パイオニアのプラズマ工場にてナンバー1の実力を見た!(1)
静岡パイオニア本社工場。100万円台の製品が次々と作られていく風景は、本当に“売れている”んだなぁーと実感 |
AVレビュー誌、ホームシアターファイル誌ならびにPhile-Web編集部は、パイオニア株式会社の特別な計らいで、甲府工場(山梨県中巨摩郡)、静岡本社工場(静岡県袋井市)のプラズマディスプレイパネルならびにプラズマテレビ生産現場を取材する機会を得た。
ご存知、パイオニアのプラズマテレビは国内最大のシェアを誇るナンバーブランドである。ホームシアターのパイオニアが、松下、NEC、富士通ゼネラル、日立製作所・・・といったテレビセットメーカーを相手に、プラズマテレビでトップシェアを誇る理由は確かにある。それは50インチというサイズにデジタルハイビジョン放送をプログレッシブ表示できるXGA解像度を実現した孤高の技術力にほかならない。そして、その技術力と信頼性ゆえに昨夏の沖縄サミットにおいて、NHKが各国首脳の前で実演した100数台のプラズマテレビは、すべて“パイオニア!”であったのだ。
現在、パイオニアのプラズマテレビは、2工場が連係して生産が行われている。昨日、訪れた甲府工場はプラズマのパネルを生産し、本日訪問した静岡本社工場は、そのパネルにIC等の駆動系をセットし、プラズマテレビセットの形にパッケージングしている。
さらにパイオニアでは現在、新規工場設備としてPDP第2プラントを設立中であった。着工は2000年7月で、竣工は本年3月。10月には稼動を開始する予定だ。さらに第2プラントは、パネルの生産からプラズマテレビセットへと一貫ラインで製品製造できるというから驚きだ。同社のプラズマテレビの販売数に比例するように、パネル数で生産能力10万枚/年を持ち、既存のライン5万枚と合わせ、15万枚の生産数にのぼる。それは投資額にして150億円。投資額に対する生産枚数の少なさに疑問を投げかける向きもあるが、実際、XGAクラスのPDPを効率よくライン生産できる技術を保有している工場はない。
パイオニアの50インチハイビジョンプラズマテレビ、PDP-502HD(\1,680,000)は、ハイビジョン信号を表示できる水平1280×垂直768画素を持ち、独自のワッフル構造という技術によって高画質を誇っている。産業スパイも多い(!)といわれる厳重なプラズマディスプレイパネル(PDP)の工場内は、残念ながら「写真撮影禁止」という憂き目に遭ってしまったが、そこはまさに“逆転の発想”といえる生産のアイデアが所狭しと並んでいたのであった。(つづく)
(AV REVIEW編集長 永井光晴)