ポスト3管式! ソニーから新たなディスプレイデバイス「GLV」発表!
ディスプレイデバイス「Grating Light Valve」。色再現性の広さはブラウン管の2倍とされる |
「Grating Light Valve」、マイクロリボンアレイ(極小の短冊形状鏡の列)を用いて大型映像を投影するプロジェクター型ディスプレイデバイスで、プロジェクターやプロジェクションテレビ向けに開発された、新たなデバイスだ。2次元面状の構造を有する他の方式とは異なり、一列のマイクロリボンで構成されるため、シンプルな構造を特長としている。
また、光源に色純度の高いRGBレーザー光を用いることで、ブラウン管方式に比べ2倍以上の広い色再現を可能にするとされている。
今回開発したディスプレイの核となる「Grating Light Valve」デバイスには、リボン状の光回折素子が、シリコン基板上に一列に形成されている。この光回折素子は、電気信号により微細に動かすことができ、映像信号を用いて動かす量を制御することで光回折量を変化させ画像の明暗を作り出す。これにより、滑らかな階調表現や平均3000:1を超える高コントラスト比を実現することが可能となっている。
また、「Grating Light Valve」デバイスでは、1画素は6リボンで構成されており、HD映像の垂直画数と同じ1080画素分(合計6480本のリボン)の光回折素子が形成されている。
「Grating Light Valve」ディスプレイでは、RGBレーザー光をそれぞれに対応した「GratingLight Valve」デバイスにスリット状に照射し、1080画素分の1次元像を走査ミラーで水平方向に走査させる事で、2次元画面を構成する。今回開発したディスプレイでは、1920画素相当の水平走査を行なう事で、1920画素(水平)×1080画素(垂直)のフルHD・プログレッシブ映像を実現しいる。
DLPやD-ILAなどのデバイスとの大きな違いとしては、レーザーを使用し、色再現性が圧倒的に高いこと、コントラストが高いこと、60フレーム以上のプログレッシブスキャンが可能なことが挙げられる。デバイス自体の製品化は2年以内を目指すとのことだが、コストの高さが課題となっている。
このデバイスが組み込まれたプロジェクター等の商品化時期については未定とのことだが、ハイエンドホームシアターからプロユース向けのフロントプロジェクターとなる可能性が高いとのことだ。
(AVレビュー編集部)