□□□□□井上千岳のラスベガス-西海岸・珍道中!(4)□□□□□
ボストンのカクテルパーティーで一段落。またもや一服する井上氏 |
アレクシス・パーク・ホテルといって、ハイエンドが集中している場所がある。二階建ての建物が何棟もあるおそらくリゾート型のホテルなんだろうが、今日は夕方から約束があるので時間が限られている。ホテルに着いたときには残り2時間を切っていた。本来はこここそメインになるはずだったのに、大変惜しいことをした。
ともかく時間の許すかぎりは、と気を取り直して編集と二人悲壮な気分で部屋を覗いていったものだ。取材なんてものではない。部屋に入る、ひったくるようにカタログをもらう、写真を撮る。と、この三拍子を繰り返している間に、あっとういう間もなく時間になってしまった。それでも半分は見落としただろう。とにかく数が多いのだ。100では絶対に効かない。
大概のところは人が入っていっても無関心を装っているが、一軒だけ一生懸命話しかけてくるメーカーがあった。オーストラリアだという。スピーカー・メーカーで、カタログをくれといったらCD-ROMでくれたのには驚いた。それはいいとして、もういい歳をしたそのオヤジが妙に猫なで声で話すのにはちょっと閉口したものだ。後で思うとどうもxxxであったのかもしれない。変なヤツに名刺を渡してしまったものだ。おそらく新進メーカーで、よほど売り込みたかったのだろう。一流のハイエンド・メーカーに混じってこういう名も知れぬメーカーがひしめいている。それがCESというところなのだ(この辺りの詳細はまた誌面で)。
この夜約束があるといったのはさるメーカーがカクテル・パーティーをやるというので招待されたのだったが、連れて行かれたのはバス3台を連ねて30分以上も走った郊外のとある一軒家。全体が雑誌の撮影用に作られたハウス・スタジオというようなもので、ここにそのメーカーの製品が生活空間に溶け込むように展示してある。客間、寝室、キッズ・ルームなどさまざまなシチュエーションで部屋がメイクされているわけだが、そのキッズ・ルームにしても筆者のリスニング・ルームの倍ぐらいはありそうなのだ。それで一軒1,000万円程度で建つという。バカヤローという前に呆れてしまった。
ホテルに戻ったら12時に近かった。今日も一日、カタログで次第に重くなるシャープ製の紙袋を抱えて歩き通しの立ち通しであった。(はて、まだつづくのか…?/井上千岳)