松下と日立が戦略的提携に合意
日立・庄山社長(左)と松下・中村社長 |
主な提携内容は3つ。
1. ICカードソリューションの開発・提供
情報ネットワーク社会の一層の進展に伴い、社会生活におけるネットワークを活用した各種サービスが急速に拡大するなか、両社は、ICカードを媒体としたトータルソリューションを開発、提供していく。具体的には、日立が認証・決済といった金融系システム、松下が社会システムと家庭内の情報機器をつなぐBtoCシステムと、それぞれの強みを活かす。ユーザーニーズに適したソリューションを提供するとともに、各種サービスアプリケーションの企画・開発も手がけていく。
2. ホームネットワーク家電の企画・開発
家庭内におけるネットワークインフラが進展するのに伴い、家電製品と社会インフラを結ぶホームネットワーク家電システムの開発は、新たな商品ベネフィットを創造し、家庭・生活の利便性を飛躍的に増大できる。両社は、この部門におけるデファクトスタンダードの確立を目指し、「エコネット」を利用したネットワーク構想の研究・開発や、ネットワークにつながる家庭内省電力システム、新たな付加価値を装備した商品開発に協力していく。なお、この事業分野に関する協業に関しては、合弁会社を設立する。
3. 白物家電事業における環境対応新技術の研究・開発
将来の家電文化の創造へ向けて、省エネ・リサイクルに関する環境対応新技術の共同研究・共同開発を行い、地球環境保護を第一義としたエコロジーデファクトの形成を推進する。具体的には、2003年までに商品化する。さらに、グローバルベースでの部品・部材の共同開発・共同購買などを通じ、コストおよび製品競争力の拡大・強化を図る。これらの推進に際しては、両社部門長レベルでの定期的協議のもとに、スピーディー、かつ、具体的な実現を図る。
今回の提携合意を、両社長は「家電事業においてもっとも重要な戦略と位置付け、日立の家電事業における収益改善の柱としていく」(日立・庄山社長)、「今回の合意をもって、松下の成長戦略をさらに加速させていく」(松下・中村社長)と力強く語る。すでに、DVD−RAM分野において提携関係にある両社だが、今回の広範な提携関係の構築については昨年7月より話し合いを持ち、本日、上記の3つの分野についての合意した。もちろん、これまでの話し合いの内容は、この3つのテーマに限られたものではなく、デジタルAV分野や生産技術分野など、さらに広い範囲での協業について、具体的な協力関係構築に関する可能性が引き続き検討されている。(Senka21編集部)