<発表会&記者会見>富士写真フィルム、ネットを活用したマーケットの囲い込みを狙う
東京・目黒雅叙園での会見の模様。巨大なeマーケットの創出を掲げた発表だけに、さすがに演出が際立っていた |
発表は、600万画素に到達した超高画質のデジタルカメラ「FinePix6800Z」を頂点とした、新機種「FinePix4800Z」「FinePix2300Z」と、ネットワークを利用した新製品・新サービスの市場導入についてで、これら新規デジタル関連新製品・新サービスを包括した21世紀の映像コミュニケーション提案を同社では、「eピクチャーソリューション FinePix & FDi on the Web」と名付けた。
会見場で同社の古森重隆社長は、「銀塩カメラもまだまだ伸びる分野と認識しているが、デジタル&IT化の流れの中で、“画像情報”が21世紀の大きなキーワードになってくる」と述べた。
そのうえで「インターネットを積極的に利用して、画像を運ぶサービス展開、eピクチャーのニーズを高めていきたい」と市場提案をした。
同社の昨年行った調査によると、デジカメ使用者は15.7%。そのユーザーのうちデジカメのみしか使っていないという回答は、わずかに1.2%で、デジカメユーザーの実に92%が“銀塩フィルム・カメラ”、“写るんです”等を使い分けしている。
そのような背景も踏まえつつ、販売店のデジタル化としてのデジタルミニラボ「フロンティア」とそれを核とした「FDiサービス」を強化する。これは写真フィルムからの超高画質プリントを提供するだけでなく、「デジカメプリントもフジカラー」を訴求するデジタルカメラからの高画質・長期保存プリント、写真フィルムから簡単に画像をCD化する「フジカラーCD」サービスによる銀塩フィルムのパソコンへの橋渡し、さらにはバラエティプリント等の豊富なサービスを提供していく。
バックアップとしては、今回「フジカラーCD」の生産性の大幅アップととともに、「フジカラーCD」の大幅普及を図るためのスタンドアロン型生産機の導入を進める。あわせてインターネットを活用しての写真プリントビジネスシステム拡大といった提案によりeピクチャーのインフラをさらに充実させていく。
「FDiサービス」は、“FUJICOLOR DIGITAL IMAGINGソリューション”を意味し、さらに「FinePix & FDi on the Web」のシステム構想は、販売店とユーザーを同社のデジカメを中心とした、ネットワークサービスで直接結びつけようという考えだ。これにより、強力なユーザー囲い込み市場が誕生することとなる。
(Phile-web編集部)