、新サラウンドフォーマットへの対応や高機能・低価格の流れから堅調。マニア志向が高まるであろう。シンプルシアターシステムも、現在の画一的な仕様から、差別化へとトレンドは移行していく。
(Senka21編集部)
2番目の設問は、「様々な変化要因を背景にして、2001年の国内需要をどのように予測しますか。有力商品とその動向についてもお聞かせください」である。この設問についての各社の回答の、第5回目をお届けする。
●ソニーマーケティング
AV&ITという括りのなかで5%以上の成長を予測
景気は底を脱したと見ている。BSデジタル放送の開始など、消費者に対する刺激は少なくなく、そのため、商品に対する関心が高くなっている。また、白物家電が好調なため、売り場に足を運ぶ機会そのものは増えており、AV・IT商品に対する購買意欲もますます強くなるだろう。AVとIT・通信との融合が進む中では、今までのAVという括りではなく、IT・通信と合わせて総合的に伸長していくと見るべきである。AV・IT・通信トータルで、金額ベースで5%以上の伸長を予測している。
具体的にAV商品カテゴリーを見ると、ボリウムゾーンである低コストの商品のなかにもバリエーションが増し、数量ベースではかなり期待できそうだ。その反面、単価アップが大きな課題として残り、金額ベースではまだまだ楽観視できない状況にある。
●ティアック
カテゴリー分けの意味が薄れるほど家電とPCの融合が進む
弊社はオーディオ、アクセサリー、業務用音響機器、PC周辺機器等が主力のメーカー。2001年以降はますますPCの家電化、家電のPC化が進み、最終的にはどちらともいえなくなるのでは?そう言う観点から考えると、カテゴリーとして捉えた戦略はあまり意味のないものになってくるに違いない。そこで手始めにオーディオとPC周辺機器が融合した商品「RW−02USB」を11月末から発売している。まだ市場に投入したばかりで、認知度がないため反響がないのかと思っていたが、結構インターネットを使ったお問い合わせが多く驚いている。これから有望なマーケットではないかと大いに感じているところ。
●東 芝
新放送サービス、デジタル化のトレンドが市場を後押しする
AV分野では、本放送の始まったBSデジタル放送や2001年後半からサービスが始まるCS110度放送など新たな放送サービスにより、BSデジタルチューナー内蔵テレビやデジタルレディのワイドテレビなど受信機器市場の活性化が期待される。また、DVDプレーヤーは、商品認知の高まりとソフトの充実により大幅な需要拡大が見込まれ、これに併せてホームシアター関連機器市場も拡大基調となると思われる。さらに、デジタル化のトレンドの中で、DVDやHDD、D−VHSなどのデジタル録画機や、デジタルスチルカメラ、半導体メモリーを搭載したオーディオプレーヤーなどのデジタルAV機器市場の活性化すると考えられる。
IT関連では、インターネットに「いつでも」「どこでも」アクセスできるモバイル機器市場が拡大すると共に、リッチなコンテンツを扱えるPC市場も堅調な推移が見込まれるが、さらなる需要拡大の鍵は通信コスト低減と考える。
●日本コロムビア
テープからディスクへ。ハードも本格的に移行する年に
国内の先行き不安と、米国内景気の停滞が予測され、総量の伸長は厳しい。国内はBSデジタル放送に関わる商品を中心に大きく伸長する。一方で、ホームシアターは、ソースの充実でさらに伸びるとともに、パーソナル化へも進行し、テレビディスプレイをコアとするホームエンターテインメントが、様々な形態で提案されるだろう。さらに、映像を含めた記録メディアがテープからディスクに置き換わり、DVDの普及とともに、ハードウエアの入れ替えが本格的にスタートする年になる。
●日本サムスン
新コンセプト商品の相次ぐ登場で対前年比110%を期待
変貌を遂げる「ユーザー」に対し、デジタルをキーワードに放送、通信、、パッケージ系のあらゆる分野で、改良型ではない、新コンセプト商品が陸続と登場する。従って、マーケティングの巧拙によるが、対前年110%(既存、90%、新規、20%)は期待できる。
●日本ビクター
デジタル商品への関心度アップ。IT情報家電は大幅伸長
ライフスタイルの多様化による「価値観」の注目先として、将来を見据えた先進性のある商品(BSデジタル放送関連)への期待と、カジュアルライフをエンジョイできるモバイル商品への購買意欲が高まる傾向が見込まれる。中でも、ホームエンターテインメントの核となり、BSデジタル放送のクオリティを余すところなく楽しめる大型ディスプレイ(プロジェクター、PDP)や、デジタル高音質記録できるビデオへの関心がさらに高まる。また、パッケージのデジタル化により、DVDへの関心がさらに高まると予測する。
一方、音楽や映像と楽しくつきあう商品として、ポータブルMD、DVC、DSCが、ユーザーの遊び心をさらに沸き立たせるジャンルとして堅実に伸長する。さらに、IT情報家電もインフラの進化に伴い、複合・融合化し、新しい価値の提案ができる商品として、伸長が見込まれる。
●日本マランツ
画一的な仕様から差別化へ。国内需要は微増を予想
DVDは低価格モデル中心ながら、SACDやDVDオーディオとのコンパチブルモデルやDVDレコーダーなどのハイエンドモデル市場が形成され、二極化の傾向にある。AVアンプは、新サラウンドフォーマットへの対応や高機能・低価格の流れから堅調。マニア志向が高まるであろう。シンプルシアターシステムも、現在の画一的な仕様から、差別化へとトレンドは移行していく。
(Senka21編集部)