ヤマハ、デジタルサラウンドデコーダーLSI『YSS942/941』を開発、サンプル出荷開始
YSS942 |
『YSS942/941』は、AVアンプなどのホームシアター機器において、様々なデジタルサラウンド方式を1チップでデコードできるデジタルサラウンドデコーダLSI。
対応音声フォーマットは、ドルビーデジタル、ドルビーデジタルEX、ドルビープロロジック(48kHz/96kHz)、ドルビープロロジックII(48kHz/96kHz)、AAC、DTS、DTS-ESディスクリート6.1、DTS-ESマトリクス6.1、DTS9624、DTS9624-ESマトリクス6.1、Neo:6(48kHz/96kHz)。『YSS942』は以上全てに対応し、『YSS941』は上記のうちDTS9624、DTS9624-ESマトリクス6.1以外に対応する。
両チップでは、新たに自社開発した高精度浮動小数点方式DSPコアを用い、最新の0.15μ微細プロセスを採用したもの。これにより、既存の全てのデジタル音場処理フォーマットのデコードコードをROMでチップ上に搭載することができたほか、必要な処理を行うワークRAMも全て内蔵しており、周辺機器を最小限に抑えたコンパクトな実装を可能にした。
動作周波数は180MHzと高速でありながら、ROM/RAMを内蔵することで高速信号のラインはチップ内部にとどまるため、信号漏れによるノイズが少ない、クリーンなDSPを実現した。
機能面では、入力される信号のフォーマットに対し、自動的に対応するデコーダーが起動してデコードを開始するインテリジェントな「オートディテクタ機能」をハードウェアで搭載した。さらに、デジタルサラウンドデコーダー動作後に、残った処理能力で音場DSP、ヘッドホンDSPなどの後続オプション処理を行うほか、「バスマネジメント機能」も搭載しているため、デジタルサラウンドLSIとして、1チップで完結した使い方を可能にしている。
なお、ROMに搭載した膨大な量の各種フォーマットデコードコードの全てに加え、CPUから機能を引き出すダウンロードコードも日本で社内開発を行ったとのこと。
本チップを搭載したアンプの登場を期待したい。
(Phile-web編集部)