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NEBA岡嶋会長が会見。「年末はPDP、液晶に勢い」

公開日 2001/10/26 16:55
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●NEBA(日本電気大型店協会)は26日に記者会見を行い、岡嶋昇一会長が、今年度上半期の業界動向、下半期の展望、また、同協会の取り組み状況等について報告した。

1)上期販売実績
 2001年4月〜9月のNEBA販売実績は、対前年比96.33%と前年を割り込んだ。岡嶋会長は「大店立地法施行に伴う駆け込み出店による売り場面積の増大(対前年比113%)、本年4月の家電リサイクル施行に伴う指定4品目(冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビ)の駆け込み需要などがあり、既存店ベースでは約85%と、バブル以来、もっとも厳しい年になると予想している」と述べた。さらに、米国の同時多発テロなどの影響で消費マインドが冷え込み、厳しい環境にあるとの見方を示した。
 
2)新生NEBA活動状況
 そのような環境下、4月から、岡嶋新会長のもとスタートを切った新生NEBAでは、従来の事業の見直し等を積極的に推し進めている。物流問題では、製販のロジスティックの改善と店頭業務の効率化に向け、メーカーの協力のもと、勉強会を発足。ここのところ被害額が急増しているという店頭盗難については、情報交換や予防策の技術的な対応など、精力的な対策の検討を行っている等、活動状況を説明した。

3)家電リサイクルについて
 4月からスタートした家電リサイクルについては、「世間一般には順調にテイクオフしたとの見方がされているが、小売店が相当に負担を強いられている」と苦言を呈した。同法施行半年間で、450万台がリサイクルに出されたが、NEBAではその約4割にあたる171万台を回収。「大きく貢献していると自負している」と述べた。
 その中で、「問題点が出てきていると認識している」とし、当初行政が目論んだ競争原理が働かない中でのA、B、2つのグループの中間集積場に分けて届ける手間と労力、訂正のきかない伝票の不便さ、中間集積場での待ち時間の長さ・受け付け時間の短さ等、問題点を指摘。「行政、メーカーに対して是正を要望している」という。
 こうした背景を受け、来年スタートしようとしているPCリサイクル法についても、「十分な検討期間が用意されていない。今後の環境問題等を考えた、もっと大局的見地からシステムが導入されるべき」と延べた。「来年施行されるから、その中で最善の方法を考えるというレベルの問題ではない。まず、施行時期を遅らせてほしい」と、行政のあいまいな対応に釘を刺した。

4)家電公取協の取り組みについて
 チラシの価格表示やポイント制度、ヘルパーの問題等々、現状の流通店頭の状況について「大変な状況になっている」と語る中での家電公取協の問題については、同会が家電公取協を脱会するかどうかなどの結論を先送りとした。「誰もがはっきりとわかる明確なルールが必要」と強調する岡嶋会長は、「業界や公取委のインサイド間で処理するものではなく、行政が在り方を明示するべき」と、現在の行き過ぎた表現方法に対して警笛を鳴らした。

5)下期の市場展望
 最後に、これから下期に向けての市場を展望したが、厳しい環境下にありながらも「新しい商品が出て来た。一頃低迷が言われていたBSデジタルも9月度より上向きとの手応えを感じている」と語った。年末商戦へ向けての主力商品としてあげた映像商品では、「液晶テレビ、プラズマが大変期待できる。すでに台数ベースで5〜10%、金額ベースでは10〜15%アップしている法人もある」と、年末商戦へ向けての中心商材と位置付けた。
 低迷が続いているパソコンも「昨年7月から1年以上低迷を続けているだけに、これまでのように大きく落ち込むことは考えられない」と語り、ウインドウズXPの登場により「前年比アップも十分期待できる」との見解を示した。
 
 業界を取り巻く環境はまさに激しく変化しているが、岡嶋会長は「業界は大きく動いていますが、NEBA会員企業各社が、さらに活力ある活動をしていくことが大事だと考えています」と語り、市場活性化、業界発展へ向けての強い決意を示した。(詳細は11月26日発売のSenka21 12月号で/Senka21編集部)

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