「第3の方式」DVD+RWが始動! ソニー、フィリップスなどがセミナーを開催
<左>デモに使われたフィリップス製DVD+RWレコーダー <右>映像はプラズマテレビに映し出された |
記憶容量は、片面4.7GB、両面9.4GB。映像記録には、他方式と同じくMPEG2の可変ビットレート方式が用いられる。記録モードは4種類あり、それぞれ1時間/2時間/3時間/4時間の記録が可能。最長の4時間の場合でも、VHSクラス以上の画質は確保しているという。音声についてはMPEG2 Audio(2ch)が使用される。
DVD+RWの他方式に対する最大の優位点は、既存のDVDドライブ/プレーヤーとの互換性の高さだ。記録層の物理特性がDVD-ROM/VIDEOと共通で、既存DVDプレーヤーのレーザーピックアップでも難なくデータをトレースできる。また、セクター/ブロック構造/アドレス構造/ディスクレイアウトもDVDビデオフォーマットと共通であること、ファイルフォーマットも使いやすく変更しながら既存の方式を準拠していることなどから、いままで発売されたほとんどのDVDドライブ/プレーヤーで再生することができる。
互換性については実際にデモンストレーションが行われた。PCのDVD+ドライブでその場で焼いたディスクを既存のDVDプレーヤーで再生したり、逆に家庭用レコーダーで録画したものをPCで再生したりというデモが行われたが、いずれも全く問題なく再生することができた。ちなみに、検証に使われたDVDビデオプレーヤーは松下製、シャープ製の2台だった。
ただ互換性が高いだけならば、パイオニアのDVR-2000などに搭載されている「ビデオモード録画」を使えば、-RW方式でもかなりの互換性を確保できる。だがセミナーでは、-RWに対する+RW方式のアドバンテージとして、「アドレス構造の精度が高く、記録のクオリティーが高い」ことを強調。PCのデータを保存する用途では、順番など考えずに、かなりアバウトにデータを出し入れすることが多い。そんな状況も+RWならカバーできるというわけだ。
会場におかれていたデモ機はフィリップス製のもので、デモ映像にも破綻がなく、開発はかなりの段階まで進展していると思われる。このレコーダーにはi.Link端子がついており、その場で撮った映像をデジタルでデモ機に入力し、+RWディスクに記録するというデモも行われた。
何も考えずに録画しても、気軽に互換性が確保できるはじめてのDVD録画フォーマット、DVD+RW。待たされただけの、高いポテンシャルを秘めているといっていいだろう。(Phile-web編集部)