【記者会見速報】シーラス・ロジック、AVデバイス全般をカバーする総合力をさらに強化
<左>シーラス・ロジック株式会社代表取締役社長 栗原敏雄氏 <右>米シーラス・ロジック ワールドワイド・セールス部門担当副社長テリー・リーダー氏 |
まずテリー・リーダー氏が壇上に立ち、シーラス社の現状を報告。それによると、オーディオメーカーとの強いパイプを維持することにより、AVアンプ向けなどオーディオ用デバイスはかなり順調に推移しているとのこと。今後はオーディオ用だけではなくビデオ用や無線ネットワークなど新たな分野のデバイスも開拓していき、それらでもナンバーワンを目指すとした。
また同氏は、半導体需要には過去に「PC」「通信」という2つの大きな波があったとし、これからは「デジタルエンタテイメント」という大きな波が来ると説明。アナログ→デジタルへの置換が一斉に行われ、デジタルエンタテイメント分野のデバイスは今後数倍の規模に膨れ上がるとした。この分野に力を入れていく同社は、昨年から数社の企業買収を行ったのが功を奏し、プロダクトラインナップの幅広さで顧客の要望を満たしていけると強調した。
続いて壇上に上がった栗原氏は、デジタルエンタテイメント分野でシーラス社がリーダーとなるために、日本が非常に重要な市場であると強調。オーディオビジュアル分野で世界をリードする日本で成功すれば世界的に通用するとし、そのためにメーカーが必要とするものをタイムリーに提供することが重要、と語った。また栗原氏は、短期目標として、DVDレコーダーやオーディオDSPなどをトータルに提供する「システムレベルのデザイン力強化」を掲げ、2004年度に向けて大きな飛躍を実現するために、日本法人も大幅に構造を変えていくと説明。長期的には「キーカスタマーとの強い関係の構築」が目標になるとも語った上で、これら目標達成のための戦略として、「デモ機やリファレンスデザインの積極的な提示」「社員トレーニング強化による顧客サポートの充実」「メディアやユーザーへのアピール強化」の3つを実践していくとした。
国内のAVアンプメーカー大手11社中9社がシーラス・ロジックのデバイスを採用している、という事実に顕著なように、デジタルエンタテイメント分野でのシーラス・ロジック社の影響力は日増しに強くなりつつある。今後の同社の展開に注目したい。(Phile-web編集部)