松下、ITライフスタイルを提案するeHII Houseを開設
同社は80年代にHA(ホームバスHBSの開発)から始まり、くらしを豊かにする家庭内の電子化、システム化を進めてきた。そして99年1月には、デジタルネットワーク時代に社会システムとつながる家庭内ネットワークの開発、およびその標準化活動、事業化促進を目的とした「HII(Home Information Infrastructure)ハウスを同センター内にオープンし、ネットワーク技術を用いた暮らしのコンセプトを具体的に提案してきた。
「eHIIハウス」は、その後の情報環境の変化と情報関連技術の進展に対応し、これまでに実用化に至った新技術、新商品を駆使するとともに2003年頃に普及する「eくらし」を提案するため、リニューアルオープンさせたものである。具体的な「eくらし」がモデルハウス風に提示されている。
これまでの「HII」は“家庭内の有線による情報基盤”を主体としていたのに対し、「eHII」では、“家庭と社会を結ぶブロードバンドネットワーク”にまで概念を広げ、以下の情報基盤を活用する。
1.インターネットを中心とした通信網
2.BSデジタルなどの放送サービス
3.iモードなどの移動体通信(モバイル)や車内でのカーAV
よって「eHIIハウス」は、「HII」が主眼としていた家庭内(ホーム)のみならず、屋外(モバイル)、車(カー)も「くらしの場」と捉え、どこにいても、さまざまなネットワークを介して、社会からのサービスや情報を自在に扱える「個人と社会、個人同士がシームレスにつながるeくらし」をめざしている。
2010年までには、インターネット接続する家電の増加が見込まれ、いわゆる“ノンPC”の急成長が、PCをはるかに超え、1億4200万台となると予測する。
前「HIIハウス」まではHIIステーションと接続された情報コンセントから各種情報を取り出すという考え方であった。「eHIIハウス」ではネット家電を使われ方の特質に応じて複数種類のドメインに分類し、これらと外部社会をホームゲートウェイにより、それぞれのドメインの家電機器に最適な通信方法により、有線や無線などで接続し情報を送受できるネットワークアーキテクチャーを実現している。ネット家電には、デジタルテレビ、パソコン、電話・ファックス、白物家電を制御する家電コントローラー、そして家の外で活躍する携帯端末、カーナビも含まれ、さらにこれらの機器にネット接続される周辺機器が含まれることになる。
同社では今後、ハウスで収集した情報をもとに、ネット家電機器の商品化をすすめるとともに、さまざまなネットワーク環境をハウス内で提案、実証することで「eHIIによる快適なライフスタイルとサービス」すなわち「eくらし提案」と「eサービス創出」を図っていく。(Phile-web編集部)