WOWOW佐久間会長インタビュー(2)
佐久間会長ご本人と、女性社員が作ったという佐久間会長の人形 |
佐久間Jニ氏のインタビュー第2弾です。
ホームシアターが変える
リビングのライフスタイル
―― 昨年末はプラズマテレビが非常に良く動きまして、設置できなかった製品も非常に多いと聞きます。しかも、サラウンド関連を含めて総額数百万円になることすら珍しくなく、そこには相当なエネルギーを感じます。
佐久間 そうですね。12月だけで80台以上も販売したというお店もあるほどですからね。しかも現金で支払うケースが多いとか。商品が満ち足りてしまっているという話しをよく聞きますが、製品のきちんとした提案が必要なんですよね。豊かさという観点から言えば、日本はまだまだ豊かではないと思います。今よりもさらに豊になると思える製品があれば、そのための対価は支払う用意があるわけです。
―― 私が『ホームシアターファイル』を出版してみて思うことは、富裕層が意外と多く、その人たちは家、車、別荘といったものは持っていますが、家に映画館は持っていない。プラズマテレビもそうですね。彼らはマニアでもなんでもないんですが、そういう層がホームシアターに動いている。そしてホームシアターを実現することが「ハッピーファミリー」につながっていくんです。
例えば、おじいちゃんのところに大画面のテレビがあると思えば、孫はソフトを持って見に来るわけです。そこに引きこもりもなにもないんですね。プラズマテレビは非常に高額な製品ですが、それが実現できるのなら決して高額ではないわけです。そういう意味では、プラズマテレビはカラーテレビが家庭に入ってきて以来の革命的な出来事だと思います。
佐久間 そういうこともあるでしょうね。それだけに多くの人の関心を集めているのでしょう。私は何か新しい発見、新しい驚き、そういうものがないと物事は変わらないと考えています。その驚きや発見が大きければ大きいほど、今おっしゃるような革命的なものに育つのではないかと思います。プラズマテレビや液晶テレビというのは、ひとつの大きな変化を持ち込んだと思いますね。
―― プラズマディスプレイでは、富士通ゼネラルが61インチを発表しました。これは非常に迫力がありますね。
佐久間 私もCESで見ましたが、日本以外でもサムスンやLGが60インチクラスの製品を出展していましたね。世界一のサイズという部分では韓国勢が健闘していますね。液晶テレビでも30インチクラスにシャープ、サムスンなどが出展していました。
―― 私は昔から「ペーパーテレビ」という考え方を持っているんです。テレビは壁のように薄くあるべきで、人間は基本的にそういうものを求めていると思います。プラズマテレビや液晶テレビは従来の概念を変え、人間の本質的な部分に応える製品だと考えています。
佐久間 住まいのなかでテレビはあまり場所をとってはいけません。電化製品がどれだけ表から見えているかというのは、文化の度合いが出るのではないかと考えています。
本来、隠せるものは隠したいものです。表にはもっと文化の香りや個人のアイデンティティがわかるものを置いておきたいですからね。部屋を全部電化製品で埋めつくすのも良いのですが、古くなればなるほど遺跡が部屋のなかにあるようなものになってしまいます(笑)。
―― 実は持っていた50インチのリアプロジェクションテレビを、プラズマテレビに買い換えたのですが、「こんなに場所をとっていたのか」という感じで、それまでとは別の部屋になりましたね。
佐久間 本当は普段は目に付かない場所に収納されていて、必要なときにすっと出てくるようなものになって欲しいですね。(senka21編集部)