<IFA2003ベルリンショー・レポート 19>−番外編〜ドイツ人だってハメを外します〜
●土曜日、日曜日の開催期間は特別に一般来場者の数も多く、会場はさながら週末の渋谷センター街のごとく人並みがごった返すIFA2003ベルリン・ショー。私たち日本人が思い描くドイツ人は、クラシック音楽やハイデッガーの哲学を愛し、物静かに思考して暮らす生真面目な人々をどことなく想像しがちかもしれない(?)。しかしながらIFAベルリンショーのようなお祭りとなれば、ドイツ人だって(?)しっかりハメを外してはしゃぎまくっている。
IFAベルリン・ショーは、夜中まで繰り広げられる「IFAナイト」というオープニングイベントのある開催初日を除き、その他の期間中は6時までの開館となる。夕方4時を過ぎた辺りからは会場もなんとなくリラックスしたムードに包まれ始め、あちらこちらのブースがいっそう賑やかになってくる。
「PCでカラオケが楽しめる」ジュークボックスアプリケーションのプレゼンテーションを行っていた欧州のメーカー、TOMORROW社のブースは、夕方からすっかりカラオケ大会の会場に変身。ドイツでは今、徐々にカラオケブームが熱くなり始めているそうだ。
しかもドイツの人々は歌うことが相当好きらしい。一般来場者はもちろん、近辺のブースでプレゼンテーションを行っている別の企業の解説員まで集まってきて、マイクの奪い合いが繰り広げられる。大勢の観衆の中で歌う楽しさに覚醒してしまったと思われる、50代くらいの一般来場者のおじさんがマイクを握って離さない。
私もカラオケ大会の模様を15分ほど眺めてしまったのだが、その間に氏は中1人置きくらいのハイペースでエルビス・プレスリー『サスピシャス・マインド』、ロイ・オービソン『プリティ・ウーマン』をフルコーラス歌い上げた。
出展各メーカーが一般来場者に配るノベルティグッズなども人気が高いようだ。大人のくせにメーカーのロゴ入り風船を3つも4つも握りしめている人もいれば、「それ本当に持って帰るんですか!?」と訊きたくなるほど、家族総出でやってきては両手の紙袋一杯にメーカーの製品資料を嬉しそうに持ち帰っている人たちもいる。
これらの光景を目の当たりにし、それぞれの展示者側が一所懸命送ったメッセージに、大変真面目に応えようとするドイツの人々の温かさ、純粋さのようなものが垣間見えたようで大変気持ちが良かった。
(Phile-web編集部・山本)
[IFA2003REPORT]