松下、薄型テレビの新シリーズ「VIERA<ビエラ>」13機種を発表〜質疑応答全問掲載〜
左)松下電器産業株式会社 大坪文雄氏 右)同社 牛丸俊三氏と「VIERA」シリーズ |
本日東京都内の施設において新しい製品の記者発表会が行われた。はじめに同社の専務取締役である大坪文雄氏が登壇し、パナソニックAVCネットワークス社における今後の薄型テレビ商品戦略についての説明が行われた。国内テレビ放送が開始されてから50年を迎え、地上波デジタル放送も本格的なスタートをきる本年を「パナソニックでは“テレビ新時代”と位置付け、より積極的にテレビ市場を牽引してまいります」と語る大坪氏。
放送と通信の融合が進み、テレビがよりユーザーの生活に密着するとともに、高画質・高機能・薄型化を実現したテレビの需要がますます高まるであろうと大坪氏は指摘する。同社では地上波デジタル放送、DVDビデオの普及を受けて、薄型テレビ市場に大きなビジネスチャンスを見出している。「今回の新製品はデジタルテレビ時代に求められる全ての要素を盛り込んだ強力な戦略商品である」と語る大坪氏は、同社のテレビシリーズにおける新しいサブブランドネームとなる「VIERA」のネームを冠した製品群によせる大きな期待を明らかにした。
今後同社では32インチ以下の画面サイズはLCD、37インチ以上はPDPで「VIERA」シリーズのラインナップを固めていくという。今回の新製品ではデバイスからセットまでパナソニックならではの一貫生産により「LCD、PDPといったデバイスを意識せずに楽しんでいただける高品位な製品をつくることができた」と語る大坪氏だ。
以下に本日の会場で行われた質疑応答の内容を紹介する。
Q:パナソニックブランドとして2005年までにグローバル市場で30%のシェアを目指すということだが、現在時点でのグローバルシェアはどれくらいか
A:2003年は薄型テレビ製品で1,600億円の売上げを予測している。この数字はグローバルで22%のシェアとなるものだ
Q:高画質技術として今回の製品で初めて導入されたものは何に当たるのか
A:新しい高画質システム「PEAKS(ピークス)」の「PEAKSプロセッサー」「PEAKSドライバー」「PEAKSパネル」3つになる。これらは既に発売されているモデルに搭載されているものもあるが、今回の新製品ではそえぞれをブラッシュアップしつつ、それぞれの相乗効果を効率よく引き出して高画質を実現するため設計の見直しを施している
Q:アナログ放送のチューナーしか入っていないテレビはいつまで生産する予定か
A:アナログからデジタルへ放送が完全に切りかわるまで生産は続けていくつもりだ。基本的にお客様からの要望がある限りつくりつづけていきたいと考えている
Q:アナログ放送しか観ることのできないテレビを販売する際には、スペックに関する注意書きを施していくなどの対策を考えているか
A:アナログ放送専用テレビの販売についての注意書き等は十分に検討していく考えだ。またJEITAの方針にも従いながら進めていきたい
Q:今後、地上波デジタル対応のテレビが生産全体に占めるパーセンテージはどれくらいになると予測しているか
A:パナソニックブランドの商品としては、60%から70%の割合で薄型の地上波デジタル対応テレビとなるだろう。これは市場全体の割合よりも高い数値ではないだろうか
Q:新しい「PEAKS」システムは全て内製のものか
A:プロセッサ、ドライブ、PDPのパネルは内製のものだ。液晶のパネルはTMD社と提携し生産を行っている。インチサイズなど規格に従ってTMD社に発注を行いながら今後も開発を進めていく。CRTのパネルは合弁会社との提携により生産している
Q:PDPのパネルについては、2004年から大阪・茨木の第2工場を稼働させ生産拡大を計画しているということだが、液晶パネルの生産について拡大計画はあるか
A:PDPについては茨木第2工場にてパネルの多面取りも視野に入れつつ大幅な生産拡大を目指していく。液晶パネルへの質問については本日はお答えできない