オリンパス、デジタルカメラなど映像事業を再編〜中国での本格生産を開始〜
<左>オリンパス光学工業(株)代表取締役社長 菊川 剛氏 <右>同社映像システムカンパニー長 小宮 弘氏 |
同社では昨年にも事業部制を撤廃して本部制とするなど、収益力強化のための策を数多く打ってきた。今回の事業再編は、その方向性を一層強化するもの。
同社の菊川 剛社長によると、2002年3月期のデジカメ事業の収益は、価格の下落や過剰在庫などにより100億円を超える赤字となった。同社デジカメの売上げは1,500億円を超え、同社の中心的な事業となっており、今回の改革により収益構造を立て直す。事業再編によりコストを10%削減することで、2003年3月期には、映像システムカンパニー全体で50億円の黒字を達成したいという。
「開発から製造・販売までを一体化させた新しいビジネスモデルを構築することで、迅速な意思決定と市場ニーズの捕捉、タイムリーな商品の市場投入、一層のコスト低減を実現し、デジタルカメラやコンパクトカメラ、MOディスクドライブなど変動の激しいコンシューマ製品市場において、よりスピーディで収益力のある事業展開を図」ることが今回のねらいであると同社では説明している。
同社映像システムカンパニー長の小宮 弘氏によると、事業再編は、大きく「製造」と「販売」の2つで行われるという。製造分野ではコスト競争力の強化を図るため、中国生産をベースにする。短期間で生産ラインを立ち上げる生産技術の確立など「創」の部分を日本国内の拠点が、高品質でローコストの製造工場として機能する「造」の部分を中国拠点が担っていく。
これにともない、国内の映像システム関連製品の生産拠点であるオリンパス光学工業 辰野事業場、オリンパス光電子(株)東京事業場、大町オリンパス(株)、坂城オリンパス(株)の4拠点を一組織に統合する。
販売分野では、目まぐるしく変化する市場のニーズにすばやく応える市場対応力の強化を狙い、国内販売会社オリンパス プロマーケティング(株)のコンシューマ製品を扱う映像情報部門を、営業譲渡によってオリンパス光学工業の映像システムカンパニーに統合する。製販を一体化することで迅速な意思決定と高い機動力を実現し、消費者の嗜好や売れ筋の変化など動きの速い市場動向に柔軟に対応できる体制を確立する考えだ。(Phile-web編集部)