いよいよ登場! 松下のフラグシップDVDオーディオ/ビデオプレーヤー「DVD-H2000」
外観はH1000譲り。中身を一新した「DVD-H2000」 |
本機は、初のプログレッシブDVDプレーヤーとしてAVファンの心をガッチリと掴んだ名機「DVD-H1000」の後継モデル。アメリカではすでに発表されていたこともあり、国内での発売が待たれていた。
本機の映像DACは、54MHz/12bit。他社のDACの中には108MHz/14bitのものもあるが、本機ではプログレッシブ、インタレースそれぞれ独立のDACを用いる事により、信号間クロストークによる信号劣化を防ぎ、高S/Nを実現したことに注目したい。
プログレッシブ出力回路の信号カップリングコンデンサーには、超低インピーダンスアルミ電解コンデンサーを用いることにより、周波数特性を改善した。また、電流ドライバーICの電源対GNDのバイパスコンデンサーには有機半導体コンデンサーを使用し、画像のS/N感を向上させている。
出力端子も、プログレッシブ色差(BNC)、インタレース色差それぞれ独立の出力端子を採用し、信号切り替えが原因の画質劣化を防いでいる。
プログレッシブ変換は、映画フィルム素材用の24p→60p変換、通常のビデオ映像用の60i→60p変換に加えて、今後普及が期待される30pソフト(毎秒30フレームの480p画像で構成される次世代のビデオ映像方式)に対応した30p→60p変換と、3種類のプログレッシブ変換に対応。
画質調整機能が豊富に用意されていることにも注目したい。さまざまなデジタルノイズリダクション機能のほか、映像や字幕に生じるギザギザ感(=シュート)を、画面の解像度を損なうことなく改善し、より自然に画像を再現する「アダプティブエッジコントロール」、RGBそれぞれのゲインとオフセットを独立で調整する機能を設けた事により、従来のカラーティント調整では出来なかった細かな色の調整が出来る「RGBカラーコントロール」、水平(中域、高域)と垂直を独立にシャープネス調整出来、より画像調整の幅を広げた「2次元シャープニングフィルター」などを搭載している。また、画面の、垂直方向への画像シフト機能も装備した。
高音質再生への対策も抜かりない。192kHz/24bitマルチビットD/Aコンバーターの搭載は当然のこととして、通常の音楽CDが再現する限界である20kHzを越えた超高域まで補完して再生する「デジタルリマスタープロセッシング」、「デジタルフィルター帯域可変」機能の搭載、オーディオ専用大型RコアトランスやMOS−FETバーチャルバッテリーオペレーションの装備、全チャンネル(8ch)Class AA出力回路やTAKEH II ver.3コンデンサー、25Mbps広帯域光コネクター、トロイダルコア型同軸パルストランスなどの搭載、そしてL/R対象レイアウト採用のオーディオ基板など、書ききれないほどトピックが充実している。
そのほか、映像・音声の両方に影響を与える制振構造も、前例がないほど充実している。
スペックやビット数といった次元を超越した、真のハイエンドモデルがここに誕生した。(Phile-web編集部)
*なお、このモデルは、松下電器産業の公式ECサイト「パナセンス」においても、12月1日より50名限定で受注販売が行われる予定。
【SPEC】●再生可能ディスク:DVD-RAM、DVDビデオ、DVDオーディオ、音楽CD、ビデオCD、CD-R/RW(CD-DA、ビデオCDフォーマット)、MP3 ●出力端子:ビデオ1、S映像2、RCA色差(525i)1、BNC色差(525p)1、2chアナログ音声2、5.1chアナログ音声1、光デジタル1、同軸デジタル2 ●消費電力:22W(スタンバイ時 約1.5W)●外形寸法:430W×114H×391Dmm(突起物を含まず) ●質量:約17.9kg