ソニーとドコモ、携帯電話にSuicaやEdyを搭載する新サービスを展開
<左>左からソニーCEOの出井伸之氏、フェリカネットワークス社長就任予定の河内聡一氏、NTTドコモ社長の立川敬二氏 <右>あいさつを行うソニーCEOの出井氏 |
本日、東京都内で合弁会社設立に関する発表会が行われ、ソニー(株)CEOの出井伸之氏、NTTドコモ社長の立川敬二氏、フェリカネットワークス(株)社長就任予定の河内聡一氏(現ソニー)など、両社を代表する顔ぶれが勢揃いした。
FeliCaは、国内ではJR東日本の「Suica」、電子マネー「Edy」、オンラインクレジットサービス「eLIO」などに採用されている技術。全世界で3,800万枚が普及しており、非接触型ICカードとしてはナンバーワンの実績を誇る。
携帯電話にFeliCaを内蔵させ、同機能に対応したサービスが増えてくると、携帯電話をかざすだけで、電車に乗ったり、買い物をしたり、チケット代わりに使用したりすることができるようになる。メモリー容量を拡大することで、技術的にはパスポート機能を内蔵することも可能という。
出井氏は、「様々な可能性を秘めたこの技術を普及させたいが、ソニーだけでは困難。NTTドコモと組んで、より中立性と公共性の高い会社を設立するのが早道と考えた」と、新会社設立の理由を語った。ドコモの立川社長は、「非接触型ICカードを携帯電話に搭載するのは悲願だった。ドコモの独自規格も開発中だが、先にソニーさんの技術が完成したので採用した」とし、さらに「FeliCa内蔵の携帯電話は04年度内にFOMAとPDCの両方で発売する。将来的にはドコモの全機種に内蔵したい」と、同技術に対する並々ならぬ意欲を示した。すでにドコモでは504iをベースにした試作機を完成させており、これを6,000台使用した実証試験を12月から開始するという。
フェリカネットワークスは、この技術を普及させるため、携帯電話事業者やメーカー、コンテンツプロバイダーなどに同技術をアピールし、チップメーカーに対してICチップ(仮称:モバイルFeliCa IC)のライセンス供与を行う。同社の主な収入はライセンス料とサーバのホスティング料だが、「あくまで普及を目的とした会社なので利益第一主義はとらない。まず、5〜6,000万のユーザーを獲得するのが目標」(社長就任予定の河内聡一氏)という。
今後FeliCa技術が広がれば、ドコモユーザー以外からも同技術を使用したいという要望が高まる可能性があるが、フェリカネットワークスでは、要請があれば、KDDIやボーダフォンなど、NTTドコモ以外のキャリア向けにもFeliCa技術を供給するとしている。
(Phile-web編集部)