<FDP2003レポート>エプソンはフルHD(1080p)対応の液晶デバイス搭載製品をデモ展示
左)フルHD対応の液晶デバイス搭載機のデモ 右)0.1mmの薄さを実現した3.8型カラーLCDモジュール |
セイコーエプソンのブースでは、先頃技術開発を発表したフルスペックHDTV(1080p)対応のホームシアター向けプロジェクター用高温ポリシリコンTFT液晶パネルを搭載した実機をデモンストレーション展示している。今回のイベントではリアプロジェクションタイプの製品を使って、高精細な画像の投写デモが行われていた。12ビット信号処理に忠実に対応し、10億色を超える色再現性を獲得したというその映像の美しさが、会場に訪れた多くの人々を魅了していた。
本製品ではデバイスサイズを1.3インチまで小型化することに成功し、同時にコストの大幅な削減も実現したという。デバイスは来年春ごろから日本国内において量産が開始される。今回公開されたリアプロジェクションタイプの製品のみならず、フロントプロジェクションタイプのホームプロジェクターへの搭載も速やかに実現していくという。その際、想定される実機の価格は、現在発売されているDLPプロジェクターのハイエンドモデル近辺の値段になりそうだ。日本国内、欧州ではフロントプロジェクションタイプ、北米、中国、韓国ではリアプロジェクションタイプの製品にそれぞれ本デバイスを搭載した製品を開発していく予定であるという。
その他にもセイコーエプソンのブースでは、同社の独自開発技術である2.1インチ・インクジェット有機ELディスプレイのデモンストレーション展示を展開。ディスプレイ周辺の黒い額のデッドスペースを少なくし、表示部分が従来モデルよりもさらに明るく高精細になった。動画のスムーズな表示も実現し、将来はゲーム機などへの応用が視野に入れられている。また、同社で開発した3.8型カラーLCDモジュールの新製品デバイスを、0.1mmまで薄型化を実現したプロトタイプモジュールがデモ展示されていた。本製品は薄型化のみならず、曲面加工まで実現しており、「薄くて曲げることのできる液晶パネル」として来場者の関心を集めていた。本デバイスの0.5mm厚のモジュールを使ったデジタルフォトビュワー「PhotoPC Player P-1000」が同社より新しく発売される。
(Phile-web編集部)