『2001 DX技術ショー』開催、芝田副社長の挨拶全文
挨拶される芝田副社長(写真左)。DX技術ショー入口(写真右) |
ショー開催に先立ち、午前、記者会見が行われた。出席者は同社代表取締役副社長 芝田収氏、代表取締役専務 中川克己氏、取締役営業技術統括本部本部長 井上茂美氏の3氏である。また本日は、新製品の発表も行われた。アンテナ2機種、ブースター2機種、そして各種分波機器である。これら新製品の共通の特徴は「デジタル放送のためのより完全なシールド構造」である。この新製品については別項ニュースでレポートする。
以下、記者会見での芝田副社長の挨拶を箇条書きでまとめる。
■DX技術ショーは今年で20回目。ここ2年は東京のみでの開催であったが、西日本地区のお客様にも来場しやすくするため、今年は大阪でも行う。21世紀を迎え、気持ちを新たに技術の総決算としてこれからも出来るだけ毎年やっていきたい。
■今年はデジタル元年といっても過言ではない。昨年のBSデジタルの開局、政府のIT先進国宣言、そして来年の110度CS、2003年からはデジタル地上波が始まる。またCATVも3種類のデジタル方式が提案され、CATV局も準備が整いつつある。まさにデジタルコンテンツのための「デジタル元年」である。
■DXアンテナのおかれた立場は、厳しい経済環境のなかで、恵まれた情報関連業界だと認識している。全国にはすでに1億万台を超すテレビがあり、これからは5つのデジタルインフラが整えられていく。「個別の衛星」、「ケーブルテレビ」、「無線」、「移動体」、「地上波デジタル」といずれも利用が増えていくことは確実で、5つのインフラをどのように支えていくかを考えている。そのなかで「いつでも開発1番、営業1番」を目標にしている。
■すでにDXアンテナでは5年前にデジタル化を掲げたDDマークを提示しているが、さらにDDマークを冠した商品を充実していきたい。CATVにおけるBSデジタル放送受信も、STBの標準化のために12月8日にケーブルラボラトリーを開設(編注:芝田収副社長は、社団法人 日本CATV技術協会の理事長も兼任)。トランスモジュレーション方式でヘッドエンド10社、STBは8社(本日現在)の標準化が完了した。6月に開催される「ケーブルショウ」にはさらに数社が加わった形で標準化メーカーが発表できる。米国は1988年に標準化しており、日本は10年遅れているが、早急に標準化作業を進めていきたい。
■CATVの加入者はすでに1000万世帯。4軒に1軒くらいの割合だ。さらに、3軒に1軒くらいまでは伸びると踏んでいる。BSデジタルも3年で1000万世帯を目標としている。昨年も1台でBSデジタルを含む複数衛星をカバーできる共用アンテナを発表したが、いつでもDXアンテナは開発1番を目指している。
■DXアンテナの業績について。決算は8月なので今期は7ヶ月目を迎えたところ。350億円の売上げを達成目標にしている。昨年は335億円で、うち特殊事情で50〜60億円があった。特殊事情というのはディレクTVからのスカパー乗換である。今年は特殊事情はないのだが、一方でCATVのデジタル化、BSデジタル開始などを特殊事情に見立てて達成目標を設定した。7ヶ月で前年比110%で推移しており、ほぼ達成している。今期はまさにデジタル化への移行が後押しをしているといえる。
■営業的にはルート別販売体制を徹底した。「首都圏営業本部」、「近畿営業本部」、「九州営業本部」、「仙台・中部・金沢・広島、そして北海道・沖縄を含む全国支店統括本部」、「ネットワークソリューション本部」の5つの体制を確立し、個別に営業目標を設定した。営業は推進室ではなく、本部制にして結果を残していくようにした。
■さらに、この4月21日からの下期は、開発部門もルート別にしていく。「開発第一本部」、「開発第二本部」を作り、たとえばブースター、パッシブなど製品別の責任者を社内外にわかるようにする。また、受信設備の工事等(CATV・共同受信システムの調査、設計、施工、保守および技術者育成)も、従来は外部委託会社に任せてしまうところがあったが、今後は積極的に社内、グループ企業内で行っていく。そのためにDXシステム建設株式会社を設立した。
■今年はまさに「デジタル元年」。まずはアナ-アナ変換からやっていく。7月〜3月までは国家プロジェクトで数十億円規模も開発費が拠出された。さらにいい商品を作り、開発、工事まで一環したプロジェクトを行っていく。
以上。
(AV REVIEW編集部)